ニコ・ロズベルグは、現在作業が進行中のF1新レギュレーションを策定する上で、もっと激しいバトルを増やすためにも、グラウンドエフェクトカーが走っていた時代を参考にすべきだと考えている。
2016年、当時チームメイトだったルイス・ハミルトンとの激しいタイトル争いを勝ち抜き、ロズベルグは念願のF1王者に輝いた。その年にF1の商業権を手にしたのが、現在のF1オーナーであるリバティ・メディアである。
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ロズベルグは王座に就くと、その年限りでのF1引退を決断。以後外部から、F1を見続けてきた。
来シーズンのF1は、前方を走るマシンに近付くことができるよう、シンプルなフロントウイングを搭載する方向で議論がまとめられつつある。これは、レギュレーションが本格的に変更される予定の2021年シーズンに先立ち、レースの”質”を向上させることを狙ったものだ。
ロズベルグは先日行われたモナコGPの際、父ケケと共にそれぞれのチャンピオン獲得時のマシンに乗り、デモ走行を披露した。ケケがドライブしたのは、1982年のウイリアムズFW08。かつてのグラウンドエフェクトカー最末期のマシンである。ロズベルグはこのマシンが走るのを見て、今後のF1が追求するべき方向性を見たと言う。
「僕は親父のマシンを見た。それは完全なグラウンドエフェクトカーだ」
そうロズベルグは語った。
「エアロダイナミクスは、すべてマシンの下で発生する。だからいつでも、ギヤボックスの間近まで近付くことができるんだ」
「彼ら(F1)はそういう方向に進む必要があると思う。そして、少なくとも2021年までにそれがマネジメントできることを願っている。なぜなら(F1を)より楽しめるようにするためには、それが必要だからだ」
「僕らは手に汗握るようなバトルやドライバー同士の激しい戦い、そしてホイールとホイールがぶつかり合うようなシーンを求めているんだ。こういうことは、これまで難しかった。それが最大の問題のひとつだ」
「残念ながら、現時点では正しい場所にいない。そしてその後で、中団チームが成功を収めるチャンスを手にするために、コスト面を変更する必要がある」
2017年に向けたレギュレーション変更を行うにあたり、グラウンドエフェクトの復活も議題に上がった。しかし最終的には、より”強力”なウイングを追加する方向性となった。しかしこれによりオーバーテイクがさらに難しくなったことを受け、2021年に向けては、当初の計画に戻りつつある。
レースの”質”を向上させるのと同様に、2021年に向けてはマシンの開発コストを大幅に削減することも検討されている。そのため、より安価なエンジン、予算制限、共通パーツなどといったレギュレーションの導入に向け、議論が進んでいる。これを実施することで、グリッド上の格差、特にビッグチームの経済的優位性を減らすことが目指されているのだ。また一方でリバティメディアは、様々な情報発信方法を活用して、ファンの興味を高めようと施策を行っている。
「リバティメディアはエンタテイメントが何たるかを理解しているから、非常に良い仕事をしている」
そうロズベルグは語った。
「彼らは若者に興味を持たせるために、すべてのモノを試している。それは素晴らしいアプローチだ」
「それは良いことだと思う。しかし問題は、それと同時に動いている、ふたつのことだ。そっちの方がはるかに困難だ」
「それはコストの問題と、オーバーテイクの問題だ。今はあまりにも空力に頼りすぎている。だから前のクルマに近づくのは、今までは難しい。すごく速いドライバーがいても、彼を持ってしても前を行くクルマに近づくことができないんだから」
「それ(を解決するの)はとても重要なことだ。それこそがエンタテイメントだからだ。もしバトルがもっと見られるようになれば、それは素晴らしいことだと思う」
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