現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 名車N360ベースのライトバン!「ホンダLNIII360」【魅惑の自動車カタログ・レミニセンス】第16回

ここから本文です

名車N360ベースのライトバン!「ホンダLNIII360」【魅惑の自動車カタログ・レミニセンス】第16回

掲載 1
名車N360ベースのライトバン!「ホンダLNIII360」【魅惑の自動車カタログ・レミニセンス】第16回

セダンと同じ高性能31psエンジンを搭載

軽乗用車をベースとしたボンネット型ライトバンと言えば、現在ではすっかり廃れてしまったジャンルだが、かつては初代スズキ・アルトのヒットを契機として、一時代を築いたスタイルでもあった。もちろん、それ以前から存在していたジャンルであるのだが、今回はそんなアルトより前の時代の軽ボンネットバンから、ホンダのLNIII360のカタログをお見せしたい。

【51年前の今日…】ホンダ四輪車の基礎を固め直した名車、「初代シビック」発売さる【…こんなことがあった】

【画像24枚】荷物はたっぷり、ドライブはゆったりのカタログを見る!

その前に、実車について簡単に説明しておこう。トラックやスポーツカーではなく、セダン(2ボックスだが)としてはホンダ初のモデルである軽自動車・N360が発表されたのは、1967年3月のこと。その3ヶ月後の1967年6月に、このN360をベースとしてラインナップに加わったライトバン仕様が、LN360である。リアを寝かせた形状のN360のボディ後半を四角い形に変更したモデルで、エンジンはN360と同様に、空冷2気筒OHC 354ccの高回転型ユニット(最高出力31ps)を搭載していた。最大積載量は2名乗車で300kg、4名乗車で200kg。当初は単一グレードであったが、後に豪華版のLN360Mも追加されている。

1969年1月にはN360とともにマイナーチェンジを実施。NIIと呼ばれるモデルであるが、車名はあくまでN360/LN360である。NIIでの改良点として知られている大型のサイドマーカーや、フルパッドのダッシュボードなどは、LN360にも同様に装着されていた。グレード構成はスタンダード/デラックス/スーパーデラックスの3種に進化。

1970年1月には、Nシリーズは再びマイナーチェンジを実施。今度はフロントのデザインを大きく変更し、シェルビー・マスタング風の彫り深い顔立ちとなった。今度は車名がNIII360/LNIII360と、明確に改められている。LNIII360の変更箇所はNIII360とおおむね同じだが、テールランプはNIII360とは違って初期の大きさから変わっていない。 この1年半近く後、NIII360は1971年5月に後継車ライフへとモデルチェンジしており、ライフのバンはやはり3か月遅れて1971年8月に発表、翌月発売されている。

ワゴンじゃないのにシティ・ワゴン?
このLNIIIのカタログは1970年1月発行で、マイナーチェンジと同時に作られたものということになる。サイズは300mm×220mm(縦×横)、ページ数は表紙を含めて全20ページ。カタログのつくりとしては、セールスポイントを的確に訴求する堅実なもので、写真の撮り方なども表紙を別とすれば特に奇をてらったカットはない。人物を多めに、大きく配したカットが多い(お見せしている画像では若干省略した)のは、この当時の商用車カタログによく見られる特徴だ。

特に前半のページを見ていると目につくのは、乗用車としての使い方もカバーしてアピールされていることで、キャッチには「シティ・ワゴン」などという単語も使われている(このモデルはあくまで商用登録のバンでしかない)。これは後年の初代アルト以降に見られる軽ボンバン的な、本来は軽乗用車である車両を商用登録で安価に維持しようというような意味ではなく、商店主などが仕事に使うライトバンを、プライベートでも乗用車代わりに使うことが多かったためで、メーカー自身もそういう使い方を勧奨していたからである。

グレード構成はスタンダード/デラックス/Rデラックス/スーパーデラックスの4種類。Rデラックスの「R」の意味は不明だが、Rデラックスからリクライニングシートを省略したモデルがデラックスであることを考えると、「reclining」の頭文字であろうか。また、リアゲートは上下開きが基本であるが、スタンダードのみには横開きも用意されていた。

現在の感覚からするとバンにしては妙にグレードが多い気がするのだが、まだまだ自動車の購入が容易でなかった時代、前述のような使い方が多かったことも考えると、販売台数にバンが占める割合は小さくなかったのであろう。とは言え「大衆車元年」と言われる1966年からすでに4年、そうした状況にもそろそろ変化が出てきていたのではないだろうか。車両自体も1970年代的にアップグレードされてきた部分と、ベースであるN360自体の古さとの乖離が目立ってきている。そうした部分も含めてお楽しみいただければ幸いだ。

