これまで日本にはたくさんのクルマが生まれては消えていった。そのなかには、「珍車」などと呼ばれ、現代でも面白おかしく語られているモデルもある。しかし、それらのクルマが試金石となったことで、数々の名車が生まれたと言っても過言ではない。
当連載では、これら「珍車」と呼ばれた伝説のクルマや技術などをピックアップし、その特徴を解説しつつ、日本の自動車文化を豊かにしてくれたことへの感謝と「愛」を語っていく。今回は、奇跡の高級グランツーリスモとして誕生した、オーテック・ザガート・ステルビオを取り上げる。
こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】 ミラノと茅ヶ崎のカロッツェリアが組んで生まれたオーテック・ザガート・ステルビオ
文/フォッケウルフ、写真/日産
■空前の好景気を背景に生まれたスペシャルなコンプリートカー
戦後最大の好景気と言われたバブル景気に浮かれていた1986年。当時の自動車市場はクルマに対するユーザー指向の多様化、そして個性化が一気に進んでことを受け、それに対応するべく数々の名車が生み出されていた。
そんななか日産自動車は、100%出資による少量生産車および特装車の製造・販売を目的とした子会社「オーテックジャパン」を設立する。初代社長に就任したのは、歴代スカイラインの開発を指揮した桜井眞一郎氏である。
同社の業務は、日産製量販車をベースにした乗用および商用の特装車の開発と生産、モータースポーツ車用エンジンの開発、さらにチューニング&ドレスアップパーツの開発・生産などがメインで、それは現在でも引き継がれている。
オーテックジャパンは創立当初からさまざまなカスタムカーを世に送り出してきた。スカイラインやプリメーラをベースに走りの性能を極めた「オーテックバージョン」。
セレナ、エルグランドの特別仕様車として登場後、あまりの人気にカタログモデルとなった「ライダー」など、いずれも開発に際しては日産の売れ筋車種をベースにドレスアップしたり、チューニングするといった手法が用いられていた。
今回クローズアップする「オーテック・ザガート・ステルビオ」は、設立まもない1989年に発表したこともあってオーテック ジャパンの存在を広く知らしめることになった。
ザガート伝統の手法であるダブルバブルルーフ形状をはじめ、デリケートかつ緻密な美しさが表現された外装によって、どこから見てもそれとわかる圧倒的な存在感を主張
ステルビオの開発にあたっては、「手づくりでしか表現できない個性豊かなスタイルをもった高性能・高級グランツーリスモ」というコンセプトを掲げられる。あらゆる領域において量産車の生産方式では表現しにくい手作りの美しさを持ったクルマとするために、オーテックジャパン単独ではなく、イタリアの老舗カロッツェリアである「ザガート」とパートナーを組むことになったのだ。
オーテックジャパンがベースとなる車両を日産から取得し、パワートレーンやサスペンションのチューニングを行い、その後にイタリアのミラノに居を構えるザガートのファクトリーに輸送。そこでボディ外装を架装し、内装を組み付けたのち、再び日本に送り返してフィニッシュさせるという製造手法が採用されていた。
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ですが、もう一車種「ガビア」というクルマもザガートは製作していましたな。
ガビアのほうはもう少し大人しい、ノーブルなスタイルが印象的な一台でした。
ただ両車にとって、とても大事なスタイル上のアクセントとなっていたのが、
NACAダクトを持った特徴的なディッシュタイプのアルミホイール。
たまに中古で出品されるステルビオには、このホイールを履かせていない
車両があったりしますが、別途保管しているような説明も無いようなので、
このへんがちょっと残念だったりします。
こればっかりは再生産、というワケにもいきませんから…
手間を考えれば、往復の船賃だけで軽く200万円プラスになるから仕方ないとは思うけど
どうもザガードは値付けが酷い、GT-Rが1億円もなあ
ネオクラバブルの今ですら、ほとんど上がってないのが市場評価だと思う
クルマの評価って難しい