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実は日本車じゃなかった!?アメリカ帰りの左ハンドルに心躍らされたホンダ「アコード クーペ」

掲載 更新 91
実は日本車じゃなかった!?アメリカ帰りの左ハンドルに心躍らされたホンダ「アコード クーペ」

ミニバンやハイブリッド車、電気自動車が席巻する以前の古き時代に、日本車なのに日本車じゃないクルマがあった。

その名はホンダ「アコード クーペ」という。

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左ハンドル車も用意された、1980年代~1990年代のアメリカ帰りの〝帰国子女車〟を振り返ってみたい。

左ハンドルのみ!逆輸入車の魅力が詰まった初代ホンダ「アコード クーペ」(CA6)

1988年4月22日より、全国のホンダクリオ店で販売されたのが、初代ホンダ「アコード クーペ」(E-CA6)だ。

ホンダ「アコード」としては3代目のモデルとなり、フロントにリトラクタブルヘッドライトを採用し、流れるような美しいラインを持つ洗練されたスタイルを形成。品格ある3ボックスタイプの2ドアクーペに仕上がっている。

まずはホンダ「アコード クーペ」の主要諸元を確認してみたい。

全長4565×全幅1695×全高1340mm、ホイールベースは2600mm、乗車定員5名の〝5ナンバーサイズ〟であった。また、客室内寸法は長さ1845×幅1405×高さ1095mmとなっている。

同時期に販売されていた3代目ホンダ「プレリュード」は、全長4460×全幅1695×全高1295mm、ホイールベースは2565mm、乗車定員4名、客室内寸法が長さ1695×幅1420×高さ1060mmであり、長さと高さに余裕があるクーペだとわかるだろう。

ホンダ「プレリュード 2.0XX」

同上。プレリュードは〝デートカー〟の代表格として絶大な人気を誇った

ホンダ「プレリュード 2.0XX」のインテリア

一方で車両重量はホンダ「アコード クーペ」(SOHC12バルブ1955cc+PGM-FIエンジン。120PS/5800rpm SAE値/4AT)が1220kgなのに対して、DOHC16バルブ1958ccエンジン(145PS/6000rpm ネット値)を搭載するホンダ「プレリュード 2.0Si」の4AT車は1130kg。

つまりホンダ「プレリュード」はスポーティさを、ホンダ「アコード クーペ」は高級ツアラーとしての魅力を追っていたのだ。

例えば、3代目ホンダ「プレリュード」といえば、4WS(ホンダ4輪操舵システム)の採用が特徴のひとつとされる。

ホンダ「プレリュード 2.0Si」の4WS。ハンドル操作によりリアタイヤに角度が付いていることがわかるだろうか?

一方、ホンダ「アコード クーペ」は4WSを採用しない。ホンダ「プレリュード 2.0Si」の4AT車の東京地区での標準現金価格は224万4000円。対するホンダ「アコード クーペ」の東京地区での標準現金価格は260万円とされ、基本的には「輸入車」として〝高級車〟の扱いを受けた。

それは、ドアの開閉だけでシートベルトの着脱ができるパッシブシートベルトをフロントに設置したことや、

シート表皮には上質な感触・風合いの本革を採用。

またホンダ「アコード クーペ」のために、高次元のオーディオメーカーであるBOSE社が専用開発したオーディオシステムを搭載するなど、豪華さと心地よさを求めた装備に垣間見える。

右ハンドル仕様を追加した2代目ホンダ「アコード クーペ」(CB6/CB7)

ホンダは1989年9月13日にホンダ「アコード」を全面改良。4代目「アコード」をデビューさせた。こちらには4WS採用車を設定している。

ホンダ「アコード 2.0 Si」

初代ホンダ「アコード クーペ」は1988年の輸入開始から1990年2月末まで日本国内において1万台を超える優秀な販売実績を残した。

その人気を受けて1990年4月1日より、2代目ホンダ「アコード クーペ」(E-CB6)の輸入販売を決定した。

フロントヘッドランプはオーソドックスな固定式になったが、低いウエストラインで流れるようなフォルムは健在だ。

全長4680×全幅1695×全高1375m、ホイールベース2720mmと5ナンバーサイズ枠ギリギリまでボディサイズを拡大。初代に比べて全長で115mm、全高35mm、ホイールベースは120mm大きくなっている。

