現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「ランクル」兄弟で最もモダンな“250”に試乗! オンロードでもオフロードでも隙がない万能モデルだ。【試乗レビュー】

ここから本文です

「ランクル」兄弟で最もモダンな“250”に試乗! オンロードでもオフロードでも隙がない万能モデルだ。【試乗レビュー】

掲載 21
「ランクル」兄弟で最もモダンな“250”に試乗! オンロードでもオフロードでも隙がない万能モデルだ。【試乗レビュー】

“300”と同じプラットフォームを採用

「どこへでも行き、生きて帰ってこられる」のフレーズが有名なトヨタの本格クロスカントリーモデル「ランドクルーザー(ランクル)」には、フラッグシップのステーションワゴン系“300”、日常用途もカバーするライトデューティー系“250”、ヘビーデューティー系“70”の3兄弟がラインナップされている。
今回試乗したのは、その中でも「中核を担う」とトヨタがうたう“250”シリーズだ。用途の9割くらいを占めると思われる街中の一般道や高速でのフィーリングを確かめてみた。
“250”の開発コンセプトは、「質実剛健を追求し、生活と実用を支え、ユーザーに信頼されるクルマ」というもの。先代となる「ランドクルーザー プラド」がハイクラスな豪華路線を求めていたのに対して、ランクルの「原点回帰」を追求したのが今回の“250”だ。
採用したのは、トップモデルの“300”と同じ「GA-Fプラットフォーム」。ボディサイズの全長4925mm、全幅1980mm、全高1925mm(ZXは1935mm)は、長さが“300”よりわずかに短くなったぐらいで、あとはほぼ同じ。ということは、“250”はなかなか大きな体躯を備えていることになる。

ファミリーカーが欲しい! 新米パパママのクルマ選びに密着してわかった、トヨタ新型「シエンタ」人気の秘密。


搭載する1GD-FTV型2.8L直列4気筒ディーゼルターボエンジン(自然吸気2.7Lガソリン版もあり)は、最高出力150kW(204PS)/3000~3400rpm、最大トルク500Nm/1600~2800rpmを発生。このエンジンはアドブルーを使用する環境対策万全の最新ディーゼルで、電子制御8速オートマチック(Direct Shift-8AT)を組み合わせて、前後のトルク配分をコントロールするトルセンLSDのフルタイム4WDシステム(ローレンジ付き)を駆動する方式だ。
3.4Lガソリンと3.3LディーゼルのV6に10速ATを組み合わせた“300”に比べたら、エンジンの気筒数と、変速機の段数が2つ少ない、ということから、“300”のワンランク下に位置しているという“250”の立ち位置というか、ヒエラルキーが明確にあることが理解できる。


さすが最新設計、走りがモダン!

ではその走りはどうかというと、とてもいいのだ。試乗車は、最上位グレードのZX(3列シート7人乗り)。車重が2.4t以上あるにも関わらず、スタート時はボディがスッと前に出る。8段ギアの1速が低いギア比であるのと、直列4気筒ディーゼルエンジンが発揮する低回転域からのトルクによって、駆動力がしっかりと路面に伝わっている感覚がダイレクトにわかる。
そして、ラダーフレーム&リジッドアクスルサス特有のクセであるボディの揺らぎが上手に押さえ込まれているので、まるでモノコックボディの普通車に乗っているような、快適な乗り味が実現できているのだ。これは、高速道路を走っても同じ。直進性が優れているので、当て舵を与える必要がなく真っ直ぐ走る。 “300”や“70”で感じた、加速時のノーズアップや減速時のノーズダイブというピッチングの動きは影を潜め、さらにコーナリング時に顔を出していたボディの上下が捩れるようなヨーイングが感じられない。
唯一“250”だけが採用した電動パワステのチューニングの良さも効果を発揮していて、さすが、ランクル兄弟の中で最も設計年次が新しいことを証明している。
発進時や、高速への合流時にアクセルを強く踏み込むと、「ガラガラ」というディーゼル音は、結構車内に侵入してくる。ただしこれは、大きなクロカンモデルを操っているというエンターテインメントの一つと考えればいいわけだ。一方でクルージングを始めると、エンジンは低回転で粛々と回り始めるので、音は全く気にならなくなる。
ブラック塗装の20インチホイールに装着したダンロップ製SUV用「グラントレックPT22」(265/60R20サイズ)はトレッドデザインが細かなサマータイヤなので、それも静かな走りに寄与している。ZXは14スピーカーの「JBLプレミアムサウンドシステム」を搭載していて、それを楽しむことができる余裕の静粛性能を身につけている。
2時間ほど走り回った時の燃費は9.8km/Lを表示(WLTCモード燃費は11.0km/L)。80Lの燃料タンクを軽油で満たせば、相当な航続距離が見込める。


