偉大な国民車 8世代目のゴルフとは
text:Takuo Yoshida(吉田拓生)
【画像】いよいよ日本へ【新型ゴルフ日本仕様を詳しく見る/海外仕様とも比較】 全142枚
photo:Satoshi Kamimura(神村 聖)/Keigo Yamamoto(山本佳吾)
editor:Taro Ueno(上野太朗)
偉大なるビートルの跡を受け継ぐコンパクトカーとして1974年に誕生したフォルクスワーゲン・ゴルフ。
前輪駆動でハッチバックスタイルを基本とするゴルフは、デビュー以来3500万台以上の販売を記録し、Cセグメントのベンチマークであり続けている。
8世代目となる今回はプラットフォームこそ先代と同じMQBを使用するが、パワートレインは1Lの3気筒と1.5Lの4気筒とも48Vシステムのマイルドハイブリッド(VWとして初)となる。
またドライバーアシスタンス機能として210km/hまで対応する「トラベルアシスト」を標準装備。
スロットルやブレーキ操作のみならず、ステアリング操作もサポートしてくれるため、長距離ドライブの快適性と安全性が大いに高まるはず。
コロナ禍による生産の遅れなどにより、本国より2年ほど遅れて導入が開始される新型ゴルフ。その全容を確認しておきたい。
伝統に忠実、一目でわかる安心感
新しい衣装になったVWマークを中央に据えたフロントマスクと、初代から受け継がれてきた幅の広いCピラー。
新型も一目でフォルクスワーゲン・ゴルフとわかるスタイリングになっている。
寸法は先代に比べ全長こそ30mm長くなっているが、全幅は10mm、全高は5mm、ホイールベースは15mm短くなっている。
車体下も含め空力特性は徹底的に見直されており、Cd値は0.3から0.275まで減少している。
骨格部分はVWがセグメントの垣根をこえて用いるMQBであり、新型を象徴するライムイエローメタリックのカラーリングこそ新鮮だが、外観からではそこまで新しくなった感じがうかがえない。
だが日本市場でもコンスタントに2~3万台を売ってきたモデルであり、表面的な演出は不要なのだろう。
今年2月の発表から1月で1000台以上の予約が入ったという事実も「期待を裏切らないゴルフ」のイメージが定着していることを裏付けている。
内装、デジタル化されたインターフェイス
インテリアのキーとなるのは新型ゴルフが掲げた3つのコンセプトのうちの1つ「デジタル化」だ。
新型ゴルフのコクピットは、ステアリングスポーク上にこそスイッチ類が細かく散りばめられているが、ダッシュパネルやセンターコンソール上はいたってシンプル。
ドライバー正面の10.25インチパネルによるデジタルコクピットプロとダッシュ中央の10インチ・タッチスクリーンの2枚のパネルは見やすく並べられている。
ラジオやナビなどのインフォテインメントはeSIMによってオンライン・コネクティビリティ・ユニットと統合されており、より密接にドライバーと繋がることが可能になるという。
操作系も大きく変更されており、メーター横のライトスイッチはデジタルパネル化され、センターモニター下のタッチスライダーは指1本の操作で音量、2本でマップの縮尺が変わるなど直感的に操作できる。小型化されたシフトレバーもバイワイヤになっている。
先進運転支援システムを標準装備
フロントサスは全グレード共通だが、リアサスは2種類が用意されている。
エントリーグレードのアクティブがトーションビーム、上級モデルのスタイルとRラインは4リンクとなる。
ステアリングはアクティブとスタイルが先代より若干ダイレクトなレシオになったほか、Rラインにはロック・トゥ・ロック2回転のプログレッシブなシステムを装備する。
一方「ドライビングアシスト機能」は、先代の渋滞時から全車速追従にバージョンアップされたACCとレーンキープアシストの連携で構成される「トラベルアシスト」により実現。
ステアリング上のスイッチで操作し、あとはステアリングを握るだけで、渋滞時から巡航までリラックスしたドライビングが可能になっている。
新型ゴルフはこれらの先進運転支援システムが標準装備されるが、ライバルであるメルセデス・ベンツAクラスやBMW 1シリーズはすでに標準装備されている。
ここは日進月歩の分野だけに仕上がりが気になるところだ。
パワートレイン 全車マイルドハイブリッドに
エンジンは1.5 eTSIと1.0 eTSIの2種類。
どちらも型式はEA211evoだが4気筒と3気筒という違いがある。
また新型ゴルフのコンセプトでもある「電動化」に則り、どちらもBSG(ベルトスタータージェネレーター)を備えたマイルドハイブリッド・ユニットとなっている。
1L 3気筒ターボの最高出力は110ps、最大トルクは20.4kg-mで、これにモーターによる13psと6.3kg-mが追加されることになる。
ちなみに先代の最小ユニットだった1.2Lターボのデビュー当時(2013年)は105ps、17.8kg-m。新型は車重が70kgほど重くなってはいるので、新型パワートレインの評価はマイルドハイブリッドの電動ブースト効果によって決まることになりそう。
コースティングからのスムーズなエンジン再始動もBSGの仕事なる。
ギアボックスは7速DSGで、ステアリング裏のパドルでスポーティに操れる点も踏襲されている。
必須オプションはそこまで多くない?
