2024年1月12日から開催された「東京オートサロン2024」(千葉県・幕張メッセ)に展示されたスズキの「スーパーキャリイ マウンテントレイル」はオモシロいコンセプトを持つ1台だった! 小川フミオがリポートする。
説得力があるデザイン
商用車には乗用車にはない独自の魅力があると思う。そこを気づかせてくれるのが、スズキが参考出品車として手がけた「スーパーキャリイ マウンテントレイル」だ。
東京オートサロン2024にあるスズキのブースで、多くの来場者を惹きつけていたコンセプトモデルである。
「アクティブな大人が山をストイックに楽しむため」というのが、開発コンセプト。大きめなキャビンを特徴とするスーパーキャリイに手を入れ、さまざまな特装パーツを組み込んだ。なんだか楽しげな雰囲気を作りあげている。
スズキが手がける軽トラックには、伝統的な名前を継続使用する「キャリイ」と、2018年に追加設定されたやや大きめなキャビンをもつこのスーパーキャリイがある。
スーパーキャリイは2シーターであることこそ変わりないが、ハイルーフ化とともに、シートスライド量が増え、かつリクライニング機構も備わる。室内にはかさばるものを置けるスペースもあるから便利だ。
今回のコンセプトモデルでは、2023年に追加設定された「スーパーキャリイXリミテッド」がベース。広めのキャビンを趣味にも使えるようコンセプトを転換。チッピング塗装のフェンダーをはじめ、ドアの色を変えたり、大きなルーフラックを装備したり、パーソナルユースを強調した仕様だ。
「若いデザイナーが腕をふるいました」(スーパーキャリイ マウンテントレイル開発責任者)というボディは、おもしろい。車体の外には太いロールケージが設けられていて、ドアもパネルがなくてパイプのみ。
内装をみるとバケットシートが2つ並び、細部は趣味のアイテムが格納できるようにデザインされている。たとえばJBLの円筒型ポータブルースピーカーがはめこめるアタッチメントがダッシュボードに設けられているといった具合。取り外し可能なタブレットも、JBL同様、防水仕様だ。
「このまま岩場を上り下りするようなロッククローリングこそできませんが、そこまでハードでなくても、トレッキングのパートナーに使えるようなイメージです」
強調したかったポイントは“遊び心”という。オープンの荷台に、大きなウインチがそなわるのもユニーク。その気になれば、いろいろと使い倒せる高機能性が盛り込まれているようだけれど、年齢や使い方などでユーザーをあまり限定せず、汎用性が意識されている。
そもそも、スーパーキャリイは、数多い収納スペースにくわえ、ショッピングバッグフックや助手席がテーブルになる機能など、商用車を超えた機能を持っていた。
実際に山間部などでよく見かけるスズキの軽トラだけに、たんにデザインの遊びでなくて、こんなクルマがあったら乗ってみたい! と、思わせる。けっこう説得力があるデザインだ。そこもまたよいのである。
残念なのは、「いまのところ販売予定はありません」という点だ。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)
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みんなのコメント
あれは仕事で役にたつ
普通に公道も走れる大型四輪バギー売ってくれ 昔スズキで小型のは売ってなかったか?
50cc以上は法改正必要だけど