現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > スズキ新型「ハヤブサ」インプレ(2021年)高速道路&ワインディングで徹底テスト|どこまでも走りたいと思える一台

ここから本文です

スズキ新型「ハヤブサ」インプレ(2021年)高速道路&ワインディングで徹底テスト|どこまでも走りたいと思える一台

掲載 6
スズキ新型「ハヤブサ」インプレ(2021年)高速道路&ワインディングで徹底テスト|どこまでも走りたいと思える一台

スズキは2021年4月7日に新型ハヤブサを発売した。この2021年モデルの高速道路でのクルージング性能と峠道でのスポーツ性能を中心にインプレッション。さらに気になる燃費、タンデムのしやすさ、各部装備の解説までまとめてお届け!
文:宮崎敬一郎、木川田ステラ、オートバイ編集部/写真:南 孝幸

スズキ「ハヤブサ」インプレ・解説(宮崎敬一郎)
街中でも素直で快適!歴代最高の扱いやすさ

ホンダ「GB350」ヤマハ「SR400」を徹底比較!

初代ハヤブサは20年以上も前にバイク界最強最速のアルティメットスポーツとして世界中で大ヒットした。以来、スズキにとっては「力の象徴」。ハイパワーで高速性能に秀でた万能スポーツであり続けてきた。

そのハヤブサが今回大きくモデルチェンジ。ハヤブサはスズキにとってフラッグシップであり「顔」でもある。スズキにしてみれば、絶対に失敗できない「大看板」の塗り替えだ。なのに、スズキはそれをなかなか大胆な手法でやってみせた。

スタイリングは歴代ハヤブサの臭いを残してはいるが、エッジを効かせつつ一新。ハヤブサブランドの中ではかなり思い切ったイメージチェンジとなった。

ビックリしたのはデザインだけではない。ハイスピードモデルとして、その実力を表す重要なファクターになる最高出力表示を、先代から10馬力近くダウンした188馬力としてきた。つまり、バイクのキャラクターに関わる大きな変更を遂行したというわけだ。

フレームやエンジンそのものは、基本レイアウトを変えていないが、その味付けを含めたセッティングには細かく手が入っている。それでも、伝統的な魅力である高速性能も全く切り捨てられていないという。

ならば、何がどう変わったのか?

今回初めて試乗したが、いまやモデルチェンジにあわせて更新されるのが当たり前になった電制ライディングアシスト機構群の進化に驚いたり、ハンドリングの違いにビックリしたり、乗り心地の良さにうっとりしたり…。新型ハヤブサは、最初の試乗にして、明確に先代との違いを訴えてきたのだ。

まず、走り出した瞬間に驚かされたのは、その乗り心地と素直なハンドリング。

首都高速でクルマの流れに乗るまでだから、100km/hまでの速度レンジだが、そんな速度域で、補修だらけの荒れた路面を高級ツアラーのような乗り心地で走ってみせた。

感覚的には、バネがソフトでサスも高速減衰の立ち上がり方が滑らか。ちょっとした凸凹を、人間に例えるなら、つま先だけで上手く吸収して乗り手に伝えない感覚だ。

前モデルでは極低速から峠道を流すようなペースまでのライディングで、左右への切り返し時にゴロリとした、ちょっと立ちが強めのリーン特性があった。それがこれっぽちも感じられない。ハンドルに手を添えているだけで素直なリーンと自然なセルフステアを低中速でも実現している。

これだけ大きな車体で、強烈な過減速をいなせるよう前傾も強めにしたライポジだ。足まわりも高速に適応したもののはず。そんなバイクなのに、街中が非常に快適だった! ハンドルに節度があるのに軽く、素早い切り返しなどでもリニアに車体が追従する。ビッグネイキッドを操る感覚で街を走れるのだ。

峠道、高速道路、タンデムと、ステージが変わってもハンドリングは変わらず素直。歴代ハヤブサの中で、いい意味でもっともクセがなく、扱いやすいハンドリングになっていた。



あらゆる場面で速さを引き出せる「正常進化」

試乗前、担当者から「ライディングモードは「C」から試して下さい。トラコンの1はある程度のスピンを許容するので…」と念を押されたので「C」モードでスタートしたが、交差点をひとつ越えてすぐ「B」モードに変更した。「C」モードはよほど滑りやすい状況以外では使う必要がない気がする。

ビッグバイクに乗ったことのあるライダーなら「B」で街中から峠道まで、ハヤブサらしいみなぎるトルクを堪能できるはずだ。これでもレスポンスは十分紳士的だし、大きく開けるとハヤブサらしい猛烈なパワーも楽しめる。トラコンレベルは「C」の10から5になるが、峠道や急激な加速を繰り返したいときには少し介入がおせっかいだ。

