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ルノー、日産、三菱が共同会見 対等な出資比率など新たなアライアンス枠組みを発表

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ルノー、日産、三菱が共同会見 対等な出資比率など新たなアライアンス枠組みを発表

ルノー・グループと日産自動車、三菱自動車の首脳は2023年2月6日、ロンドンで共同記者会見を行ない、アライアンス・オペレーティング・ボード議長のジャン・ドミニク・スナール氏、ルノー・グループのルカ・デ・メオCEO、日産自動車の内田誠CEO、三菱自動車の加藤隆雄CEOが会見に登壇した。

アライアンス・オペレーティング・ボードのジャン・ドミニク・スナール議長アライアンス・オペレーティング・ボード議長のスナール氏が、新たなアライアンス枠組みを説明し、2030年に向けたアライアンスのロードマップでは、各社はラテンアメリカ、インド、ヨーロッパにおいて、市場、商品、技術という三分野でプロジェクトを検討していることを発表したが、これは従来のアライアンスの延長線上にある内容だ。

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日産の内田CEO(左)、ルノー・グループのルカ・デ・メオCEO、三菱の加藤CEO日産は、アメリカ、中国、日本市場を重点的にカバーし、ルノーはヨーロッパ、南米市場を、そして三菱は東南アジア、オセアニアを主戦場とすることになっている。また三菱は、ヨーロッパ、アメリカ市場では、日産、ルノーといくつかの共同プロジェクトを進めることにもなっている。

スピーチする内田CEO日産は南米市場ではルノー・グループが開発し、アルゼンチンで日産に供給する新たな0.5トンピックアップトラックの販売を行ない、1トン・ピックアップトラックでは日産「フロンティア」/ルノー「アラスカン」の協業プロジェクトを継続する。今後もルノー・グループがピックアップをコルドバ(アルゼンチン)でルノーと日産両社向けに生産すること、メキシコでは、日産が20年ぶりにルノー・グループ向けに新型車を生産。またCMF-AEVプラットフォームをベースとした日産とルノー・グループの共通AセグメントEV・2車種を投入するとしている。

スピーチする加藤CEOインド市場では、ルノー・グループと日産はインドおよび輸出向けに、両社向けの新型SUVとルノー「トライバー」から派生する日産の新型車など、複数の新型車プロジェクトでの協業を検討している。またラテンアメリカと同様、日産とルノーグループは、共通Aセグメント電気自動車も検討している。

また、日産はルノー・グループが設立するEV&ソフトウエア子会社「アンペア」に最大15%を出資する意向で、三菱自動車もアンペアへの参画を検討していることなどが明言された。そして、ルノー・グループと日産は、15%の株式を相互に保有するという、対等な株式の保有とガバナンスの条件について合意されたことも発表した。

ルノー・グループ初のソフトウェア定義(Software Defined)モデルとして2026年にFlexEVan(多用途EVバン)を投入し、ヨーロッパでは日産に供給する。2026年以降のラインアップに関しては、日産とルノー・グループは次世代Cセグメント電気自動車での協業の可能性を模索しており、高速の充電時間を達成するため、日産とルノー・グループは共通の800Vアーキテクチャーの採用を検討するなど、ヨーロッパ市場向け商品における技術の共有を継続して行く。

これらの取り組みは、2026年からフランスのルノー・エレクトリシティで生産される、CMF-BEVプラットフォームをベースとした将来の日産のコンパクト電気自動車 (Bセグメント)など、既存のプロジェクトとともに推進して行く。

また、アライアンスでは、特にヨーロッパで、物流、アフターセールス、充電インフラ、バッテリー、リサイクルなど幅広い分野で協業をより深化させ、個社のコストを低減して行く。

ルノー・グループ、日産、三菱の関係では、3社の調整の場としてアライアンス オペレーティング ボード(AOB)は存続し、依然としてスナール氏が議長を務める。言い換えればスナール氏の発言力や意志はきわめて強力といわざるをえない。

ルノー・グループと日産の資本化件については、ルノー・グループが所有する日産の株式の28.4%はフランスの信託銀行に移管し、ルノーは信託している日産株を完全にフレキシブルに、日産との協調的プロセスを経て売却が可能になるが、早期に売却することはないと説明している。つまり見かけ上はルノー・グループと日産の株式保有は15%ずつの対等な関係になったということができる。

ルノー・グループの現時点で最も重要な戦略であるEV&ソフトウエア子会社「アンペア」に対して日産が15%を出資し、三菱も出資する方向であることが確認できたことも注目点だ。EVとソフトウエアの分野で3社アライアンスが実現することで、車両の開発コストを大幅に低減でき、また開発スピードも加速することができる。そして開発コストを大幅に低減することで、既存のEVより低価格のEVをラインアップすることが可能になるのだ。

また、ルノー・グループは、内燃エンジンとハイブリッド・パワートレインに関しては中国の吉利集団と合弁で独立会社化を目指しているが、日産と三菱はこの新会社の顧客となり、こうしたパワートレインを購入することになっている。

こうした新たなアライアンスの枠組みは、結局のところルノー・グループが目指す方向と一致しており、3社のアライアンスはより強化されたと見るべきであろう。

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みんなのコメント

1件
  • > 日産は、アメリカ、中国、日本市場を重点的にカバーし、ルノーはヨーロッパ、南米市場を、そして三菱は東南アジア、オセアニアを主戦場とすることになっている。

    これを理由に日産、三菱の欧州事業を縮小させたけれど、ルノーは同時にアライアンス外で吉利と提携して日産担当のはずの中国市場拡大を画策しているわけだからね。もっとしたたかにやらないと。
    あと三菱はまだ「対等」にはなっていないよね。日産の子会社のまま。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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