前述のトラベルアシストやプリクラッシュブレーキシステムの「フロントアシスト」をはじめとする予防安全の重要なものはほぼ標準装備となっている。
純正のインフォテインメントシステムである「ディスカバー・プロ」パッケージは19万8000円のオプションで、エントリーモデルのゴルフeTSIアクティブ・ベーシック以外で選択可能。
つまりエントリーグレードは辛うじて200万円台のプライスタグを掲げているが、現実的な選択肢はeTSIアクティブより上ということになりそうだ。
また他のフォルクスワーゲン車にも用意されはじめたLEDマトリックスヘッドライト「IQ.LIGHT」や駐車支援システムなどを中心に構成されるテクノロジーパッケージ(16万5000円~20万9000円)も新型ゴルフを「らしく」乗るためには欠かせない装備といえる。
それらのオプションを追加してもまだAクラスや1シリーズといったライバルに対する価格的なアドバンテージはあるはずだ。
フォルクスワーゲン・ゴルフ8 全グレードと価格は?
新型フォルクスワーゲン・ゴルフのグレードと価格(消費税込み)は以下のとおり。
なお新型のグレードは以前のハイライン、トレンドライン、コンフォートラインといった従来の名称からアクティブやスタイルといったものに変更されている。
ゴルフeTSIアクティブ・ベーシック:291万6000円
ゴルフeTSIアクティブ:312万5000円
ゴルフeTSIスタイル:370万5000円
ゴルフeTSI Rライン:375万5000円
グレード別のスペックは?
新型ゴルフ(日本仕様)のスペックは以下のとおりになっている。
eTSIアクティブ・ベーシック
全長×全幅×全高:4295×1790×1475mm
ホイールベース:2620mm
車両重量:1310kg
エンジン種類:999cc直列3気筒ターボ
最高出力:110ps/5500rpm
最大トルク:20.4kg-m/2000-3000rpm
トランスミッション:7速DSG
燃費(WLTC):18.6km/L
駆動方式:FF
乗員:5名
eTSIアクティブ
全長×全幅×全高:4295×1790×1475mm
ホイールベース:2620mm
車両重量:1310kg
エンジン種類:999cc直列3気筒ターボ
最高出力:110ps/5500rpm
最大トルク:20.4kg-m/2000-3000rpm
トランスミッション:7速DSG
燃費(WLTC):18.6km/L
駆動方式:FF
乗員:5名
eTSIスタイル
全長×全幅×全高:4295×1790×1475mm
ホイールベース:2620mm
車両重量:1360kg
エンジン種類:1497cc直列4気筒ターボ
最高出力:150ps/5500-6000rpm
最大トルク:25.5kg-m/1500-3500rpm
トランスミッション:7速DSG
燃費(WLTC):17.3km/L
駆動方式:FF
乗員:5名
eTSI Rライン
全長×全幅×全高:4295×1790×1475mm
ホイールベース:2620mm
車両重量:1360kg
エンジン種類:1497cc直列4気筒ターボ
最高出力:150ps/5500-6000rpm
最大トルク:25.5kg-m/1500-3500rpm
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みんなのコメント
リアは代り映えしない。
フロントはどうしたの?って感じ。