続いて「A」モードも試す。こちらはトラコンのレベルは最小の1で、介入もぐっと少ない。ただ、今回の試乗ではリアが派手に滑るようなことは体感できなかった。1~2速をフルに使うようなコーナリングでも、普通に操作していれば暴れることなく、力を削がれずに立ち上がれる。慣れたら「A」モードでどこでも普通にスロットル操作はできると思う。

基本的にエンジンは先代よりも滑らかで、振動も少なく音も静か。でもコシが強い。5000回転くらいで吹けに勢いが増し、7000から1万回転強までがパワーバンド。よく調教されている。素直なハンドリングで、この扱いやすいパワーだ。あらゆる速度レンジで、新型は先代よりコーナリングでの寝かし込みがコントロールしやすかった。

新型ハヤブサはすべてがフレンドリーだ。誤解しないで欲しいのだが、決してツメを丸められたのではない。新型は扱いやすく、速さや強さを引き出しやすく進化したのだ。どこまでも走っていきたくなるほど乗りやすかった。

スズキ「ハヤブサ」カラーバリエーション
グラススパークルブラック/キャンディバーントゴールド

ブリリアントホワイト/マットステラブルーメタリック

マットソードシルバーメタリック/キャンディダーリングレッド

【アンケート】あなたはどのカラーが好きですか?
お好きなカラーをポチっとお選びください。投票後、集計結果がご覧いただけます!

元サイトで投票・回答スズキ「ハヤブサ」ライディングポジション・足つき性
シート高:800mm
ライダーの身長・体重:176cm・68kg

ハンドルは12mm近くなったが、それでも少し遠い気がする。グリップに上から手首を添えるのが楽か、角度を付けて手前から添えるか迷うところ。タンクとタンク下の形状処理は素晴らしく、下半身のホールド性は抜群にいい。

スズキ「ハヤブサ」タンデム(2人乗り)チェック
パッセンジャー木川田ステラの感想

まるでクルーザーの様な安定した乗り心地と肉厚でクッション性の高いシートのおかげで、長距離ツーリングも快適にこなせそうです。ライダーとの距離がちょっと開いているので、前のライダーにニーグリップするよりは、握りやすいグラブバーを活かして体をホールドさせる方が加速時や減速時でも安心できてよかったです。

スズキ「ハヤブサ」各部装備・ディテール解説
モードは全部で6種類を用意!

スズキ「ハヤブサ」実測燃費
実測燃費※18.02km/L
油種はハイオク

今回の試乗ルートは東京を出発し、東名~新東名を通って富士山を眺めながらクルージング、沼津の先で引き返して御殿場で一般道に降り、そのままワインディングに入るという、のべ300km弱の行程。新型ハヤブサオーナーが休日に日帰りツーリングに行くようなルートである。

ちなみに使用モードは出発時C→市街地でB→高速に乗ってからはずっとAで、いわゆる「エコラン」はしていない。ハヤブサのカタログ燃費が20.2km/L、WMTCモード値が15.4km/Lであることを考えたら、今回の18.02km/Lはまずまず。

タンク容量が20Lだから、1回の給油での航続可能距離は約360km。東京からだと仙台や名古屋の手前まで行ける計算。これならロングツーリングも楽しめそうだ。

※満タン計測法。計測はオートバイ編集部が行なった。

スズキ「ハヤブサ」主なスペック・価格
[ 表が省略されました。オリジナルサイトでご覧ください ]

[ アルバム : 【写真26枚】スズキ新型「ハヤブサ」 はオリジナルサイトでご覧ください ]

