二輪ジムカーナにはさまざまな車種のオートバイが出場している。オートバイ杯第4戦では175台のエントリーに対し、最強マシン・NSR250Rをはじめ新旧のスーパースポーツ、ネイキッド、モタードなど合計61車種! その中でも最大勢力を誇る250ccバイクとは?
いま一番支持されているマシンは、ホンダ「VTR250」
二輪ジムカーナにもマシンの流行がある。かつてはカワサキ「Z750FXIII」が一時代を築き、それからホンダ「ブロスP1」、カワサキ「ゼファー750」なども人気を集めてきた。
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ホンダ「NSR250R」は、90年代半ばから現在まで根強く支持され続け、一時に比べれば減ったもののまだまだ台数は多い。これら人気のマシンは、もちろん良いタイムが出せる“戦闘力”を持っているが、それだけではなくジムカーナ仕様にするノウハウが確立されていることも求められる。
そしてもちろん価格の手頃さも重要だ。では、現在の二輪ジムカーナで一番の人気マシンはなんなのか?
それはスーパースポーツでもなく、最高出力30PSで車重160kg、特にレーシーでもないベーシックな250ccネイキッド、VTR250なのだ。
[全長×全幅×全高]2080×725×1055mm
[ホイールベース]1405mm [シート高]755mm [車両重量]160kg
[エンジン形式]水冷4ストDOHC4バルブV型2気筒 [排気量]249cc
[最高出力]30PS/10500rpm [最大トルク]2.2kgーm/8500rpm
[燃料タンク容量]12L [キャスター角]25°30′ [トレール量]96mm
[タイヤサイズ前・後]110/70R17・140/60R17
[税抜本体価格]55万4000円/57万4000円(Special Edition)
具体的な数字で見ると、オートバイ杯の過去3年分(18戦)の総計2697台中499台がVTR250で約18.5%、1戦平均では約27台。
先日のオートバイ杯第4戦では175台中37台と約21%を占め、さらに増加傾向にあるといえる。
平嶋夏海さんがVTR250で走る映像はこちら!
ホンダ「VTR250」がジムカーナ界で大人気の理由とは?
ではこのVTR250人気の秘密はどこにあるのか? まずひとつはそのフレンドリーさ。
約20年という長期間にわたり販売され、長年熟成を重ねてきたモデルだけにあらゆる部分の完成度が高く、非常にバランスが良くて乗りやすさも抜群だ。
次に挙げられるのは入手性の良さ。2017年に生産中止とはなったが、生産台数が多く今でも中古車も豊富で手に入りやすい。普通に人気モデルということで価格はやや高めだが…。エンジンガードやサスペンションなどパーツも豊富で、マシン製作やセッティングに関する情報も豊富だ。
またジムカーナをよく知らない人には意外かもしれないが、戦闘力もかなりハイレベル。NSR250R以外が勝つとニュースになる二輪ジムカーナで、2012年ジムカーナJAPANでA級・松本選手の手でNSRを破って総合優勝もしているのだ。
そのジムカーナマシンとしてのポテンシャルの高さは、昨年もチャンピオンとなった最強のNSR250R使い、A級・冨永選手がVTR250を評して「VTR250は4ストNSR250Rですよ」と言っていたことからも分かる。
それは、両車とも車格、運動性の鍵となる車体のディメンションが良く似ているから。もちろんエンジンのフィーリングの違いや車重の重さはあるものの、操縦フィーリングはNSRにかなり近い機敏さも備えているのだという。
現在はA級で使用しているライダーこそいないが、B級からノービスのNO・NL級まで幅広いライダーから選ばれ、大排気量のスーパースポーツや、超軽量なモタードたちと互角に戦い続けているVTR250。
トップライダーから初心者までをカバーできる懐の深さと、総合優勝できるだけのポテンシャル、その双方をバランス良く備えていること。
そして手に入れやすくてマシン製作も容易。まさにジムカーナマシンとなるために生まれてきたような1台、それがVTR250なのだ。
[ アルバム : ジムカーナで活躍するホンダ「VTR」をもっと見る! はオリジナルサイトでご覧ください ]
それでもジムカーナの機種はさまざま! こんなマシンンも気を吐いています!
写真・レポート:小松信夫
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