米国新車販売でトヨタが前年比増をキープ。2期連続トップに（2021年第３四半期）

　米国の第３四半期の新車セールスは、トヨタ（レクサスを含む）が56万6005台を販売した。2位のGMの44万6997台に約12万台の差をつけ、第2四半期に続いてナンバーワンとなった。トヨタは前年同期比1.4％増、GMは同32.8%減。第3四半期は販売トップ10メーカーの中で、トヨタと現代、マツダ以外は前年同期減にとどまった。

　注目すべきは、両社の前年同期比データ。トヨタは同1.4％増、GMは同32.8％減と明暗を分けた。GMは、世界的な半導体不足の影響を受け、北米の主力工場で生産を停止せざるを得なかった。GMと同じ米国勢のFCAやフォードも、同様の理由で販売が減少した。

　一方のトヨタは2011年の東日本大震災時、ルネサスエレクトロニクスの操業停止に伴い、半導体の供給が滞り生産停止を余儀なくされた。この教訓を生かして、トヨタは非常時に備えて半導体の在庫を積み増していたとされる。これが功を奏したと思われる。

　1~9月トータルで見た新車販売台数はトヨタが185万7000台以上を販売してトップに立った。2位はGMの177万7000
台。トヨタが前年同期比27.9%増を記録したのに対し、GMは0.1%増にとどまった。
　
　米国メーカーは全体3位のフォードが前年同期比7.0%減、4位のFCAが3.0％増と対照的。フォードとFCAの販売台数の差は約3万2000台で、FCAがフォードを追い越す可能性が見えてきた。なお、トップ10入りしたメーカーは、フォード以外は前年同期比増を達成している。

■2021年第3四半期（1～9月）までのメーカー別米国新車販売
順位＝社名：販売台数（1～9月）／前年同期比（％）

1＝トヨタ：1,857,884／+27.9
2＝GM：1,777,483／+0.1
3＝フォード／1,397,504／-7.0
4＝FCA：1,365,881／+3.0
5＝ホンダ：1,179,424／+20.8
6＝日産：782,656／+19.3
7＝ヒュンダイ：585,635／+32.1
8＝SUBARU：462,802／+6.0
9＝VW：290,694／+25.6
10＝マツダ：273,213／+35.6

　車名別販売ランキングは、フォードFシリーズ・ピックアップが不動のトップを堅持。トップ3はダッジ・ラム・ピックアップ、シボレー・シルバラードと、米国ビッグ3のピックアップが独占した。
　米国メーカーのセダンは、トップ10の圏外に。日本メーカーのカムリ、カローラ、シビック以外は、ピックアップトラックとSUV（クロスオーバー）が好調な売れ行きを示している。

■2021年第3四半期（1～9月）までの車名別米国新車販売
順位＝車名：販売台数（1～9月）

1＝フォードFシリーズ：534,831
2＝ダッジ・ラム・ピックアップ：434,772
3＝シボレー・シルバラード：414,389
4＝トヨタRAV4：313,447
5＝ホンダCR-V：290,140
6＝トヨタ・カムリ：256,769
7＝日産ローグ：234,647
8＝トヨタ・カローラ：217,727
9＝ホンダ・シビック：216,575
10＝トヨタ・ハイランダー：207,564