MotoGPは今シーズン限りで、多くのライダーの契約の節目を迎えている。そのため、ライダーの移籍に関する話題が注目を集めてきた。特にドゥカティは現在最強のマシンと目されていることもあり、ファクトリーチームのライダー人事を巡る憶測は、常にその中心を担ってきた。
ドゥカティのファクトリーチームの次期ライダー候補として名が取り沙汰されたのはホルヘ・マルティンとマルク・マルケスのふたり。そのいずれかが、来季のファクトリーチームのシートを獲得するのは間違いないという論調だった。この話題の中では、現在ドゥカティに所属するエネア・バスティアニーニの存在感すら非常に小さなものであり、VR46のマルコ・ベッツェッキは名前すらほとんど挙がってこないような状況だった。
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ベッツェッキは昨年3勝を挙げて一時はタイトル争いにも加わったライダー。しかし今シーズンは2023年型のマシンへの適応に苦しんでしまい、これまでのところ表彰台を獲得したのは1回のみとなっている。
ベッツェッキとしては2023年の成績を見れば自分が候補となってもおかしくないとしつつも、2025年のファクトリーチームの候補として語られないのは仕方のないことだと語る。
「憤ったりはしないんだ。今のところは、彼らの方がよりファクトリーのシートに値していると思うし、それは普通のことだ」
ベッツェッキはそう語る。
「もちろん僕は昨年良い結果を示したし、僕自身はファクトリーチームのシートに値すると思っている。でも今のところ、彼らに注目するのは普通のことだと思うし、誰かを責めたりはしないよ」
「今のところ僕の目標は、また強さを取り戻すことだ。それを達成できれば、MotoGPライダーみんなにとっての目標であるファクトリーチームのシートを獲得できる可能性が高まると思う」
「マルティンをはじめとして、マルクもバスティアニーニも現時点ではより(ファクトリーシートに)相応しいんだ」
なおベッツェッキはファクトリー契約を夢見つつも、ドゥカティ陣営全体が今のMotoGPでライバルよりも優位なポジションに立っていることから、他のメーカーに移る必要があるかどうかはわからないと語った。
「もちろんファクトリーチームに入ってファクトリーライダーになりたいという野望はある。けれど良いレースをするためにも競争力のある存在でいたいんだ」
「だから今チームを離れて競争力の低いパッケージに向かうべきなのかは分からない。だってドゥカティのマシンは、ファクトリーマシンじゃなくてもとても競争力が高いからね」
「僕も自分にどんな可能性があるのかを見てみたいし、考えなくてはいけない。様子を見てみよう」
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