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ポルシェ・ペンスキー7号車が今季初優勝。MSRアキュラが猛追も、一歩及ばず/IMSA第8戦

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ポルシェ・ペンスキー7号車が今季初優勝。MSRアキュラが猛追も、一歩及ばず/IMSA第8戦

 8月6日、アメリカ・ウィスコンシン州のロード・アメリカにて、2023年IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第8戦『IMSAスポーツカー・ウイークエンド』の決勝レースが行われ、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの7号車ポルシェ963(フェリペ・ナッセ/マット・キャンベル組)が総合優勝を飾った。

 気温22度・路面温度30度、快晴のドライコンディションで迎えた日曜の決勝日は、スタート前から波乱が起きる。前日の予選で最速タイムを記録した31号車キャデラックVシリーズ.R(ウェーレン・エンジニアリング・キャデラック・レーシング)が、朝のウォームアップ・セッションでクラッシュ。11時10分開始のレーススタートまでに修復は完了したもののポールポジションのグリッドに着くことができなかったのだ。また、フォーメーションラップでは予選5番手の25号車BMW MハイブリッドV8がコースを外れ、グラベルにスタックしてしまう。この影響でレースはセーフティカー(SC)先導でのスタートとなった。

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 なお25号車BMWは実質的スタートが切られた後、最後尾からの追い上げを図っていたなかで今度はハイスピードでウォールにクラッシュ。2時間40分レースのカウントダウン開始からわずか10分で姿を消すこととなった。

 ふたたびのSC導入から2度目のスタートを経て、レース序盤をリードしたのは予選2番手、実質的にポールから決勝レースを開始した7号車ポルシェ963だ。同車のステアリングを握るキャンベルは予選3番手の01号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラック・レーシング)や、最初のスタート時に3番手に浮上した60号車アキュラARX-06(メイヤー・シャンク・レーシング)ら後続車を10秒以上引き離していく。

 GTPクラスの全車が最初のピット作業を終えた2時間目の前半もこの展開は変わらず。キャンベルからステアリングを引き継いだナッセが、01号車キャデラックと60号車アキュラを約15秒後方に置き去りし、10号車アキュラARX-06(ウェイン・テイラー・レーシング)以下は30秒以上引き離す“ひとり旅”状態でレースを進めていく。後半になると60号車のトム・ブロンクビストが前を走る01号車キャデラックをかわし、首位7号車に近づいていく。残り1時間を切った時点でのトップ2台のギャップは約7秒だ。一方、7号車と3番手に後退した01号車とのタイム差は23秒に拡がった。

 3時間目を前にGTP全車が2度目のピット作業を終えると、首位7号車ポルシェと60号車アキュラARX-06のタイム差は6.5秒に。その25秒後方では10号車アキュラが3番手に浮上した。フィニッシュまで残り25分、ブロンクビストがさらにペースを上げ首位との差が5秒を切る。10分後、ギャップはついに1.8秒にまで縮まった。

■復活した31号車は6位。BMWは2台ともリタイアに

 しかし首位ナッセもペースを上げてこれに応戦する。残り10分の時点でのギャップを2.5秒に拡げると、その後もライバルの接近を許さず。最後は4.635秒差で逃げ切りに成功した。勝利に一歩届かなかった60号車アキュラは総合2位、同門の10号車はトップから35秒遅れての3位表彰台を獲得している。

 01号車キャデラックは総合4位でフィニッシュ。朝のクラッシュから“復活”した31号車は6位でレースを終え、2台のキャデラックの間には5号車ポルシェ963(JDCミラー・モータースポーツ)が入った。このレースがデビュー戦となったプロトン・コンペティションの59号車ポルシェ963は総合8位で完走を果たした。一方、序盤に25号車を失ったBMW MチームRLLは3時間目を迎える直前に、24号車BMW MハイブリッドV8にトラブルが発生したため、このレースを両車リタイアで終えている。

 LMP2クラスは、レース序盤に04号車オレカ07・ギブソン(クラウドストライク・レーシング・バイ・APR)をかわしてトップに浮上した52号車オレカ07(PR1マティアセン・モータースポーツ)のベン・キーティング/ポール・ループ・シャタン組が優勝。TDSレーシングの35号車と11号車オレカが2位、3位で続きダブル表彰台を獲得した。LMP3クラスでは予選3番手からスタートし、2時間目に2番手、レース最終盤にさらに順位を上げたライリーの74号車リジェJS P320(ガー・ロビンソン/ジョシュ・バードン組)が逆転優勝を飾った。

 ふたつのGTクラスは、ともに予選最速車がポール・トゥ・ウインを収めている。GTDプロのポールシッターとなった23号車アストンマーティン・バンテージGT3(ハート・オブ・レーシングチーム)は、3号車コルベットC8.R GTD(コルベット・レーシング)と激しい首位争いを繰り広げていたが、ライバルが規定の給油時間を守らなかったとしてペナルティを受けた段階で勝負あり。ロス・ガン/アレックス・リベラス組が前戦のライムロック・パークに続きクラス2連勝を飾った。

 GTDクラスはポール・ミラー・レーシングの1号車BMW M4 GT3(ブライアン・セラーズ/マディソン・スノー組)が、70号車マクラーレン720S GT3エボ(インセプション・レーシング)の追撃を振り切ってクラス優勝を果たしている。

 IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の次戦はふたたびの“GTオンリー・イベント”、バージニア州の“VIR”こと、バージニア・インターナショナル・レースウェイで開催される『ミシュラン・GTチャレンジ・アット・VIR』だ。GTDプロとGTDの2クラスのみが参加するこの第9戦は、8月27~28日に実施される。

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