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サイズも印象も7シリーズへ接近 BMW i5 eドライブ40へ試乗 エンジンかモーターを選べる新5シリーズ(2)

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サイズも印象も7シリーズへ接近 BMW i5 eドライブ40へ試乗 エンジンかモーターを選べる新5シリーズ(2)

従来的な5シリーズのように扱える

ドライビング体験に充足感を求め、落ち着いた3ボックス・シルエットのサルーンを欲するなら、新しいBMW i5は期待に充分応えてくれるだろう。スペインの一般道を数時間運転してみた結果、実際にそう思うことができた。

【画像】エンジンかモーターを選べる新5シリーズ BMW i5 競合クラスの電動サルーンと比較 現行G30型も 全106枚

i5は、メルセデス・ベンツEQEより快適で気持ち良く運転できる。軽くない車重を感じるものの、バランスに優れ、懐が深い。フロントに内燃エンジンを積んだ従来的な5シリーズのように、ステアリングホイールを扱え、アクセルペダルを踏める。

直進時の安定性は素晴らしい。反応は正確で、車線の中央を維持することも簡単だ。

i5全体の雰囲気は、BMW 7シリーズの豪華さと、3シリーズの躍動感の中間。従来的なポジショニングが保たれているが、7シリーズ側へ近づいている。

ボディサイズは先代のG30型から97mm長く、32mm広く、36mm高い。ボディシェルはかなり強固なようで、この印象はBMW i7と重なる部分だろう。

試乗車が履いていた21インチ・ホイールは、3000ポンド(約55万円)もするオプションだが、i5は見事な乗り心地を披露していた。目を閉じれば、Sクラスや7シリーズのようなフラッグシップ・サルーンに乗っていると思えるかもしれない。

フロア下に84.4kWhの駆動用バッテリーが敷き詰められ、5シリーズの中では重厚感は抜群。車重は2130kgあり、内燃エンジンの520iより425kg重いが、質量を利用してしっとりとした乗り心地を実現している。

5シリーズらしく紛れもない後輪駆動

路面変化による影響は限定的で、波長の長い揺れは最小限。極めてフラットに、様々な道を駆け抜けてみせた。細かな入力に対する処理も素晴らしい。コンチネンタル・タイヤのサイドウォールが3倍ほど厚いように、アスファルトの不整を均していた。

ただし、試乗車のi5 eドライブ40には、オプションのアダプティブ・サスペンション・プロフェッショナルが装備されていた。これは2種類用意される、電子制御サスペンションの1つで、ほかに短いスプリングが組まれるMスポーツ仕様がある。

標準サスペンションは、一般的なパッシブダンパー。これにも、車高の落ちるMスポーツ仕様がある。21インチ・ホイールとパッシブダンパーのMスポーツ・サスペンションは、同時に指定できないという。

アダプティブ・サスペンション・プロを指定すると、後輪操舵システムを実装できる。これにより、最小回転直径は3シリーズ並みに小さくなるから、市街地でも扱いやすさが増すだろう。

5シリーズらしさも受け継がれている。薄味ではあるが、操縦性には紛れもない後輪駆動感がある。ステアリングの反応は、適度な速さで好ましい。回生ブレーキの立ち上がり方も、感心するほど自然だった。

姿勢制御も素晴らしく、無駄がなく落ち着いている。スピード感を伴いながら、路面の感覚をドライバーへ伝えてくれる。

従来のような一体感までは得られていない

プラットフォームへ加えられた補強が、この印象を叶えている。i5では、フロント・サブフレームやサスペンション回りを強化。強固な駆動用バッテリー・シェルを活かし、リアのサブフレームはフロアパン側へ固定されてもいる。

とはいえ、ドライバーズカーとして評価すると、従来のような一体感までは得られていない。ボディは大きく重く、速度域が増してもひと回り縮んで感じることはなさそうだ。

アクティブ・アンチロールバーに後輪操舵、ブレーキによるトルクベクタリング、アダプティブダンパーなどの電子システムが、この質量を抑え込んでいる。コーナリング時の舞台裏は、大忙しに違いない。

ステアリングホイールには、ある程度の感触が伝わってくる。だが、大きな質量へ対応させるため、アシスト量は必然的に大きくなる。その過程で、明瞭さが若干失われている。フィードバックは、少し人工的に思えた。

EQEへ勝るインテリアの訴求力

インテリアデザインも、高級感では届いていないが、i7と似ている。ダッシュボードの中央部分は、ドライバーの方へ角度が付けられている。空間にはゆとりがあり、知覚品質は高い。訴求力では、メルセデス・ベンツEQEへ勝っていると思う。

ダッシュボードには、ドアパネル側まで続く「インタラクションバー」と呼ばれるアンビエントライトが仕込まれている。ここにはタッチセンサーも内蔵され、エアコンやパワーシートのインターフェイスにもなっている。

細かな機能は、タッチモニターを介して操作することになるが、センターコンソール上にはロータリーダイヤルも残されている。全体的な使い勝手は良好だった。

もちろん、リアシートはi7より狭い。前後長には充分な余裕があるものの、広大なわけではない。それでも、EQEよりは広いようだ。

内燃エンジン版とプラットフォームを共有するデメリットといえるのが、バッテリーEVには不要な、トランスミッショントンネルがキャビンの中央を貫いていること。中央の席は、従来どおり座りにくい。

i7より日常的に乗りやすいサイズで、お手頃な価格で、魅力的な運転体験をご希望なら、i5は期待通りのBMWになるだろう。一方で、従来的な5シリーズのバッテリーEV版をお望みなら、少し成長しすぎた印象を受けるかもしれない。

BMW i5 eドライブ40(欧州仕様)のスペック

英国価格:8万305ポンド(約1453万円)
全長:5060mm
全幅:1900mm
全高:1515mm
最高速度:191km/h
0-100km/h加速:6.0秒
航続距離:502-574km
電費:5.3-6.1km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:2130kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:81.2kWh
最高出力:340ps/8000rpm
最大トルク:40.8kg-m/0-5000rpm
ギアボックス:1速リダクション(後輪駆動)

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