2023年6月4日、鈴鹿サーキットで2023 AUTOBACS SUPER GT Round3 SUZUKA GT 450km RACEの決勝が行われ、クラッシュによる赤旗終了の波乱のレースを19号車WedsSport ADVAN GR Supraが制した。2位に36号車au TOM'S GR Supra、3位には1号車MARELLI IMPUL Zが入った。(文:河村大志/写真:井上雅行)
23号車のショッキングなクラッシュにより77周のレースは60周で終了
今大会が行われる週には全国的に激しい雨に見舞われた。しかし決勝日には天気が回復し、気温28度、路面温度46度というコンディションでレースがスタート。
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ポールポジションの36号車を先頭にスタートしたGT500クラスは、ポジションの入れ替えはなく予選の順位のまま周回を重ねていく。しかしレース序盤にヘアピンでGT300車両のタイヤが外れるというアクシデントが発生し、FCY(フルコースイエロー)、そしてSC(セーフティカー)に切り替わる。レース序盤ということもあり、各車ピットインはせず、13周目にレースは再開された。
予選2番グリッドからのスタートした19号車は2位の座をキープしながら27周目にピットイン。トップを走る36号車が30周目にピットインし、コースに復帰すると19号車が逆転しアンダーカット成功。これで19号車がタイヤ交換組のトップに立った。
19号車は高いグリップ力が自慢のヨコハマタイヤを履いているが、ヨコハマタイヤは他のメーカーに比べ摩耗が早い傾向があり、予選では速さを見せるものの、これまで決勝では後退するケースが多かった。しかし今回ヨコハマが持ち込んだドライタイヤは、耐摩耗性能を向上させたもの。さらに今回のレースはドライではあるものの、空には雲が増え日差しが少なくなったことにより路面温度が低下していくというコンディション。ヨコハマユーザーの19号車が、決勝でも速さを保ちながら走行を続けられたのはこれらの要因が考えられる。
すでに1回目のピットストップでドライバー交代を終えていた19号車は47周目に2度目のピットストップを敢行。短い作業時間でコースに復帰した19号車は見た目上の2位、実質トップの座についた。
一方、2回目の義務ピットを残しながらもピットストップを遅らせた3号車が見かけ上のトップに。ピットストップのタイミングが迫る中でも、3号車の高星はペースを落とすことなくギャップを稼いでいく。3号車がどのタイミングで、どのポジションで復帰するのかに注目が集まる中、59周目にレースのハイライトとなるアクシデントが発生。シケインのブレーキングで、23号車MOTUL AUTECH ZがGT300マシンと絡み、マシンがモノコックだけの状態になってしまうほどの大クラッシュが発生してしまった。即時赤旗が提示されるが、マシンの状況、ガードレールや柱などの損傷が大きい為、60周終了時点でレース終了の宣言がなされた。
赤旗が提示された時点での順位でレースは終了したことで3号車が優勝、2位に19号車、3位には36号車という並びになった。そして大クラッシュを喫した23号車の松田次生は意識もはっきりしているとのこと。マシンから救出された松田はドクターヘリで病院に搬送されている。
レース終了後、2度のピット義務を消化していない3号車の優勝に、その他10チームから異議が唱えられた。その後大会審査委員会が抗議を受理したことが発表され、続けて上記の抗議が正当であると認められた。これにより、大会審査委員会はリザルト改訂版を発行。この改訂版には3号車について「競技結果に60秒加算(2023 GTAブルテンNo.028-S 4.「決勝レース中に2回の給油を行わなかった」)決勝レースが赤旗中断・中止により2回の給油義務が行えなかった為、ピットイン+給油相当時間を60秒とした」とするペナルティが課されていた。
このことから19号車が優勝、2位に36号車、3位に1号車という並びとなり、優勝した3号車は4位に降着となった。この発表を受けNDDP RACING(3号車)から抗議が提出されたものの、審議の結果大会審査委員会はこの講義を却下している。
しかしNDDP RACINGは審議の結果に対し控訴する姿勢を見せており、第3戦の決勝結果は控訴結果が確定するまで留保されることになる。結論が出るまで、暫し時間を要しそうである。
2023年スーパーGT 第3戦決勝 GT500暫定結果(上位10台)
1位 19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)58周
2位 36 au TOM'S GR Supra(坪井 翔/宮田莉朋)
3位 1 MARELLI IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)
4位 3 Niterra MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)
5位 100 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)
6位 14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)
7位 16 ARTA MUGEN NSX-GT(福住仁嶺/大津弘樹)
8位 24 リアライズコーポレーション ADVAN Z(佐々木大樹/平手晃平)
9位 17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)
10位 38 ZENT CERUMO GR Supra(立川祐路/石浦宏明)
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訴訟に成るとルール上3号車に否は何もないからGTA敗訴かな?