国内最高峰のモータースポーツ「SUPER GT」。2023年シーズンは36号車au TOM'S GR SupraがGT500クラスを制覇。宮田莉朋と坪井翔、これからのトヨタを引っ張っていく2人が栄冠に輝いた。そしてこれまでトヨタのエースとして長年SUPER GTで活躍した名ドライバー立川祐路が引退、2023年は新時代の台頭と同時に一時代の終わりを迎えた年でもある。改革、苦悩、決断、様々な思いを秘めながらも「GT最速男」は最後の最後まで速さを追い求めていた。
トヨタ、そしてGTの顔であり続けた男
前身である全日本GT選手権時代から国内のトップカテゴリーとして人気のSUPER GT。その人気は年々熱を帯びており、ゴールデンウィーク期間中に行われる第2戦富士ラウンドでは5万人近い観客動員数を誇る。
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自動車メーカーが威信をかけて鎬を削る国内最高峰の舞台で立川祐路は戦い続けてきた。1999年にTEAM CERMOからGT500クラスにフル参戦。感情を表に出さないクールなキャラクターだが、内には誰にも負けない強い意志が秘められていた。予選では他を圧倒する速さでポールポジションを量産。決勝では一歩も引かないバトルを展開し勝負強さを見せるも、必ず相手にラインを残すフェアな走りは多くのファンを魅了した。
トヨタのエースとして車体、そしてブリヂストンの開発ドライバーとして数多くの勝利に貢献してきた立川。しかし、近年は2019年の第2戦富士以来優勝はなく、トラブルや不運にも見舞われチャンピオン争いに加われずにいた。
特に2022年は自身ワーストとなるランキング13位に低迷。復活を期すべく、2023年シーズンは監督、チーフメカニックを交代させるなどチームに変革をもたらした。
チームの軸となるポジションを替えるなど復活に向けた取り組みが早速結果に結びついた。天候の変化により荒れ模様となった開幕戦ではチームの素早いピット作業により、予選14位ながら決勝は5位フィニッシュ。まずまずのスタートを切った。
しかし、続くレースで結果を残すことができなかった立川は第3戦終了後、近年の成績を理由に引退を決意。トヨタの顔をして勝たなければならない使命を全うしてきた立川ならではの理由だった。
芸能活動や他ジャンルでビジネスを展開するドライバーもいる中、キャリアスタートから一貫してレース一筋でやってきた立川。人生そのものであるレースから身を引くのは大きな決断だったに違いない。
難しい選択であったことは想像に難くないが、それでも勝てないことの方が許せなかったのはメーカーの期待を一身に背負ってきた男らしい決断と言えるだろう。
第4戦では引退会見、以降のイベントでは「ありがとう立川祐路」と銘打ったイベントが行われた。早く発表したのは応援してくれる人と最後まで一緒に戦いたいという立川のファンに対する感謝の気持ちによるもの。その想いに呼応するように、サーキットには多くのファンが駆けつけ、立川の勇姿を目に焼き付けていた。
錆びれない「最速男」の二つ名
引退発表後、立川らしい力強くアグレッシブな走りが戻り、第4戦では5位、第5戦では6位と上位でのフィニッシュが続く。第6戦では上位フィニッシュが見えていたが、ギアボックストラブルでリタイア。近年のTEAM CERMOを象徴するような悔しい結果となった。
しかし、第7戦オートポリスでは、立川が第6戦の鬱憤を晴らすかのような走りを披露。オーバーテイクが難しいとされるオートポリスでポジションをあげていき、最終的に4位でフィニッシュした。3年間勝利から遠ざかっていた立川だが、今なおトップドライバーとしての実力があることを改めて証明してくれたレースだったように思う。
最終戦は11位と結果は振るわなかったが、マシンをしっかりゴールまで運び、25年にわたるレース人生に幕を下ろした。ランキングは13位に終わったが、今年の立川の走りはいまだに一線級の速さを誇っており、その実力は決してリザルトだけで測ることはできない。
これまで数多くのチャンピオン経験者が引退してきたが、キャリア最終年でこれほどまでにポテンシャルの高さを見せたドライバーは記憶にない。立川祐路は最後の最後まで「最速男」の名に相応しい活躍を見せてくれた。
2024年からはSuper GTでも監督に就任
SUPER GTでは歴代2位の通算19勝、歴代最多となる24回のポールポジション、そして歴代2位タイとなる3度のGT500クラスでチャンピオンを獲得している立川(2023年終了時点)。ドライバーとしても一流の立川だが、すでに監督としても結果を残している。
国内最高峰のフォーミュラカテゴリーである「Super Formula」では、2011年にCERUMO・INGINGの監督に就任。着実に力をつけていき、2015年から2017年には3連覇を達成している。
監督としての実績もある立川は2024年にはSUPER GTでも監督に就任。チームはもちろん38号車TEAM CERMOだ。一貫して38号車のメインスポンサーを務めていたZENTに代わり、来季からKeePer技研株式会社がメインスポンサーに就任。ドライバーラインナップは長年立川とともにステアリングを握っていた石浦宏明に加え、ホンダから大湯都史樹が移籍。新しい体制で王者奪還を狙う。
SUPER GTでは低迷が続くTEAM CERMOだが、復活に向けこれまで以上に大きな変革をもたらしており、来季目が離せないチームの一つだ。ドライバーとしてチームに多くの勝利を導いてきた立川だが、来季は監督としての手腕に注目が集まる。
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