現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「ランクル」兄弟で最もモダンな“250”に試乗! オンロードでもオフロードでも隙がない万能モデルだ。【試乗レビュー】

ここから本文です

「ランクル」兄弟で最もモダンな“250”に試乗! オンロードでもオフロードでも隙がない万能モデルだ。【試乗レビュー】

掲載 34
「ランクル」兄弟で最もモダンな“250”に試乗! オンロードでもオフロードでも隙がない万能モデルだ。【試乗レビュー】

“300”と同じプラットフォームを採用

「どこへでも行き、生きて帰ってこられる」のフレーズが有名なトヨタの本格クロスカントリーモデル「ランドクルーザー(ランクル)」には、フラッグシップのステーションワゴン系“300”、日常用途もカバーするライトデューティー系“250”、ヘビーデューティー系“70”の3兄弟がラインナップされている。
今回試乗したのは、その中でも「中核を担う」とトヨタがうたう“250”シリーズだ。用途の9割くらいを占めると思われる街中の一般道や高速でのフィーリングを確かめてみた。
“250”の開発コンセプトは、「質実剛健を追求し、生活と実用を支え、ユーザーに信頼されるクルマ」というもの。先代となる「ランドクルーザー プラド」がハイクラスな豪華路線を求めていたのに対して、ランクルの「原点回帰」を追求したのが今回の“250”だ。
採用したのは、トップモデルの“300”と同じ「GA-Fプラットフォーム」。ボディサイズの全長4925mm、全幅1980mm、全高1925mm(ZXは1935mm)は、長さが“300”よりわずかに短くなったぐらいで、あとはほぼ同じ。ということは、“250”はなかなか大きな体躯を備えていることになる。

ファミリーカーが欲しい! 新米パパママのクルマ選びに密着してわかった、トヨタ新型「シエンタ」人気の秘密。


搭載する1GD-FTV型2.8L直列4気筒ディーゼルターボエンジン(自然吸気2.7Lガソリン版もあり)は、最高出力150kW(204PS)/3000~3400rpm、最大トルク500Nm/1600~2800rpmを発生。このエンジンはアドブルーを使用する環境対策万全の最新ディーゼルで、電子制御8速オートマチック(Direct Shift-8AT)を組み合わせて、前後のトルク配分をコントロールするトルセンLSDのフルタイム4WDシステム(ローレンジ付き)を駆動する方式だ。
3.4Lガソリンと3.3LディーゼルのV6に10速ATを組み合わせた“300”に比べたら、エンジンの気筒数と、変速機の段数が2つ少ない、ということから、“300”のワンランク下に位置しているという“250”の立ち位置というか、ヒエラルキーが明確にあることが理解できる。


さすが最新設計、走りがモダン!

ではその走りはどうかというと、とてもいいのだ。試乗車は、最上位グレードのZX(3列シート7人乗り)。車重が2.4t以上あるにも関わらず、スタート時はボディがスッと前に出る。8段ギアの1速が低いギア比であるのと、直列4気筒ディーゼルエンジンが発揮する低回転域からのトルクによって、駆動力がしっかりと路面に伝わっている感覚がダイレクトにわかる。
そして、ラダーフレーム&リジッドアクスルサス特有のクセであるボディの揺らぎが上手に押さえ込まれているので、まるでモノコックボディの普通車に乗っているような、快適な乗り味が実現できているのだ。これは、高速道路を走っても同じ。直進性が優れているので、当て舵を与える必要がなく真っ直ぐ走る。 “300”や“70”で感じた、加速時のノーズアップや減速時のノーズダイブというピッチングの動きは影を潜め、さらにコーナリング時に顔を出していたボディの上下が捩れるようなヨーイングが感じられない。
唯一“250”だけが採用した電動パワステのチューニングの良さも効果を発揮していて、さすが、ランクル兄弟の中で最も設計年次が新しいことを証明している。
発進時や、高速への合流時にアクセルを強く踏み込むと、「ガラガラ」というディーゼル音は、結構車内に侵入してくる。ただしこれは、大きなクロカンモデルを操っているというエンターテインメントの一つと考えればいいわけだ。一方でクルージングを始めると、エンジンは低回転で粛々と回り始めるので、音は全く気にならなくなる。
ブラック塗装の20インチホイールに装着したダンロップ製SUV用「グラントレックPT22」(265/60R20サイズ)はトレッドデザインが細かなサマータイヤなので、それも静かな走りに寄与している。ZXは14スピーカーの「JBLプレミアムサウンドシステム」を搭載していて、それを楽しむことができる余裕の静粛性能を身につけている。
2時間ほど走り回った時の燃費は9.8km/Lを表示(WLTCモード燃費は11.0km/L)。80Lの燃料タンクを軽油で満たせば、相当な航続距離が見込める。