おかげで客室内寸法が長さ1925×幅1340×高さ1130mmとなり、5名乗車時でも窮屈さを感じさせないサイズになっている。

2代目ホンダ「アコードクーペ」はエンジンに、1997ccDOHC16バルブ+PGMFI、150PS/6100rpm(ネット値)のF20Aを搭載。トランスミッションは7ポジション4速電子制御オートマチック(スポーツモード付)を全タイプに採用する。

上級グレードの2.0Siエクスクルーシブは、本革シートを採用。運転席は電動パワー機構付きとなった。

初代譲りの専用開発BOSE社製オーディオシステムを2.0Siエクスクルーシブに装備。

ハイマウント・ストップランプ内蔵のリアスポイラーを、これまた2.0Siエクスクルーシブに採用した。

車両重量は1290kg(2.0Si)/1320kg(2.0Siエクスクルーシブ)。サスペンションは4輪ダブルウィッシュボーン式を継承。4輪ディスクブレーキや専用の15インチアルミホイール(2.0Siエクスクルーシブ)など走りの装備にも抜かりはない。

東京地区での希望小売価格(税別)は、2.0Siが210万円、2.0Siエクスクルーシブが261万円となっていた。2.0Siは右ハンドル仕様。2.0 Siエクスクルーシブは右ハンドル仕様と左ハンドル仕様が選べた。

2代目ホンダ「アコードクーペ」に2.2Lモデルを追加(CB7)

19992年2月14日には、2.2LSOHCエンジンを搭載する2.2iエクスクルーシブ(E-CB7)が、税別281万8000円(東京地区の希望小売価格)で追加された。

ホンダ「アコード」は5代目へと進化。そして3代目ホンダ「アコード クーペ」がデビュー

ホンダは1993年9月2日に5代目ホンダ「アコード」をデビューさせ、同年9月15日より全国のクリオ店で発売した。

5代目ホンダ「アコード 2.2VTL」

2.2Lで190PSのVTECエンジンを搭載する2.0SiRがデビューするなど、走りはさらに充実した。

ホンダ「アコード 2.2VTL」

そして、1994年3月1日より、3代目ホンダ「アコード クーペ」の輸入販売が開始された。

ホンダ「アコード クーペ SiR」

2.2LSOHC VTECエンジンが2.2Viに、日本専用タイプのSiRには190PSの2.2LDOHC VTECエンジンがそれぞれ搭載された。

2.2L DOHC VTEC+PGM-FI エンジン

ホンダ「アコード クーペ SiR」のインテリア

ホンダ「アコード クーペ 2.2Vi」のリアスタイル

3代目ホンダ「アコード クーペ」の東京地区での希望小売価格は、「アコード クーペ 2.2Vi」が税別215万2000円(左ハンドル)/税別220万4000円(右ハンドル)、「アコード クーペ SiR」(右ハンドル)が、279万8000円だった。

しかし、3代目ホンダ「アコード クーペ」がデビューしたのはバブル崩壊後のこと。多くのカーユーザーはミニバンなどスペース効率がよく、コスパのいいクルマを選ぶ傾向が色濃くなった時期だった。

そのため販売は苦戦。日本ではこの3代目をもって、ホンダ「アコード クーペ」の正規販売は終了した(米国での販売は継続された)。

※データは2021年1月下旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
※製品のご利用、操作はあくまで自己責任にてお願いします。

文/中馬幹弘

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みんなのコメント

91件
  • 昔はホンダはきれてたなぁ!
  • 正常に進化してれば
    今頃、BMWに引けを取らないメーカーになってたハズ

    なんで軽自動車メーカーに成り下がった?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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