雨に見舞われたことで、午前のフリー走行から午後の決勝レースにかけてアクシデントが多発したスーパーフォーミュラ第3戦SUGO。決勝ではコンディションが改善されない中でレースが続行されたことについて無線で不満を述べるドライバーが多くいたが、DOCOMO TEAM DANDELION RACINGの牧野任祐もその判断について理解に苦しむと語気を強めた。
決勝日は終始アクシデントが尽きなかった。まず午前中のフリー走行では岩佐歩夢(TEAM MUGEN)がホームストレート上でスピンしてクラッシュ。各車ほとんど走行できないままで赤旗終了となった。そして決勝直前のウォームアップ走行では山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING)が最終コーナーでクラッシュしてこちらも赤旗終了に。決勝レースはセーフティカー先導を挟んでスタートすることになったが、直後に大嶋和也(docomo business ROOKIE)がまたも最終コーナーでクラッシュした。
【レポート】スーパーフォーミュラ第3戦SUGO、天候不良でクラッシュが続き赤旗のまま終了。14周を走るもほとんどがセーフティカーランに
大嶋のマシンを回収するためにセーフティカーが出された後、再びレースが再開したものの今度は阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)が最終コーナーの餌食に。ここで赤旗が出され、レースが再開されることはなかった。
レース中、もといセーフティカーラン中には、雨と霧による悪コンディションが改善されないことや、レース続行が難しい状況であることをドライバーたちが口々に訴えており、中にはレースが続行されるという判断に対して語気を強めたドライバーもいた。牧野もそのひとりで、阪口のクラッシュによる赤旗が知らされた時、彼は無線で「いい加減学べよマジで、やめろよ! 怪我人出てからじゃ遅いって」と訴えていた。
そんな牧野にレース後改めて話を聞いた。
「フリー走行の時点でああいった(山本の)クラッシュがあった中で、大嶋さんもそこ(同じ場所)に突っ込んだのに、なぜ(レースを)再開するのかという話です」
「たまたま今回は大きな怪我につながるアクシデントがなかったようで良かったですが、何かあってからでは遅いです。最近は大きなクラッシュも多いですし、特に僕としてはスーパーGTのチームメイトである尚貴さんが(昨年のスーパーGT SUGO戦の事故で)怪我をしたということもあります」
「危ないと思っている人が多数な中でこういうことになったので、何がしたいのか分かりません。スーパーフォーミュラは国内最高峰を謳っていますが、ただレースを成立させるためにやっているようにしか思えませんでした。あの状況で仮に怪我人が出た時に誰が責任を取るのかという話もありますし、『ドライバーファースト』や『ヒューマンモータースポーツ』を謳っているのなら、ドライバーを守れるようなことをやるべきだと思います」
今週末は前述の通り、決勝レース中、そしてその前からアクシデントが多発したが、レース中止もしくは終了を判断すべきタイミングはどこだったと考えるかを問うと、牧野はこう答えた。
「間違いなく、大嶋さんが(最終コーナーのバリアに)いった時点でもう無理だったと思います」
「確かに(決勝前に)グリッドで待っている時も雨が弱くなっているシチュエーションがあったので、スタートしたのは良いとしても、大嶋さんがいった時点でダメだと思います」
また今回のレースは特段雨量が多かったわけではなかった一方で、ほとんどのドライバーがグリップ不足を訴えた。牧野も午前のフリー走行中、低速でピットインしようとする際に突然リヤの挙動が乱れたという。その際は速度域が低かったことも幸いしてフルカウンターを当てて事なきを得たというが、「何かがおかしいですね」と牧野もいぶかしげであった。
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