内外装だってモダン

試乗車が纏うアバンギャルドブロンズメタリックという長い名称のボディカラーは、雨天でほの暗かった試乗日の天候にマッチしていて、渋く輝いている。ボディは垂直と水平な面を基調にした四角いもので、他のランクルにないモダンなスタイルだ。販売店装着オプションとして丸目モデルも選べるようで、こちらはお好みで。
高い位置にあるドライバーズシートに収まった時の視界は、中央が凹面になったボンネット形状と水平のダッシュボード、低い位置にある左右のウエストラインのおかげで大きく開けている。縦長のドアミラーに映るボディサイドの位置も、わかりやすい。
フルデジタルの表示部(ZXは12.3インチTFTカラー式)はスタイルが選べるし、グラフィックが見やすいので、新しいもの感がある。シートの2列目はタンブル&リクライニング式。3列目は電動(ZX)の格納・展開式で、畳んでしまえば広大な荷室空間が出現する。ZXのシート素材はチェスナットカラーの本革だ。
ゴツいシフトレバー右側には、ドライブモード(エコ、ノーマル、スポーツ)、MTS(オート、ダート、サンド、マッド、ディープスノー、ロックのマルチテレインセレクト)、CRAWL(悪路走行時に使用するクロールコントロール)などの電子制御系、センターコンソールにはSDM(スタビライザーディスコネクトメカ)、電動デフロック(センターとリア用)、トランスファーギア選択レバー(H4/L4)などのドライブメカ系が合理的かつ整然と並んでいて、それらの選択がとてもしやすくなっている。
加飾もギラギラしていないパーツを使用していて、モダンな仕上がりになっている。


ランクル兄弟で“250”を選ぶ理由とは?

何が何でもフラッグシップを、という方なら“300”を、クラシカルなスタイルと走りに憧れるなら“70”を。だとしたら、“250”を選ぶ理由は、といわれると、そのユーザーフレンドリーな性格と、今時のクルマらしい走りを実現しているところだろう。
ZXの735万円という価格は上位の“300”に丸被り、という部分があるけれども、その作り分けの差から考えて、悩むこともないと考える。あとはいつ手に入るのか、ということだけだ。


SPECIFICATIONS
トヨタ ランドクルーザー“250” ZX|Toyota Land Cruiser“250” ZX
ボディサイズ:全長4925×全幅1980×全高1935mm
ホイールベース:2850mm
車両重量:2410kg
駆動方式:フルタイム4WD
エンジン:2.8リッター直列4気筒ディーゼル
最高出力:150kw(204PS)/3000-3400rpm
最大トルク:500Nm(51kgf-m)/1600-2800rpm
トランスミッション:電子制御8段AT
価格:735万円(税込)