こんな記事も読まれています

トヨタ本気の「小さな高級車」に驚きの声! めちゃ豪華な「本革×本木目」内装を採用! 小型車に「クラウン品質」取り入れた“直列6気筒エンジン”搭載モデルに反響あり!
トヨタ本気の「小さな高級車」に驚きの声! めちゃ豪華な「本革×本木目」内装を採用! 小型車に「クラウン品質」取り入れた“直列6気筒エンジン”搭載モデルに反響あり!
くるまのニュース
結局さぁ……日産[GT-R] とヒョンデ[IONIQ5 N]って結局どっちが良いの??
結局さぁ……日産[GT-R] とヒョンデ[IONIQ5 N]って結局どっちが良いの??
ベストカーWeb
直6のMシリーズが欲しいならE34型「M5」が狙い目! BMWのヤングタイマーで最高の1台を600万円で手に入れられる!?
直6のMシリーズが欲しいならE34型「M5」が狙い目! BMWのヤングタイマーで最高の1台を600万円で手に入れられる!?
Auto Messe Web
【このAMGゲレヴァーなんぼ?】V12を搭載したゲレンデヴァーゲン 生産台数わずか5台の「メルセデス G63 AMG V12」の価格は?
【このAMGゲレヴァーなんぼ?】V12を搭載したゲレンデヴァーゲン 生産台数わずか5台の「メルセデス G63 AMG V12」の価格は?
AutoBild Japan
トヨタ、2025年のWRC参戦体制を発表。勝田貴元含む4名のフルタイムドライバーを揃え全タイトル獲得目指す
トヨタ、2025年のWRC参戦体制を発表。勝田貴元含む4名のフルタイムドライバーを揃え全タイトル獲得目指す
motorsport.com 日本版
【屋根開き版が追加】メルセデスAMG CLE 53 4マティック+ カブリオレ 一年中快適に楽しめる装備も充実
【屋根開き版が追加】メルセデスAMG CLE 53 4マティック+ カブリオレ 一年中快適に楽しめる装備も充実
AUTOCAR JAPAN
オイルクーラー用Oリングやブラックメッシュホースなど、HKSからオイルクーラー補修パーツ各種が発売
オイルクーラー用Oリングやブラックメッシュホースなど、HKSからオイルクーラー補修パーツ各種が発売
レスポンス
レクサス「新型“7人乗り”SUV」発表に反響多数! 「イカつカッコイイ」「欲しい」 全長5.1mで3.5リッター「V6」搭載! 後席めちゃ広い「スポーティ3列車」 米で登場
レクサス「新型“7人乗り”SUV」発表に反響多数! 「イカつカッコイイ」「欲しい」 全長5.1mで3.5リッター「V6」搭載! 後席めちゃ広い「スポーティ3列車」 米で登場
くるまのニュース
ローソン予選15番手「とにかくグリップがなくて苦労したが、それは言い訳にはならない」:RB/F1第22戦
ローソン予選15番手「とにかくグリップがなくて苦労したが、それは言い訳にはならない」:RB/F1第22戦
AUTOSPORT web
2024年F1第22戦ラスベガスGP予選トップ10ドライバーコメントまとめ(1)
2024年F1第22戦ラスベガスGP予選トップ10ドライバーコメントまとめ(1)
AUTOSPORT web
2024年F1第22戦ラスベガスGP予選トップ10ドライバーコメントまとめ(2)
2024年F1第22戦ラスベガスGP予選トップ10ドライバーコメントまとめ(2)
AUTOSPORT web
クルマのヘッドライト「何時に点灯」させればいい? 「オートライト義務化」されるも過信はNG! 「秋冬の早め点灯」大事な理由とは
クルマのヘッドライト「何時に点灯」させればいい? 「オートライト義務化」されるも過信はNG! 「秋冬の早め点灯」大事な理由とは
くるまのニュース
角田裕毅と好バトルの末8位フィニッシュのヒュルケンベルグ「ピットストップのタイミングを少しずらしたのがうまく機能した」
角田裕毅と好バトルの末8位フィニッシュのヒュルケンベルグ「ピットストップのタイミングを少しずらしたのがうまく機能した」
motorsport.com 日本版
中古車バブル崩壊……その時あなたは何を買う!? 絶版国産[スポーツカー]ほしいランキング
中古車バブル崩壊……その時あなたは何を買う!? 絶版国産[スポーツカー]ほしいランキング
ベストカーWeb
BMW初代「M3」に24年! マフラーはE46 325i用をベースに自分で溶接して製作…トヨタ「スターレット」から乗り換えて何が違った?
BMW初代「M3」に24年! マフラーはE46 325i用をベースに自分で溶接して製作…トヨタ「スターレット」から乗り換えて何が違った?
Auto Messe Web
ドラマ連発!エバンス/マーティン組が日本戦でニ連覇、TOYOTAも大逆転でのシリーズ四連覇獲得に「トヨタ(豊田)」が湧いた!!【WRC最終戦ラリージャパン】
ドラマ連発!エバンス/マーティン組が日本戦でニ連覇、TOYOTAも大逆転でのシリーズ四連覇獲得に「トヨタ(豊田)」が湧いた!!【WRC最終戦ラリージャパン】
Webモーターマガジン
BMWが新型「3シリーズ セダン/ツーリング」を発売! PHEVモデルは航続距離がさらに向上。【新車ニュース】
BMWが新型「3シリーズ セダン/ツーリング」を発売! PHEVモデルは航続距離がさらに向上。【新車ニュース】
くるくら
エメ・レオン・ドレの特注「ポルシェ993ターボ」は、ニューヨークにオマージュを捧げた一台
エメ・レオン・ドレの特注「ポルシェ993ターボ」は、ニューヨークにオマージュを捧げた一台
LE VOLANT CARSMEET WEB

みんなのコメント

1件
  • ワゴンはライフになってから登場
    さらに有名ナノがステップバン
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

82.7112.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

65.0222.0万円

中古車を検索
シティの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

82.7112.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

65.0222.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村