<3本出しマフラーの組み合わせ変更は騒音や環境への配慮!?>
北米ホンダが次期「シビック タイプR」のティザー情報を公開しました。といってもボディをカモフラージュしたテスト車両の前後姿だけで、メカニズムについての情報はまったくない状態。そこで妄想も交えつつ、画像から分析できるアレコレを並べてみましょう。
>>現行型シビック タイプR(生産終了)のユーザーの評価を見てみる
最も注目なのは、タイプRらしさの象徴ともいえるリアウイングの脚部が樹脂から金属製となった、まるでチューニングパーツのようなデザイン。次期シビック タイプRは日本でも発売された11代目「シビック」のハッチバックがベースですが、そのクーペ的なテールゲートデザインがうまく活かされています。
センター出しの3本マフラーも注目で、3本出し自体は2021年7月に生産終了した先代シビック タイプRと共通ですが、先代モデルでは2本の太いパイプが中央の細めのパイプをはさんだ3本構成だったのが、開発中の新型は中央の1本が太くて左右が細めのパイプと、構成が微妙に異なっています。もしかすると、騒音規制に対する対応(排気切り替えバルブの採用など)などを考えているのかもしれません。
<タイヤはミシュランのパイロットスポーツ4Sか?>
フロントはグリルやバンパーの開口部がかなり広げられ、フェンダーもブリスター形状でワイドになったように感じられます。その足元にはミシュラン パイロットスポーツ4Sらしきタイヤがセットされているのも見逃せません。先代モデルではコンチネンタルのハイグリップタイヤを使っていたからです。ミシュランに変えたということはシャシーセッティングの方向性が変わった可能性もあります。
一方、大径ホイールの中には真っ赤なブレンボ製ブレーキが見えるのは従来同様です。
<公式リリースの見出しに滲むニュル最速への強い意志>
エンジンやサスペンションの情報はまったくない状態ですが、FF最速を目指すというコンセプトは変わらないはずです。なぜならアメリカで発表された際のニュースのタイトルは“Next Gen Civic Type R is Ready for Nürburgring Testing(次期シビック タイプRはニュルブルクリンクでテストする準備ができた)”というものだったからです。ニュルブルクリンクに持ち込むということはFF最速タイムを書き換えるためであるのは間違いありません。
じつは先代シビック タイプRでも軽量バージョンのリミテッドエディションについてはニュルブルクリンクでのタイムアタックをする予定だったといいます。しかしコロナ禍によって海外渡航の制限が出てきたこともあって、実現はしませんでした。まだまだコロナ禍を脱してはいませんが、ニュースのタイトルからは、ニュルブルクリンクテストを敢行するという強い意志が感じられます。
<最後は迷彩の絵柄から純ガソリンエンジン×MTと妄想!?>
最後にカモフラージュの模様にもご注目を。遠目には赤と黒の迷彩にしか見えませんが、クローズアップすると歴代シビック タイプRのアウトラインが描かれていることがわかります。これまでのシビック タイプRの集大成というわけです。
そうであれば、パワートレインはシビック タイプRの伝統に即して純ガソリンエンジンとマニュアルトランスミッション(MT)を組み合わせたものになると予想するのが順当ではないでしょうか。つまり、最後の純ガソリンエンジンを積むタイプRとなるはずで、そのパフォーマンスにも大いに期待できそうです。
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
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