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

BMW「X3」がフルモデルチェンジ! 4代目に進化した新型は全車48Vマイルドハイブリッドシステムを搭載【新車ニュース】
BMW「X3」がフルモデルチェンジ! 4代目に進化した新型は全車48Vマイルドハイブリッドシステムを搭載【新車ニュース】
くるくら
袖を通したような「一体感」 ロータス・エリート(2) 悪評ばかり聞こえた4シーターの重要モデル
袖を通したような「一体感」 ロータス・エリート(2) 悪評ばかり聞こえた4シーターの重要モデル
AUTOCAR JAPAN
「俺たちのワーゲン」が還ってきた! 新型VW「ティグアン」に試乗…軽快で使いやすい実直なSUVに進化していました
「俺たちのワーゲン」が還ってきた! 新型VW「ティグアン」に試乗…軽快で使いやすい実直なSUVに進化していました
Auto Messe Web
都市部で売れるのも納得──新型メルセデス・ベンツG450d試乗記
都市部で売れるのも納得──新型メルセデス・ベンツG450d試乗記
GQ JAPAN
都会派からアウトドア仕様に劇変!ロングドライブでわかったホンダ「ヴェゼル e:HEV」の進化
都会派からアウトドア仕様に劇変!ロングドライブでわかったホンダ「ヴェゼル e:HEV」の進化
@DIME
“ランエボ”を彷彿とさせるSUVは上質だった──新型三菱アウトランダーPHEV試乗記
“ランエボ”を彷彿とさせるSUVは上質だった──新型三菱アウトランダーPHEV試乗記
GQ JAPAN
ヤリス・クロスの韓製ライバルの実力は? ヒョンデ・バイヨンに試乗 6速MTで軽快な走り!
ヤリス・クロスの韓製ライバルの実力は? ヒョンデ・バイヨンに試乗 6速MTで軽快な走り!
AUTOCAR JAPAN
「4代目」ベントレー・フライングスパー・スピードへ試乗 V8 HVで782ps 視覚的にも欲しい新世代感
「4代目」ベントレー・フライングスパー・スピードへ試乗 V8 HVで782ps 視覚的にも欲しい新世代感
AUTOCAR JAPAN
驚くほどの速さ+日常生活への順能力 フォルクスワーゲン・ゴルフ Rへ試乗 高訴求力なホットハッチ
驚くほどの速さ+日常生活への順能力 フォルクスワーゲン・ゴルフ Rへ試乗 高訴求力なホットハッチ
AUTOCAR JAPAN
【日本未発売のクルマたち ♯01】街乗りにピッタリサイズ! フォルクスワーゲンの小型SUV「タイゴ」が欲しい。
【日本未発売のクルマたち ♯01】街乗りにピッタリサイズ! フォルクスワーゲンの小型SUV「タイゴ」が欲しい。
くるくら
[オン&オフ]どちらも上等だぜ!! ホンダ[CR-V]が万能すぎた件
[オン&オフ]どちらも上等だぜ!! ホンダ[CR-V]が万能すぎた件
ベストカーWeb
アクティブドライバーの理想形、SUBARUクロストレックe-BOXERストロングHV登場! 力強くタフな走りと満タンで1100km以上走る優れた燃費が魅力
アクティブドライバーの理想形、SUBARUクロストレックe-BOXERストロングHV登場! 力強くタフな走りと満タンで1100km以上走る優れた燃費が魅力
カー・アンド・ドライバー
【ニューモデル情報!】フレッシュアップされた「アウディA3」テストドライビング&比較テストレポートを含む新型A3の全情報!
【ニューモデル情報!】フレッシュアップされた「アウディA3」テストドライビング&比較テストレポートを含む新型A3の全情報!
AutoBild Japan
ヤマハの電動アシスト自転車『PAS』、2025年モデル「11車種の特徴と違い」を比較チェック!
ヤマハの電動アシスト自転車『PAS』、2025年モデル「11車種の特徴と違い」を比較チェック!
レスポンス
走る道具箱──新型フィアット・ドブロ試乗記
走る道具箱──新型フィアット・ドブロ試乗記
GQ JAPAN
100万円台で衝撃の走り! スポーツモデルもブッちぎれる[バカッ速実用車]5選
100万円台で衝撃の走り! スポーツモデルもブッちぎれる[バカッ速実用車]5選
ベストカーWeb
【最高のBMW?】アルピナGTモデル3台をサーキットでテスト 新型アルピナB3 GT&B3 GTツーリング&B4 GT
【最高のBMW?】アルピナGTモデル3台をサーキットでテスト 新型アルピナB3 GT&B3 GTツーリング&B4 GT
AutoBild Japan
最新は最良か!? BMWのツーリングウエッポン 新型「R 1300 GSアドベンチャー」をスペインで試す!
最新は最良か!? BMWのツーリングウエッポン 新型「R 1300 GSアドベンチャー」をスペインで試す!
バイクのニュース

みんなのコメント

34件
  • パーパパパ
    ガソリン車のエンジンはせめてターボにするかV6にしてほしかった
  • しみずけいいち
    嘘つけ
    ガソリンはオンロードもっさいぞ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

239.0285.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

-万円

中古車を検索
ZXの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

239.0285.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

-万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村