内外装だってモダン

試乗車が纏うアバンギャルドブロンズメタリックという長い名称のボディカラーは、雨天でほの暗かった試乗日の天候にマッチしていて、渋く輝いている。ボディは垂直と水平な面を基調にした四角いもので、他のランクルにないモダンなスタイルだ。販売店装着オプションとして丸目モデルも選べるようで、こちらはお好みで。
高い位置にあるドライバーズシートに収まった時の視界は、中央が凹面になったボンネット形状と水平のダッシュボード、低い位置にある左右のウエストラインのおかげで大きく開けている。縦長のドアミラーに映るボディサイドの位置も、わかりやすい。
フルデジタルの表示部(ZXは12.3インチTFTカラー式)はスタイルが選べるし、グラフィックが見やすいので、新しいもの感がある。シートの2列目はタンブル&リクライニング式。3列目は電動(ZX)の格納・展開式で、畳んでしまえば広大な荷室空間が出現する。ZXのシート素材はチェスナットカラーの本革だ。
ゴツいシフトレバー右側には、ドライブモード(エコ、ノーマル、スポーツ)、MTS(オート、ダート、サンド、マッド、ディープスノー、ロックのマルチテレインセレクト)、CRAWL(悪路走行時に使用するクロールコントロール)などの電子制御系、センターコンソールにはSDM(スタビライザーディスコネクトメカ)、電動デフロック(センターとリア用)、トランスファーギア選択レバー(H4/L4)などのドライブメカ系が合理的かつ整然と並んでいて、それらの選択がとてもしやすくなっている。
加飾もギラギラしていないパーツを使用していて、モダンな仕上がりになっている。


ランクル兄弟で“250”を選ぶ理由とは?

何が何でもフラッグシップを、という方なら“300”を、クラシカルなスタイルと走りに憧れるなら“70”を。だとしたら、“250”を選ぶ理由は、といわれると、そのユーザーフレンドリーな性格と、今時のクルマらしい走りを実現しているところだろう。
ZXの735万円という価格は上位の“300”に丸被り、という部分があるけれども、その作り分けの差から考えて、悩むこともないと考える。あとはいつ手に入るのか、ということだけだ。


SPECIFICATIONS
トヨタ ランドクルーザー“250” ZX|Toyota Land Cruiser“250” ZX
ボディサイズ:全長4925×全幅1980×全高1935mm
ホイールベース:2850mm
車両重量:2410kg
駆動方式:フルタイム4WD
エンジン:2.8リッター直列4気筒ディーゼル
最高出力:150kw(204PS)/3000-3400rpm
最大トルク:500Nm(51kgf-m)/1600-2800rpm
トランスミッション:電子制御8段AT
価格:735万円(税込)

