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ホンダ「S660」終了でMT車がピンチ!? 存続が危惧される軽MT車の現状は?

掲載 更新 103
ホンダ「S660」終了でMT車がピンチ!? 存続が危惧される軽MT車の現状は?

■ホンダ「S660」生産終了で、軽MT車事情はどうなる?

 ホンダ「S660」が2022年3月をもって生産終了することが発表されました。

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 軽自動車でありながら貴重な2シーターオープンカーのS660は、660ccターボエンジンをミッドシップに搭載し、後輪を駆動するMRを採用。

 ワクワクするような走りと優れたハンドリング性能を実現したモデルです。

 2015年4月の発売から累計3万台以上を販売するなど根強いファンに愛されてきましたが、生産終了の理由に関してホンダは、「2022年以降の法規制(騒音・燃費・安全など)に対応出来ないため」と説明しています。

 そして、最後の特別仕様車となる「S660 モデューロX バージョンZ」が発売されるなど、1年後の終了へ向けてのカウントダウンが開始されました。

 S660はいまでは珍しいオープンカーであると同時に、絶滅が危惧されているMT車を設定するモデルでもあります。

 S660は軽自動車として初めて6速MTを搭載するなど、操る楽しさにもこだわったモデルでしたが、同車が生産終了となるとまたMT車が消えることになります。

 現在の軽自動車(乗用車)のMT車事情はどうなっているのでしょうか。

 S660が生産終了するホンダですが、同社の軽乗用車でMT車を設定するのは「N-ONE」のみとなります。

 2020年11月にフルモデルチェンジして2代目となった新型N-ONEは、ターボエンジン搭載の「RS」グレードに、CVTと6速MTを設定しました。

 初代モデルのデザインが多くのユーザーから愛されているため、スタイルの変更を最小限にとどめたN-ONEですが、その一方でプラットフォームとパワートレインを一新しています。

 2代目「N-BOX」から搭載されている新世代プラットフォームを採用することにより、高剛性で軽量なボディを実現。

 さらにこのプラットフォームは商用バンの「N-VAN」にMTを搭載することを前提に開発されたこともあり、新型N-ONEでも6速MTを設定することが可能になりました。

 トランスミッションはS660と同じものを搭載し、新型N-ONEはショートストロークでスポーティな走りが楽しめる、軽ホットハッチに仕上げました。

 なお、FFのターボ車に6速MTを組み合わせた軽自動車は、新型N-ONEが初めてとなります。

■スズキに軽MT車の選択肢が多いのはなぜ?

 S660のライバルともいえるダイハツ「コペン」は、初代モデルが2002年に登場。軽として初めてとなる電動ハードトップを備える2シーターオープンモデルとして人気を博しました。

 現行モデル(2代目)は2014年に登場。初代は丸みを帯びた可愛らしいスタイルでしたが、現行モデルは「ローブ」「エクスプレイ」「セロ」といったスタイルが選べる、個性派スポーツカーへと一新。

 さらに2019年10月には、第4のモデルとして「GRスポーツ」を追加。トヨタのモータースポーツ部門「TOYOTA GAZOO Racing」のノウハウを注入してスポーツ性能を高めたモデルが設定され、GRスポーツはトヨタでも販売されるという異例のコラボが実現しました。

 いずれもパワートレインは、660ccターボエンジンにCVTまたは5速MTが組み合わされます。

 オープンにする場合、S660は手動で屋根を外してボンネット内の格納スペースに収めるのですが、コペンは電動ルーフを備えていることからボタンひとつで屋根を開閉することができ、屋根はトランクスペースへ格納されます。

※ ※ ※

 荒れた路面や狭い林道などで本領を発揮する軽オフローダーのスズキ「ジムニー」は、660ccターボエンジンに、4速ATおよび5速MTを組み合わせています。

 現行モデルは2018年に20年ぶりにフルモデルチェンジした4代目。丸目のヘッドライトに無骨な四角いボディをもち、歴代モデルのモチーフが取り入れられました。

 さらに、ラダーフレームの採用や、FRレイアウトや機械式副変速機付きパートタイム4WDなどにより、悪路走行性を高めています。

 プロが使うだけでなく、ファッションとして購入する人も多いジムニーは大変な人気を得ており、納期が長くかかるクルマのひとつとされています。

 さらにスズキは、軽ホットハッチの「アルトワークス」に、5速AGSと専用開発のショートストロークの5速MTを設定しています。

 力強い加速を実現するターボエンジンや専用チューニングのサスペンションに加え、高いホールド性を発揮する専用レカロ製フロントシートを装着するなど、アルトワークスはスポーツ走行に特化したモデルだといえます。

※ ※ ※

 ホンダとダイハツはスポーティなモデルにMT車を設定していますが、スズキはジムニーやアルトワークスといった趣味性の強いモデルに加え、日常的に軽自動車を使用する人のためにもMT車を設定しています。

「アルト」の5速MT車は、エントリーグレードの「F」に設定されており、軽自動車としてもっとも安いダイハツ「ミライース」(86万200円)と同等の86万3500円という価格を実現。

 さらに「ワゴンR」は、2012年9月のフルモデルチェンジから遅れること3か月後の12月に、エントリーグレード「FA」に5速MT(109万8900円)を追加設定しました。

 アルトとワゴンRのMT車はお求めやすい低価格を実現したことに加え、AT車を運転することができない高齢ドライバーへの数少ない選択肢という側面もあるとされています。

 他社に比べて軽MT車が多いスズキですが、軽クロスオーバーSUVという新たなジャンルを開拓した初代「ハスラー」に設定されていた5速MTは、2代目へのフルモデルチェンジの際に廃止しました。

 軽自動車においても衝突被害軽減ブレーキや全車速追従機能付きACCといった機能が設定されることが当たり前になるなか、軽MTは今後の存続が危ぶまれる状況にあるといえそうです。

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みんなのコメント

103件
  • くるまのニュース、s660の記事ばかり毎日よく書くね、お腹いっぱいです。
  • MTとはいっても、昨今の車は最適にコンピュータ制御されてるところに無理矢理人間が割り込んでシフト操作しているという印象なので。本来の昔ながらのMT車なんてとっくに絶滅してるのではないですかね、
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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