現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【試乗】レーシングDNAを受け継いだゴルフ7GTIの集大成! 最強のTCRをワインディングで試す

ここから本文です

【試乗】レーシングDNAを受け継いだゴルフ7GTIの集大成! 最強のTCRをワインディングで試す

掲載 更新
【試乗】レーシングDNAを受け継いだゴルフ7GTIの集大成! 最強のTCRをワインディングで試す

 ベースモデルから60馬力もアップしたエンジン

 日本に上陸したゴルフとしては、史上最強のGTIがTCRである。TCRとはWTCR=ワールド・ツーリングカー・カップを意味する。世界のレース界では「GTカー」によるGT3及び、GT4カテゴリーが人気上昇中。

レーシングDNAを注入! 最強のVWゴルフGTI「TCR」が600台限定で発売

 WTCR=TCRは「ツーリングカー」をベースとしたレースで、世界各国でシリーズ戦が行われ盛り上がりを見せるカテゴリー。ゴルフ「GTI TCR」は、そのレース仕様TCRをモチーフにしたロードゴーイングモデルとして、限定600台で販売される。限定の文字に心躍るが、とくにGTIファンにとればパワーユニットと駆動系の違いから、走行特性をより大きく変化させることも含めて憧れの1台と言えそうだ。

 エンジンは型式Dで始まるDNU型で、レース用のベースにもなる4気筒2Lガソリンターボから、290馬力/5400~6500rpm、38.7kgm/1950~5300rpmのパワーとトルクを発生し、7速DSGを介して前輪で駆動する。

 標準の「GTI」のエンジンはCHH型で、230馬力/35.7kgmのスペックだから「TCR」はパワーで60馬力、トルクで3.0kgmそれぞれ上まわる。「GTIパフォーマンス」のエンジンはDJH型を搭載。これは245馬力/37.7kgmなので、それぞれ45馬力/1.0kgmとTCRが上まわる。

 なのだが数年前、姉妹誌CARトップで土屋圭市兄と筑波で乗り比べした「GTIクラブスポーツ」と、ふたりが口を揃えて“こっちがいい”と言わせた「ゴルフR」のパワーユニットが、GTI TCRを上まわる事実は何か!? 単純に考えて4モーション=4WDゆえに、車重で約90kg増加分をエンジンパフォーマンスで取り返す策である。ゴルフRのエンジン型式はDJX(DSG用でMTはCJX)。パフォーマンスはゴルフ最強の310馬力/5500~6500rpm、40.8kgm/2000~5400rpm(7速DSG用)を誇る。

 アンダーステアを感じさせないハンドリングはさすが!

 という余談はさておき、GTI TCRの魅力のひとつにアクラボヴィッチ社チタン製エキゾーストシステムによる、太く歯切れのレーシングサウンドがある。2輪、4輪のメーカーワークスチームがその性能と製造技術を認めるアクラボヴィッチ社の音色が、レスポンスをより鋭く感じさせているようにも思う。

 走行性能は235/35R19サイズのタイヤとそのグリップ力、エンジンスペックに合わせたサスペンションの引き締まった感覚が、最強のGTIに相応しい。乗り味は硬いと言えば硬い。とくに荒れた路面に対してリヤからのヒョコヒョコ上下振動は路面状況によって続くことはある。

 ショックアブソーバーの減衰特性をノーマル、コンフォート、スポーツと可変できる機能を使いこなせばある程度は抑え込めるが、まあそこもGTI TCRだと思えば、あばたもエクボで納得の範囲。やはりオーバー200km/hでのハンドリングや乗り味を重視すれば、こうなることは必然とも言える。

 ハンドリングは、旋回特性が明らかに変わった。試乗したのは山中湖周辺の峠道で、そこで電制油圧デフロックの威力は掴みにくいのだが、後日クローズドコースでパイロンスラロームを行った際には、明快な違いが感じ取れた。

 つまり前輪左右に生じる回転差を、イン側にブレーキ制御する“消極的”な方法ではなく、デフ内部のクラッチを“積極的”に使い左右の回転差を0~100%で制御できるデフロック=LSDをより緻密にコントロールできる感覚だ。

 パイロンスラロームの切り返しをコーナーの進入だと想定すると、GTI TCRは舵角を入れると同時にアクセルONしても前輪は外に逃げず、むしろ内側に向こうとする姿勢変化を抑える操作になった。つまり旋回中のアンダーステアが驚くほど出ないハンドリング特性。アクセルのON~OFFを多用するが、リヤはブレイクしない。つまり横方向にスライドしようとしない接地安定性はVWのポリシーなのだと思う。

 0-100km/hは5.6秒!! ゴルフGTI史上最速タイムはローンチコントロール・プログラムによる。

 ボディ色は欧州でいま流行りのグレー=ピュアグレーがTCR専用色。他にピュアホワイト、トルネードレッド、ディープブラックパールエフェクトの4色が用意される。ゴルフ7最後にして究極のGTIがTCRと言えることは間違いない。600台限定のプライスは509万8000円。限定の文字が踊る訳で、高いか買い得かは本人の価値感によるだろう。

