第4世代のフォーミュラE参戦に初名乗り
電気自動車レースの最高峰「フォーミュラE」が日本に初上陸したことに加え、国内では初となる一般公道を使用した本格的な四輪レースの開催とあって、先ごろのABB FIA フォーミュラE世界選手権第5戦、2024東京E-Prixは大きな盛り上がりを見せた。
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2018-19年のシーズン5から日本の自動車メーカーとして唯一参戦する日産自動車は、初の地元凱旋レースを前に、今シーズンは第3戦のサウジアラビア・ディルイーヤE-Prixで22号車をドライブするオリバー・ローランド選手が3位表彰台を獲得したのを皮切りに、ブラジル・サンパウロで行われた第4戦でも同じく22号車が3位を獲得し好調だ。また、日産がパワートレインを供給するNEOMマクラーレン・フォーミュラEチームのサム・バード選手が同レースで優勝し、チームに参戦開始以来の初優勝をもたらすなど、日産はまさに勢いに乗った状態で東京へ凱旋した。
2024年3月30日の決勝を前に、日産は数々のプロモーションイベントを実施し、それまで決して知名度が高いとはいえなかったフォーミュラE、そして日産の参戦をアピールし盛り上げを行った。その一連のイベントのトリとなったのが、3月28日に行われた2030年までフォーミュラE世界選手権に参戦を継続するという発表だ。
すでに日産は2018-19年のシーズン5から2025-26年のシーズン12までフォーミュラEに参戦することを示していたが、使用マシンの変更が見込まれる2026-27年のシーズン13から2029-30年のシーズン16まで、じつに11シーズン12年間にわたる長期的なシリーズ参戦を表明した形となった。これは即ち、日産はフォーミュラEを通じて電動化技術をさらに前進させていくというメーカー自身の方針を表した格好ともいえる。
同時にこの発表は、現在シリーズに参戦しているコンストラクター(パワートレイン製造者)のなかでは、もっとも早く次期型マシン「ジェネレーション4(GEN4)」を使用するシーズンに参戦を表明したことにもなる。
日産自動車社長兼最高経営責任者の内田 誠氏は、継続参戦にあたり次のように語っている。
「フォーミュラEへ2030年まで継続して参戦することを大変嬉しく思います。フォーミュラEへの参戦は、ファンの皆さまにサーキットでの興奮とワクワクをお届けするだけでなく、Nissan Ambition 2030で掲げた電動化の目標達成に大きく貢献する重要な活動のひとつでもあります。レースで磨いた電動化の技術や知見は、将来のより良いクルマづくりにおいて大きな意味を持ちます。日産はワクワクするEVレースの未来とともに、持続可能な社会の実現を目指した取り組みを推進していきます」
記者会見では日産フォーミュラEのゼネラルマネージャー兼日産フォーミュラEチームのマネージングダイレクターであるトマソ・ヴォルペが、、FIA のシニア サーキット スポーツディレクターであるマレク・ナワレツキ、フォーミュラEの最高経営責任者であるジェフ・ドッズとともに、FIAフォーミュラE世界選手権のシーズン13から16までの公式登録書に署名した。
発表に際しトマス・ヴォルペは次のように語っている。
「フォーミュラEへの長期的な参戦を表明できたこと、2030年まで契約を結ぶ最初のメーカーとなったことを誇りに思います。Nissan Ambition 2030の実現を目指す日産にとって、フォーミュラEは最先端の電動化技術を開発し、常に成長し続けるための重要なプラットフォームです。チームは順調に成長し続けており、2023年に移転した私たちの拠点は、将来のシーズンに向けたマシンに適した最新設備が整っており、今後のさらなる成長に大きく貢献すると確信しています。フォーミュラEとFIAのサポートに感謝し、これからもともに協力し合えることを楽しみにしています」
