「雑味がない」 なめらかな切れ味
text:Kenji Momota(桃田健史)
【画像】早くもスポーツモデル「STI」登場【標準レヴォーグと比べる】 全121枚
「雑味がない」新型レヴォーグの走りで感じた、第一印象だ。
ステアリングを通じて、シートを通じて、足の裏を通じて、そう感じた。
これは、直線路を走っていても、先代モデルとは明らかな差として実感できる。
レヴォーグの商品性である、ツーリングワゴンとして長距離ドライブでの疲れの軽減に大きく役立つことは間違いない。
技術的な詳細について、各分野のエンジニアから話を聞いた。
まず、スバルとして初採用した、2ピニオン電動パワーステアリングについて。
これまでの1ピニオン式だと、ステアリングの入力を検知するトルクセンサーとアシスト力を発生するモーターが同じ軸上にある。
一方の2ピニオン式では、ステアリングの入力軸とは別に、もう1つピニオンギアを設け、そこにモーターを配置した。
こうすることで、トルクセンサーに対するステアリング操作の検知精度が高くなり、ステアリングを切り出した時、または切り返した時、ドライバーのフィーリングや実際のレスポンスが良くなる。
さらに、モーターによるフリクション(抵抗力)が少ないので、ステアリング操作全体がなめらかになる。
搭載については、水平対向エンジンの上部に配置するため、高さと前後方向の長さの設計に気をつかったという。
今後、レヴォーグ以外のモデルでも搭載を検討する。
レヴォーグの骨格、SGPと何が違う?
次に、骨格についてだ。
スバルは現行インプレッサから、車体(プラットフォーム)を刷新。スバルグローバルプラットフォーム(SGP)と呼ぶ。
対して、レヴォーグではフルインナーフレーム構造とした。資料だけではわかりにくいが、実物大の車体カットモデルを見ながらの説明を受けて、これまでのSGPとの差がはっきり理解できた。
それによると、プラットフォームとは床面に広がる骨格であり、その上に溶接される、いわゆる上屋(うわや)について、これまではドアをはめ込むパネルや天井部分などの外板パネルを一気に溶接していた。
これに対して、インナーフレーム構造では、外板パネル以外の上屋の骨格となる部位を溶接し、最後に外板パネルを接合する仕組みだ。
そのため、製造ラインでは新たに溶接工程を追加し、現行インプレッサなどはこの工程を素通りする。
また、車体各所で構造用接着材の使用箇所を増やし、またリア開口部での強度を上げるため樹脂製の構造強化剤を採用した。
こうした各部での対応により、先代レヴォーグと比較して、ボディ剛性はねじり方向で44%も向上している。
その上にサスペンションを改良した。フロントで25%、リアで5%のロングストローク化している。
さらに、スバル初として最上位グレードのSTIスポーツに電子制御ダンパーを採用した。
レヴォーグ、キャラ変更は明白な事実
電子制御ダンパーを開発したZFは、欧州のスーパースポーツ系からラグジュアリー系まで幅広いメーカーやブランドへの供給実績がある。
新型レヴォーグで追及した様々な走行シーンでの走りの最適化について、スバルとSTIはZFと共にニュルブルクリンクでの実走テストを行うなど、膝詰めの議論をしてきた。
電子制御ダンパーの基本構造は、ダンパー内部のオイル通路を三重管とし、上部液室と外部リザーバーの間に電子制御で開閉するソレノイドバブルを設置。1秒間に約500回の開閉制御が可能だ。
走行中、路面のギャップを乗り越える際、前輪それぞれにある加速度センサーが動きを感知してダンパー減衰力を緩める。通過速度から後輪ダンパーの動きも制御する。
コーナーリング中は、外側ダンパーの減衰力を高めてロールを抑える。また、減速時や加速時でもノーズダイブとスクワットに対するクルマの姿勢変化を抑える。
こうしたダンパー制御に加えて、パワーステアリング、AWD、アイサイト、さらにエアコンまで、コンフォート、ノーマル、スポーツ、スポーツ+という4段階モード切替で、走りの最適化が可能。これを、スバルは「キャラ変」と呼ぶ。
今回は限られた走行環境だったが、キャラ変は明確にわかった。
また、どのモードでも、先代モデルを超える走りの質の高さを実感した。
アイサイトはXへと進化 どう違う?
さらに、アイサイトはXへと進化した。
ハードウエアとソフトウエアの両面で、画像処理の技術、または画像認識の技術についてもこれまでスバルが蓄積してきたノウハウを、新たなるサプライヤーと製品化した。部品本体はこれまでより軽量でコンパクトになっている。
フロントバンパーの両端にミリ波レーダーを装備。これにより、交差点の右左折時や、見通しの悪い道路の横断などで、衝突回避の精度が一気に上がった。
また、ブレーキをこれまでのエンジンの負圧を使ったブースターから電動化することで、自動で制御がかかる際の機動性と上げた。
加えて、国内地図メーカーによる三次元高精度地図とGPSを活用した、自動車専用道での先進運転支援を実現した。
具体的には、高速道路でカーブでの速度の適正化を自動で制御、料金後前後で速度制御、またいわゆる自動レーンチェンジとなるアクティブレーンチェンジアシストを可能とした。
渋滞時には、ハンズオフで走行可能となり、またドライバー異常検知時対応システムでは、警報を鳴らした後、安全な直線路で完全停止する。
こうしたアイサイトXの全機能について、テストコース周回路で体験したが、その精度の高さと、なめらかな動きに驚いた。
新型レヴォーグ、開発の狙いは「超・革新」。
その言葉、けっして大袈裟ではない。
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みんなのコメント
雑味て抽象的すぎるし説明が長くて結果が無い記事