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【国内試乗】「ミニ・クラブマン・クーパーS ALL4」全領域で満足できるファーストカー

掲載 更新 5
【国内試乗】「ミニ・クラブマン・クーパーS ALL4」全領域で満足できるファーストカー

伝統的な魅力に近代的な実用性をプラス

「MINI」の魅力とはなんだろうか? 英国の息吹を感じさせるキュートなフォルム。ゴーカートフィーリングを体現した走り。そのサイズ感などなどを挙げればキリがないが、それらはある意味「クラシックMINI」から継承されてきた伝統の魅力ともいえる。

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今回ここで紹介する「MINI CLUBMAN(ミニ・クラブマン)」は、2019年10月にマイナーチェンジを果たしたわけだが、その伝統的な魅力と近代的な実用性とを兼ね備えた1台だと感じられた。「いまのMINIはもはや“ミニ”ではない!」という意見もあるかもしれないが、一旦その気持ちは脇に置いて、まずはその新しい魅力に迫ってみよう。




まずフェイスリフト後の現行ラインアップに共通するデザインは基本的にコンサバだ。ただし、フロントグリルの押し出し感はより強化され、ヘッドライトまわりのデイライトも半分が光るタイプから完全なリング型に変更、リアコンビネーションランプをユニオンジャックをモチーフにした意匠にしたところも英国ブランドらしさを強調した演出といえる。また試乗車には内外装の随所にピアノブラック加飾(オプション)が施され、そのイメージに精悍さがプラスされていた。




室内空間、特にフロントはスタンダードなMINIと同じく快適なもの。通信機能を搭載したインフォテイメントシステム「MINIコネクテッド」は、タッチ式8.8型ディスプレイを介してドライブに必要な情報をシームレスに入手できるから、従来よりも実用性が確実にアップしているといえる。




3ドア、5ドアモデルよりも延長されたホイールベースのおかげで、リア居住空間の足元スペースが広いことにも驚いた。身長176Cmのリポーターが乗り込んでも膝前のクリアランスが充分に確保されているので、長距離ドライブでも快適に過ごせるだろう。

後席のシートアレンジも多彩で、荷室スペース(容量360~1250L)と併せて考えると長尺物を含めて十二分な荷物を収納できるから、家族での旅行やフル乗車でのドライブなども悠々とこなせる申し分のない実用性を備える。そして、クラブマンを最も象徴するのがクラシック・ミニのエステートから脈々と継承された左右観音開きのバックドアだ。中央の仕切りで後方視界が邪魔されるけれど、他ブランドにはない物珍しさが得られる満足感とのトレードオフだと納得できる。

走りが楽しくて全域に好バランス

それでは気になる走りはどうか? 実際に試乗してみて感じたのは、冒頭で触れた「MINIらしさ」だ。最高出力192ps/最大トルク280Nmを発揮する2L直4過給エンジンは過不足なく、新たに電子制御セレクターを採用した8速ATとのバランスは良好。試乗したフルタイム4WDの「ALL4」も全領域で違和感のない制御だ。

「GREEN」「MID」「SPORT」から選べる走行モードは、MINIらしさを楽しみたければ「SPORT」が断然オススメ。モードを切り替えると瞬時にステアリングの手応えが増し、アダプティブサスペンション(オプション)の乗り心地も瞬時に引き締まった。ドライバーの操作に対してダイレクトに反応する、まさに“ゴーカートフィーリング”の真骨頂だ。




正直に言うと、「SPORT」の対極にある「GREEN」には興味が沸かず、「一応試しておこう」と切り替えた。すると意外にも、操作に対する反応が程よく穏やかになって、ニュアンスで表現すると運転が“ダルい”というより、“ラクになった”と感じられた。特に高速道路を長時間走行するようなシーンでは燃費の向上も期待できるし、全車速対応のクルーズコントロールを組み合わせれば、かなり快適にロングツーリングが楽しめるだろう。

普段は真ん中の「MID」を選んでハンドリングのみ個別設定で「SPORT」に。同乗者がいる時や高速道路の長距離移動では「GREEN」。走りを楽しみたいときは「SPORT」にと使い分けて……、などと想像したらワクワクしてきた。

というわけで、新しいMINIクラブマンの魅力をチェックしてきたわけだが、その英国の息吹を感じさせるデザインはもとより、質の高い走りや十二分な居住空間と実用性。そして運転支援機構をはじめとする先進機能などが非常にバランス良くまとまっていると感じた。確かにそのサイズは“ミニ”と呼べる代物ではないが、ならではの風情と走りに魅力を見出せるなら、日常のすべての領域で満足感が得られるファーストカーとして充分に検討に値するのではないだろうか。


【SPECIFICATION】ミニ・クーパーS ALL4 クラブマン
■全長×全幅×全高=4275×1800×1470mm
■ホイールベース=2670mm
■エンジン型式/種類=B48A20F/直4DOHC16V+ターボ
■内径/行径=82.0×94.6mm
■総排気量=1998cc
■最高出力=192ps(141kw)/5000rpm
■最大トルク=280Nm(28.5kg-m)/1350-4600rpm
■燃料タンク容量=48L(プレミアム)
■トランスミッション形式=8速AT
■サスペンション形式=前ストラット/コイル、後マルチリンク/コイル
■ブレーキ=前Vディスク、後ディスク
■タイヤ(ホイール)=前225/45R17(7.5J)、後225/45R17(7.5J)
■車両本体価格(税込)=4,590,000円

【問い合わせ先】
MINIカスタマー・インタラクション・センター https://www.mini.jp

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みんなのコメント

5件
  • 好みもあると思うが、今のミニ、インパネが子供っぽくて好きになれない。
    繰り返しですが、個人の好みもですが。
  • 大きさよりもミニ全体の値段の高騰が気になります。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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