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

「ランドクルーザー ”250”」VS「ランドクルーザー GR SPORT」人気絶頂のクロカン4WDを徹底検証
「ランドクルーザー ”250”」VS「ランドクルーザー GR SPORT」人気絶頂のクロカン4WDを徹底検証
@DIME
【最新モデル試乗】期待のストロングHV登場! SUBARUクロストレックS:HEVの実力
【最新モデル試乗】期待のストロングHV登場! SUBARUクロストレックS:HEVの実力
カー・アンド・ドライバー
「めっちゃカッコいい」新型レクサス『ES』のデザインにSNSで反響
「めっちゃカッコいい」新型レクサス『ES』のデザインにSNSで反響
レスポンス
「クルマの左寄せ」苦手な人が多い!? よく見えない「左側の車両感覚」をつかむ“カンタンな方法”がスゴい! JAFが推奨する“コツ”ってどんなもの?
「クルマの左寄せ」苦手な人が多い!? よく見えない「左側の車両感覚」をつかむ“カンタンな方法”がスゴい! JAFが推奨する“コツ”ってどんなもの?
くるまのニュース
なぜ12気筒エンジンは魂を揺さぶるのか? アストンマーティン新型「ヴァンキッシュ」は快感以外のなにものでもない。【試乗レビュー】
なぜ12気筒エンジンは魂を揺さぶるのか? アストンマーティン新型「ヴァンキッシュ」は快感以外のなにものでもない。【試乗レビュー】
くるくら
メルセデスAMGから「CLE53カブリオレ」発売!専用のパワフルなルックスと先進・洗練のインテリア
メルセデスAMGから「CLE53カブリオレ」発売!専用のパワフルなルックスと先進・洗練のインテリア
LE VOLANT CARSMEET WEB
ミツオカ新型「M55」世界初公開に反響多数! MTのみ設定&“旧車”デザインに「良すぎる」の声! 青内装の「ゼロエディション」が話題に
ミツオカ新型「M55」世界初公開に反響多数! MTのみ設定&“旧車”デザインに「良すぎる」の声! 青内装の「ゼロエディション」が話題に
くるまのニュース
トヨタの「“2階建て”ハイエース!?」登場! 豪華“ウッド”&茶内装が超カッコイイ! 充電システム×エアコンも完備のケイワークス「アーチザン Type I」お台場で実車公開
トヨタの「“2階建て”ハイエース!?」登場! 豪華“ウッド”&茶内装が超カッコイイ! 充電システム×エアコンも完備のケイワークス「アーチザン Type I」お台場で実車公開
くるまのニュース
「シボレー コルベット E-Ray」は4WD化の恩恵が絶大!もっと刺激的な電気エイの襲来に喝采を【新車試乗】
「シボレー コルベット E-Ray」は4WD化の恩恵が絶大!もっと刺激的な電気エイの襲来に喝采を【新車試乗】
Webモーターマガジン
軍用ジープが最新モデルで蘇る…ドアなし&オリーブドラブが渋い「ラングラー ウィリス'41」発表
軍用ジープが最新モデルで蘇る…ドアなし&オリーブドラブが渋い「ラングラー ウィリス'41」発表
レスポンス
【ユーズドカーチェック】17枚の画像とともにBMW 3シリーズGT(F34)の中古モデルをわかりやすくレビュー!
【ユーズドカーチェック】17枚の画像とともにBMW 3シリーズGT(F34)の中古モデルをわかりやすくレビュー!
AutoBild Japan
初代NSXに存在した「やりすぎ」モデル! たった14台しか売れなかった「タイプS Zero」のストイックさに脱帽
初代NSXに存在した「やりすぎ」モデル! たった14台しか売れなかった「タイプS Zero」のストイックさに脱帽
WEB CARTOP
トヨタ新型「ミニアルファード」登場は? 「手頃なアルファードが欲しい」期待する声も!? 過去に"1代で"姿消した「ミドル高級ミニバン」があった!? 今後、復活はあるのか
トヨタ新型「ミニアルファード」登場は? 「手頃なアルファードが欲しい」期待する声も!? 過去に"1代で"姿消した「ミドル高級ミニバン」があった!? 今後、復活はあるのか
くるまのニュース
700万円超え! スバル新型「SUV」発表! 2リッター「水平対向」×マイルドハイブリッド搭載! 全長4.7m級の「新フォレスター」欧州に登場へ
700万円超え! スバル新型「SUV」発表! 2リッター「水平対向」×マイルドハイブリッド搭載! 全長4.7m級の「新フォレスター」欧州に登場へ
くるまのニュース
新車198万円! スバルの全長4.3m「“7人乗り”ミニバン」が凄い! 得意な「AWD×水平対向エンジン」採用しない“謎のモデル”に注目! 意外な「小型ミニバン」誕生した理由とは
新車198万円! スバルの全長4.3m「“7人乗り”ミニバン」が凄い! 得意な「AWD×水平対向エンジン」採用しない“謎のモデル”に注目! 意外な「小型ミニバン」誕生した理由とは
くるまのニュース
メルセデス・ベンツの『GLE』系と『GLS』にオンライン先行受注にて“Edition Black Stars”を設定
メルセデス・ベンツの『GLE』系と『GLS』にオンライン先行受注にて“Edition Black Stars”を設定
AUTOSPORT web
【遂に価格決定】フォルクスワーゲン新型ティグアン 3世代目は7年ぶりのモデルチェンジ
【遂に価格決定】フォルクスワーゲン新型ティグアン 3世代目は7年ぶりのモデルチェンジ
AUTOCAR JAPAN
フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ
フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

21件
  • パーパパパ
    ガソリン車のエンジンはせめてターボにするかV6にしてほしかった
  • eur********
    エンジンは150プラドの使い回しだもんな。
    人気あるのにそこはちょっともったいない気がする。
    何故かと言うと、非力だから。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

239.0285.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

78.078.0万円

中古車を検索
ZXの車買取相場を調べる

シトロエン ZXの中古車

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

239.0285.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

78.078.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村