関連タグ

こんな記事も読まれています

クルマを売るだけじゃ終わらない!? WILLプロジェクトってどんなだったの?
クルマを売るだけじゃ終わらない!? WILLプロジェクトってどんなだったの?
ベストカーWeb
機械屋の納品用トヨタ「ハイエース」に見るシンプルな荷室の作り方とは? 車中泊仕様に早変わりしそうなシックな車内を紹介します
機械屋の納品用トヨタ「ハイエース」に見るシンプルな荷室の作り方とは? 車中泊仕様に早変わりしそうなシックな車内を紹介します
Auto Messe Web
F1ドライバーもやっている「靴裏を拭いてから運転」は市販車でも重要! 梅雨の季節は危険も減らせる行為だった
F1ドライバーもやっている「靴裏を拭いてから運転」は市販車でも重要! 梅雨の季節は危険も減らせる行為だった
WEB CARTOP
【F1第10戦無線レビュー】際どいチームメイトバトルで接触のフェラーリ勢「カルロスが閉めた」「僕の方が前だったのに」
【F1第10戦無線レビュー】際どいチームメイトバトルで接触のフェラーリ勢「カルロスが閉めた」「僕の方が前だったのに」
AUTOSPORT web
「OPEN COUNTRY A/T III」が新型レクサス『GX』・トヨタ『ランドクルーザー250』の新車装着タイヤに採用
「OPEN COUNTRY A/T III」が新型レクサス『GX』・トヨタ『ランドクルーザー250』の新車装着タイヤに採用
レスポンス
ルクレール、SQ3コースイン直前に悪夢のようなエンジン停止。アタックラップ間に合わず痛恨10番手「チームにはガレージで話すと言われている」
ルクレール、SQ3コースイン直前に悪夢のようなエンジン停止。アタックラップ間に合わず痛恨10番手「チームにはガレージで話すと言われている」
motorsport.com 日本版
ホンダ新型「コンパクトミニバン」登場に反響多数!?「すごく良い」「優しいデザイン」8年ぶり全面刷新で燃費向上モデルも出た「フリード」発売
ホンダ新型「コンパクトミニバン」登場に反響多数!?「すごく良い」「優しいデザイン」8年ぶり全面刷新で燃費向上モデルも出た「フリード」発売
くるまのニュース
久しぶりに乗ろうと思ったら動かない!? 長期保管していたバイクの不調の主な原因とは
久しぶりに乗ろうと思ったら動かない!? 長期保管していたバイクの不調の主な原因とは
バイクのニュース
デロリアンDMC-12、現代EV技術で蘇る 218馬力、航続距離240kmの「電動スポーツカー」へ
デロリアンDMC-12、現代EV技術で蘇る 218馬力、航続距離240kmの「電動スポーツカー」へ
AUTOCAR JAPAN
高性能VW『ゴルフR』改良新型はワゴンにも設定…333馬力ターボ搭載
高性能VW『ゴルフR』改良新型はワゴンにも設定…333馬力ターボ搭載
レスポンス
父の「ハコスカ」に憧れて…「鉄仮面」を2台所有するマニアのフルオリジナル「スカイライン2000GT」の純正快適装備とは?「父と同じウェーバーキャブが目標です」
父の「ハコスカ」に憧れて…「鉄仮面」を2台所有するマニアのフルオリジナル「スカイライン2000GT」の純正快適装備とは?「父と同じウェーバーキャブが目標です」
Auto Messe Web
ヒョンデ・エラントラがニュル24時間でクラス優勝。IONIQ5Nはパイクスピークでタイムチャレンジ
ヒョンデ・エラントラがニュル24時間でクラス優勝。IONIQ5Nはパイクスピークでタイムチャレンジ
カー・アンド・ドライバー
警察庁、酒気帯び・「ながら」運転の自転車にも罰則、11月施行[新聞ウォッチ]
警察庁、酒気帯び・「ながら」運転の自転車にも罰則、11月施行[新聞ウォッチ]
レスポンス
バイクニュース今週のダイジェスト(6/24~28)
バイクニュース今週のダイジェスト(6/24~28)
バイクブロス
なぜ「雨の日に洗車」勧める? 無駄じゃない? ガソスタで声掛けするワケは? 雨で汚れは落ちないのですか?
なぜ「雨の日に洗車」勧める? 無駄じゃない? ガソスタで声掛けするワケは? 雨で汚れは落ちないのですか?
くるまのニュース
自己判断でETCをつけちゃダメ!? このウワサの真偽はいかに
自己判断でETCをつけちゃダメ!? このウワサの真偽はいかに
バイクのニュース
いまやドイツでは縦列駐車でバンパーをぶつけて停めるのはNGなんです!【池ノ内ミドリのジャーマン日記】
いまやドイツでは縦列駐車でバンパーをぶつけて停めるのはNGなんです!【池ノ内ミドリのジャーマン日記】
LE VOLANT CARSMEET WEB
現行シトロエンC3のファイナルを飾る限定モデル「C3メルシー!」が日本上陸
現行シトロエンC3のファイナルを飾る限定モデル「C3メルシー!」が日本上陸
カー・アンド・ドライバー

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

691.2792.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

20.0828.0万円

中古車を検索
ゴルフ Rの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

691.2792.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

20.0828.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村