トランクスルー機能が収納スペース拡大の肝!
ミニバンなどに乗っていて、収納やシートアレンジによる荷物の積みやすさに満足していた人が、いざ、家族構成の変化からセダンに乗り換えたとき、まず気がつくのが、室内空間のボリュームと、運転席まわりの収納の数、容量、使い勝手、そして荷物の積載性の違いだ。
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でも、あきらめることはない。セダンでも運転席まわりの収納が豊富で、トランクスペースが広大かつ、トランクスルー機能で長尺物を余裕で積み込めるクルマがあるのだ。
1)ホンダ・グレイス
まず紹介したいのが、下克上的セダンのホンダ・グレイス。フィットのセダン版ながら、インパネやシート位置などは独自のもので、パッケージはセダン専用。
トランクスペースはハイブリッドでも430リットルもあり、トランクスルーも可能。後席を畳んだとき、スルー空間に斜めのパーテーションが出現するのはちょっとジャマだが、それはトランクまわりの剛性確保=走りの質感向上のため。155cm程度の長尺物を余裕で積み込めるのだ。後席は5:5分割で倒せるため、3人乗車+長尺物荷物の積載もOK。
純粋なトランクスペースとしても、トランクスルーを使わずにゴルフバッグが3セット積めるのだからたいしたもの。フィット譲りの運転席まわりのきめ細やかな収納への配慮も申し分なし。それで走りもフィットより低重心感覚があり、いいのだから、隠れた名車と言っていいほどだ。
2)トヨタ・プレミオ/アリオン
セダンでも古くからシートアレンジや高い実用性を追求しているのがトヨタのプレミオ・アリオン。6:4分割、ダブルフォールディング式の後席を、ヘッドレストはそのままで前に倒すだけで、広大なトランクスルー空間が出現。ゴルフバッグをはじめとする長尺物の積載も得意中の得意。ダブルフォールディングで立ち上げた座面部分が、荷物が前席に入り込まないような防波堤代わりになるため、安心・安全でもある。
3)スバル・レガシィB4
国産セダンのなかで、たっぷりとした欧州基準のトランク容量を持つのがスバル・レガシイB4。トランクルーム自体でワゴンに匹敵する525リットル(VDA方式)もの容量があり、9インチのゴルフバッグ4セットを積載可能。床下には18リットル(VDA方式)の大型サブトランクまで備えているから、転がりやすいもの、汚れ物を置いておくのに好都合。
さらにB4は後席を6:4分割で倒せば、広大なトランクスルー空間が出現する。以前、そのフロアで仮眠したこともあるほどだ(少し段差はあるが)。
4)ホンダ・シビック
ホンダのシビックセダンも、セダンとしては大きな荷物が積みやすい。トランク容量はスポーティなボディ形状にしてゴルフバッグ4個の積載が可能な519リットル(VDA方式)。トランクスルー機能も完備し、長尺物の積載も可能になる。運転席まわりの収納はグレイスほどではないが、十二分の数、容量を備えている。
5)フォルクスワーゲン・パサート
最後に紹介するのは、歴代、ヨーロッパのタクシーにも使われことも多く、いつも渡航先でスーツケースを何個も飲み込むそのトランクスペースの広さに驚かされるVWパサートセダン。後席のゆとりもさることながら、トランクルーム容量はクラス最大級の約586リットル(ISO計測法のドイツ公表値)! しかも6:4分割の後席を倒すことで1152リットルもの、あきれるほど広いトランクスルー空間が出現するのだ。
というわけで、セダンでも下手なミニバン、ステーションワゴン、SUVと同等、いや、それをしのぐ荷物の積載能力を持つクルマは存在する。キーワードは「トランクスルー」。その有無で使い勝手、荷物の積載性は大きく変わってくる。セダンのトランクは人と荷物を完全に分断してくれて、荷物が外から見えず、釣った魚などのにおいも遮断してくれるといった、メリットさえある使い勝手の良さがあるわけだ。
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