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これぞニッポン技術の底力! 世界を青ざめさせた国産スポーツモデル4台

掲載 更新 30
これぞニッポン技術の底力! 世界を青ざめさせた国産スポーツモデル4台

 日本はスポーツカーを作らせたら世界一!?

 かつて日本車は海外メーカーのモデルに学ぶことで成長してきた。そうした流れが変わってきたのは日本がバブル景気に沸いていた1989年だ。今でも国産車のビンテージイヤーとして知られる1989年は、それまで世界から学ぶ一方だった日本車が世界に影響を与えるようになったメモリアルイヤーでもある。

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 1)ライトウェイトスポーツ市場の開拓者「ユーノス・ロードスター」

 1989年にはセルシオやレガシィ、スカイラインGT-Rなど様々な名車が登場しているが、なかでも世界の自動車メーカーにわかりやすい影響を与えたのはマツダのユーノス・ロードスターだろう。ロードスターの提示した「ライトウェイト・FR(後輪駆動)・オープンスポーツ」というコンセプトは、かつてイギリス車が生み出したもので、すでに過去のトレンドと思われていたが、ロードスターのヒットは世界のトレンドを大きく変えた。

 ロードスターが切り開いた2シーターオープンというカテゴリーに敏感に反応したのがドイツ勢だ。ポルシェはボクスター、BMWはZ3、メルセデスはSLKといった具合に、各社の資産を活かした後輪駆動の2シーターが続々と登場した。もっとも、ボクスターは大きく成長してしまい、Z3の後継車であるZ4(スープラの兄弟車だ)も3リッター級になっている。

 一方、ロードスターは現行モデルでダウンサイジングするなど、ライトウェイトの本筋に立ち返って進化を遂げている。世界に影響を与えつつ、自身は原点回帰するロードスターは、相変わらず唯一無二の存在であり続けている。

 2)エブリデイスーパーカーに世界が驚いた「ホンダNSX」

 さて1989年のビンテージイヤーの翌年、1990年に誕生した日本初のスーパーカーが「NSX」だ。ホンダの持つ技術の粋を集めたオールアルミボディのミッドシップスーパーカーは、軽量なコーナリングマシンというキャラクターで独自のポジションを確保したが、なにより世界のスーパーカーに影響を与えたのは、その「エブリデイスーパーカー」というコンセプトであろう。

 3リッターV6 VTECエンジンには5速MTのほか4速ATが組み合わされ、毎日乗るスーパーカーとして十分な扱いやすさが与えられた。さらに、信頼性においても神経質なところはなかった。当時のエキゾチックなスーパーカーには、エンジンの始動性などにまだまだ神経質な部分が残っていたし、2ペダルの設定もほとんどなかったが、NSXの登場以降、気兼ねなく乗れるように進化してきたし、いまやスーパースポーツの世界でも2ペダルが当たり前になっている。こうしたトレンドの原点は初代NSXの誕生にあるといえる。

 日本の4WD技術は世界でもっとも進んでいる

 3)トルクベクタリングの先駆者「三菱ランサーエボリューション」

 スポーツカーといえば流麗なクーペボディという時代を変えたのは、WRC(世界ラリー選手権)がグループAレギュレーションで戦われてた時期だろう。ランチア・デルタやスバル・インプレッサWRXといったクルマは、WRCでの活躍からブランド価値を高めていった。そのなかで、ラリーで結果を残しただけでなく、世界のクルマに影響を与えたのが三菱ランサーエボリューションだ。とくにランサーエボリューションIV(1996年)以降のモデルに装着された「AYC(アクティブヨーコントロール)」は、後輪の左右トルク差によってハンドリングに貢献しようというもので、まさにパワーで曲げる最初のクルマとなった。そのテクノロジーはWRCというステージがあったからこそ鍛え上げられてきたものだった。

 そしてAYCの開発において三菱自動車のエンジニアが使っていたのが「トルクベクタリング」という言葉。トルクスプリットはトルク配分と訳されるが、同様にトルクベクタリングを日本語にすれば「トルク移動」といったところだろうか。100のトルクを左右に分配するのではなく、左から右へとトルクを移すことができるシステムは、いまだ世界のトップレベルにある。

 実際、ランサーエボリューションにAYCが採用された数年後から「トルクベクタリング」という言葉を使うメーカーは増えたが、真の意味でトルク移動が出来ているかといえば疑問もある。三菱がラリーに出なくなって久しいが、その駆動トルクコントロール技術は、いまだ世界をリードする存在だ。

 4)天候を選ばないマルチパフォーマンススーパーカー「日産GT-R」

 ハイテクによるパフォーマンスと日本車に期待される日常性を両立したことで、世界のスーパースポーツ界に新しい提案をしたのが、2005年に誕生した日産GT-Rだ。

 当初、大きく謳われたコンセプトは「マルチパフォーマンススーパーカー」。4WDを前提としたV6ツインターボエンジン、トランスアクスルの6速DCT、カーボンプロペラシャフトといったメカニズムの構成要素もそうだが、雨天や雪道でもハイパフォーマンスを発揮できるスーパースポーツというコンセプトは世界のトレンドを変えていった。

 いまやスーパースポーツにおいて4WDであることは当然で、むしろハイパワーになるほどRWDを採用することは珍しいが、そうしたトレンドはGT-Rの存在があってこそ、ここまで広まったといえるだろう。

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みんなのコメント

30件
  • 世界中が電動化に舵を切った
    もう35GTRみたいな車は出ないな
    14年経った今も国内ではこれ以上の車は無い
    国内最強エンジン、最強シャシのまま終焉
  • 初代NSXと初代LS(記事にはないけど)は「技術」で世界に一石を投じたと思います。
    (NSXはマクラーレンF1のベンチマークになりましたし、LSは世界の高級車の常識を変えたらしいので)

    一方、ロードスターは「技術」というよりは「コンセプト」がニーズにマッチしたものだと思います。
    GT-Rは「技術」も凄いと思いますが、上記の2台のように「常識を変える」までには至っていないような気がします。
    800万円足らずで300㎞/hを出せる車は「流石」の一言ですが、同様の性能を持っている数千万円クラスのスーパーカーが持っている「官能性」というか「憧れ」というか「ドキドキ感」が今一つかなぁと。
    スカイラインGT-Rの遺伝子があるので、「官能的」というよりかは「アスリートの持つ凄み」なところは感じます。

※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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