これを受けてジェフ・トッズ氏は「日産と私たちは、グローバルに持続可能性を追求し、電動化を通じてクルマの最高の性能を実現するという価値観を共有しています。日産のようなグローバルなブランドがシリーズ開催国やその他の国において、大きな存在感を示すことは、より多くの観客にシリーズをアピールできるだけでなく、電動化技術の世界的な普及にも大きく貢献すると確信しています」と、日産に対する期待感を述べている。
それはFIAのマレク・ナワレツキ氏も同様だ。
「フォーミュラEに関する技術は驚くべきスピードで発展しており、この選手権も同様に急成長していることを誇りに思います。電動化技術のパイオニアとして、日産がフォーミュラEの次の時代へと歩みを進めることに驚きはありません。私たちの関係が今後も繁栄し続けることにワクワクしています」
最大出力250kWアップのGEN4マシンで電動化技術の開発を加速
では長期参戦が表明されたことで、日産ならびにフォーミュラEにはどのような変化があるのかみていきたい。
フォーミュラEで使用される車体は、全チーム共通のワンメイクシャシーだ。しかし、モーター、トランスミッション、それらの補機類においては、参戦メーカー独自の開発が可能になっている。
日産は長期の参戦発表により、現行の第3世代マシン「ジェネレーション3(GEN3)」だけでなく、2026-2027年のシーズン13から導入が予定される第4世代マシン「ジェネレーション4(GEN4)」においても、フォーミュラEを開発の舞台として革新的な電動化技術を推進するとしている。
なお、「GEN4」マシンではエネルギー効率がさらに向上し、回生量はGEN3の600kWから最大700kWに、最大出力は350kWから600kWへと、大幅な進化が見込まれている。
日産は2018-2019年シーズン5のフォーミュラE初参戦以来、活動を継続して拡大している。その一環として2023年にチームの本居地をパリに移転し、より優れた開発環境を整え、競争力を高めてきた。それと同時にフォーミュラEは、日産にとって市販車の電動化技術を開発する重要なプラットフォームのひとつになっており、長期ビジョンとして掲げる「Nissan Ambition 2030」の実現に向け、2024年度から2030年度の間に計34車種の電動車両を投入することを発表している。グローバルな電動車両のモデル構成は、2026年度に40%、2030年度には60%になる見込みだ。
日産は今後もフォーミュラEへの参戦を通じて、より多くの顧客に電気自動車を届け、よりクリーンで安全かつインクルーシブな社会の実現を目指したいとしている。
この発表の2日後、記念すべき初のフォーミュラE東京E-Prix開催日。予選ラウンドでは前戦までの好調さをそのままに、今大会だけの特別リバリーを纏う22号車のオリバー・ローランドが勝ち上がり、今シーズン初のポールポジションを獲得。
午後の決勝レースでは、レース大半をリードしながらもエネルギー消費量の調節のため一時2番手へ後退。そのままエネルギーをマネージメントしながらトップと1秒以内の僅差の攻防を展開。迎えた最終ラップで前を走るマシンへ果敢に挑むも、巧みなブロックラインにオーバーテイクまでには至らず2位でフィニッシュした。
しかし、混戦必至のフォーミュラEにおいて、3戦連続の表彰台獲得は殊勲に値し、その走りと攻防に場内は大いに盛り上がりを見せた。また、SNS上でも一時トレンド入りするなど、凱旋レースとして十分以上に見せ場を作ったといえる。
日産はフォーミュラEに参戦以来、勝ち星には恵まれていないものの、今シーズンは一種のブレークスルーを果たしたように見える。長期的な参戦確約は開発環境の安定・充実には必要不可欠な要素だ。日産のフォーミュラE初優勝、さらには年間チャンピオン獲得に期待が膨らむが、我々消費者として重要なのは、それらから得た技術によって一層ワクワクさせてくれるEV量産車が登場することだ。
フォーミュラEでの活躍と量産車へのフィードバックに期待したい。
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みんなのコメント
ちゃんと記事にしてやれよ、中韓ブランドのチームが大活躍してどのチームも寄せ付けなかったって。