文:宮崎敬一郎、木川田ステラ、オートバイ編集部/写真:南 孝幸

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

レゴとF1、パートナーシップを締結…2025年からクリエイティブな遊び提案へ
レゴとF1、パートナーシップを締結…2025年からクリエイティブな遊び提案へ
レスポンス
メルセデスが3セッション連続で最速! 終盤の赤旗中断で、アタック未完了のマシン多数……勢力図は不明瞭|F1ラスベガスGPフリー走行3回目
メルセデスが3セッション連続で最速! 終盤の赤旗中断で、アタック未完了のマシン多数……勢力図は不明瞭|F1ラスベガスGPフリー走行3回目
motorsport.com 日本版
ルノーがハイブリッド車に使ったF1直系の技術……って聞くとなんかたぎる! 「ドッグクラッチ」ってそもそも何?
ルノーがハイブリッド車に使ったF1直系の技術……って聞くとなんかたぎる! 「ドッグクラッチ」ってそもそも何?
WEB CARTOP
F1ラスベガスFP3速報|赤旗で消化不良に。ラッセルがトップタイム、RB角田裕毅は16番手
F1ラスベガスFP3速報|赤旗で消化不良に。ラッセルがトップタイム、RB角田裕毅は16番手
motorsport.com 日本版
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
くるまのニュース
WRCラリージャパン、SS12キャンセル原因は“無許可の車両によるステージ侵入”とFIA発表
WRCラリージャパン、SS12キャンセル原因は“無許可の車両によるステージ侵入”とFIA発表
motorsport.com 日本版
山脈貫通!「新潟‐福島」結ぶ国道が建設着々 “延長21km・トンネル15本”におよぶ大規模道路いつ開通?
山脈貫通!「新潟‐福島」結ぶ国道が建設着々 “延長21km・トンネル15本”におよぶ大規模道路いつ開通?
乗りものニュース
昭和の名車とワーゲンがぎっしり…茨城県の江戸崎商店街でホコ天イベント
昭和の名車とワーゲンがぎっしり…茨城県の江戸崎商店街でホコ天イベント
レスポンス
ドゥカティ現行車では唯一!? 空冷Lツインを搭載する第2世代スクランブラー「アイコン」の魅力
ドゥカティ現行車では唯一!? 空冷Lツインを搭載する第2世代スクランブラー「アイコン」の魅力
バイクのニュース
ホーナーの言うことは「信用できない」とウォルフ。妻に対するFIAの調査の際に不信感を募らせたことを明かす
ホーナーの言うことは「信用できない」とウォルフ。妻に対するFIAの調査の際に不信感を募らせたことを明かす
AUTOSPORT web
バスドライバーを疲れさせる「プルプル運転」とは何か? 自動運転時代の落とし穴! 過剰な安全対策が招く危険とは
バスドライバーを疲れさせる「プルプル運転」とは何か? 自動運転時代の落とし穴! 過剰な安全対策が招く危険とは
Merkmal
46台の輸入EVが丸の内に集結!「JAIA カーボンニュートラル促進イベント」リポート
46台の輸入EVが丸の内に集結!「JAIA カーボンニュートラル促進イベント」リポート
LE VOLANT CARSMEET WEB
【プロカメラマン】が大量画像で記録!「腐っていたKLXが終に熟成!四国MSBR撮影後の修理と詰めの改良!」(最終回)  
【プロカメラマン】が大量画像で記録!「腐っていたKLXが終に熟成!四国MSBR撮影後の修理と詰めの改良!」(最終回)  
モーサイ
ホンダが全固体電池のパイロットラインを初公開。一連の生産工程を再現しながら徹底検証
ホンダが全固体電池のパイロットラインを初公開。一連の生産工程を再現しながら徹底検証
Webモーターマガジン
「運転席の横に“クルマが踊っている”スイッチがありますが、押したら滑りますか?」 謎のスイッチの意味は? 知らない「使い方」とは
「運転席の横に“クルマが踊っている”スイッチがありますが、押したら滑りますか?」 謎のスイッチの意味は? 知らない「使い方」とは
くるまのニュース
【東京オートサロン2024】アルピーヌ A110 R Turini A110 GT ジムカーナチャンピオンマシンなどを出展
【東京オートサロン2024】アルピーヌ A110 R Turini A110 GT ジムカーナチャンピオンマシンなどを出展
Auto Prove
ランボルギーニ、WEC参戦“休止”を発表。ハイパーカー、LMGT3共に撤退……IMSAとテメラリオGT3開発に専念か
ランボルギーニ、WEC参戦“休止”を発表。ハイパーカー、LMGT3共に撤退……IMSAとテメラリオGT3開発に専念か
motorsport.com 日本版
EVの充電がプラグを接続するだけに! Terra Chargeがプラグアンドチャージ対応EV充電器を2025年度から設置開始
EVの充電がプラグを接続するだけに! Terra Chargeがプラグアンドチャージ対応EV充電器を2025年度から設置開始
THE EV TIMES

みんなのコメント

6件
  • ハヤブサは初代で完成されていたバイクだと改めて思う
  • 他の方のコメントにもある通り、バイクに乗れば体熱を奪われる3月にジーンズで乗っても敏感な太腿の内側肌が熱い。
    まだまだハンドルが遠いことも相俟って太腿熱い問題はセットで解決して貰いたい。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村