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【インプレ】トライアンフ「タイガー1200XRT」(2021年)3気筒エンジンの個性と先進の装備が光る大型アドベンチャーバイク

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【インプレ】トライアンフ「タイガー1200XRT」(2021年)3気筒エンジンの個性と先進の装備が光る大型アドベンチャーバイク

トライアンフの技術的アイデンティティでもある3気筒エンジンを搭載したアドベンチャーモデル・タイガーシリーズの中でも、最も強力な1215ccエンジンを搭載したタイガー1200シリーズ。その中でも、スタンダードモデル的な存在がタイガー1200XRTだ。
文:濱矢文夫、小松信夫、アドベンチャーズ編集部/写真:柴田直行

トライアンフ「タイガー1200XRT」インプレ・解説(濱矢文夫)
気分やシチュエーションに合わせてライディングモードをアジャスト

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トライアンフのアドベンチャーでは最上位機種。電子制御技術などが急速に進化して先鋭化していく競争相手に負けないように多くの技術を投入した意欲的なオートバイ。タイガー1200には3種類ある。

ワイヤースポークホイールのXCAとデザートエディションはよりオフロード走行性能も高めたもので、このキャストホイールを履いたXRTは、オンロードでの使い方に主軸を置いたグランドツアラー的なモデルとなる。

トライアンフの代名詞と言える水冷直列3気筒エンジンは、ショートストロークの1215cc。141PSの最高出力は9350回転で、122Nmの最大トルクは7600回転で発生。3気筒というのもあって、リッタークラスのアドベンチャーの中ではトップクラスの高回転型だ。

5種類のライディングモードがあり各々で特性が違うけれど、2000回転を超えたところから8000回転を超えるところまで、概ねフラットに近いトルクが出てくる。

こういうところも市場のイニシアチブを取ろうと肩を並べ競っている他社機種と似た、扱いやすくて汎用性が高いアレンジだ。

それでも140PSオーバー。2気筒エンジンとは違う、滑らかさで素早く回転が上昇するから、加速に気持ちいい伸び感がある。実際にタイム計測したわけではないが、感覚的には高い速度に達するまでが早い。

低中回転域を使って実用的な速度で走る、いわゆる普段頻繁に使うゾーンでのエンジンマネイジメントも巧みだ。クルマで混雑した街中の道をノロノロと走っても唐突なところがなく、電子制御スロットルを右手で操作するライダーはナーバスにならずにすむ。

やっぱりオートバイのキャラクターを決めるのはエンジンだ。タイガー1200は直列3気筒エンジン独特のフィーリングがタイガーだけのオリジナリティを作り出している。スムーズとワイルドが共存した魅力。

スポーツモードにして、シフトアシストによりクラッチ操作なしで変速しながらアクティブに走ると、上昇していく速度に胸がすく。ハンドリングもドライ路面の舗装ワインディングでは、スポーツツアラーのような動きだ。リーンアングルをフルに使うような走りでもへこたれたところがなく、パワフルなエンジンの力を使いこなせる。

スポーツライディングを重要視しているのは独特もクセをほとんど感じられないシャフトドライブからもわかる。シフトアシストとの相性が良く、知っていなければシャフトドライブだと気が付かない人がいてもおかしくない。

ブレンボ製4ピストンモノブロックキャリパーとニッシン製ピンスライドキャリパーを使った前後のブレーキは強力かつコントローラブル。効きだけでなく効かせかたにも文句のつけようがない。

重要な持ち味として、WP製のセミアクティブサスペンションを採用していることをはずせない。フロントとリアのダンピングとリアプリロードを電子的に制御するもの。ライディングモードによって走りに明確な違いが出る。

他に切替式ABSやトラクションコントロールといったライダーを補助する装備も充実していて、幅広いライダーと走行シーン対応する。

高速道路では電動調整式スクリーンを高い位置にしてウインドプロテクションを高めると快適性が確実にあがる。足が長く背が高いけれど、路面のギャップやうねりは前後のサスペンションがいなし優れたスタビリティを発揮する。

だからクルーズコントロールを使っての走行でも、強い緊張感を持つこともなく、ライダーはそっとハンドルに手を添えて周りに注意しているだけで体力の負担は小さい。いつもの距離が短くなった気にさせる。他にもグリップヒーターや電源ソケット、LEDの補助ライトなど細かいところまでこだわった装備が盛り込まれており、フラッグシップアドベンチャーらしい豪華さだ。

どこでも、どこまででも快適で安全に走れるアドベンチャーの基本を大切にしながら、トライアンフ3気筒らしい刺激のある走りの醍醐味。誕生した頃は第三の選択のようだったタイガーが、今や主流として不足のないものに仕上がっている。

トライアンフ「タイガー1200XRT」各部装備・ディテール解説



フェイスデザイン

くちばし状のノーズや独特な形状のLEDヘッドライト、大型スクリーンによって印象的な表情を見せるフロントマスク。LEDフォグランプ、ハンドガードなどのアドベンチャーらしいディテールが、優れた機能性を予感させる。





ウインドスクリーン

防風効果の高い大型のスクリーンはクラス唯一の電動調整機構を備えている。好みや状況に合わせて手軽に高さを調整できる。



エンジン

最新スペックの1215cc水冷並列3気筒エンジンは、最高出力141PSを発揮し、分厚いトルクと合わせて269kgという巨体を軽々と走らせることが可能だ。その強力なパワーを幅広い場面で活かすため、4つのモードにカスタム設定できるライダーモードまでを備えるライディングモードも用意されている。



マフラー・リア足まわり

マフラーにはチタンやカーボンを使用した上質な作りのアロー製サイレンサーが採用されていて、軽量化にも大きく貢献。もちろんタイガーらしい独特の3気筒サウンドを奏でる。



フロント 足まわり

スタイリッシュなアルミ製キャストホイールや、WP製の調整式倒立フロントフォークをベースにしたトライアンフ・セミアクティブサスペンション(TSAS)を装備。フロントブレーキはブレンボ製のラジアルマウント・モノブロック4ピストンキャリパー+Φ305mmローター。統合ブレーキシステムで制御されるABSはオン・オフの切り替え可能。



スイングアーム・リアブレーキ

スイングアームは片持ち構造を採用。チェーンドライブではなく信頼性の高いシャフトドライブを採用しているので、そのスイングアーム内部にドライブシャフトが内蔵されている。リアブレーキはニッシン製キャリパーにΦ282mmローターという組み合わせだ。



リアサスペンション

リアサスペンションもフルアジャスタブルのWP製を採用していて、路面状況に応じて常にコントロール性と快適性を発揮できるようにトライアンフ・セミアクティブサスペンション(TSAS)でコントロールされている。



ハンドル

左右に大きく張り出した大容量の燃料タンクの前方に装着されているのは、強度の高さと適度なしなりを備えるテーパーハンドルバー。スクリーンの大きさが真後ろから見ると良くわかる。



メーター

5インチサイズのフルカラーTFT液晶パネルを使用したメーターパネル。速度や回転数、燃料残量、走行距離などの多彩な情報を見やすくわかりやすく表示するのと同時に、バックライト付きスイッチを介してライディングモード、クルーズコントロールなど様々な電子制御デバイスや機能の設定にも活用される。



燃料タンク

燃料タンクの容量は20L、アドベンチャーツアラーには欠かせない長大な航続性能を備えている。ライダーとの一体感を高められるように複雑な形状となっている。



シート

ライダー側、タンデム側に分割されたデザイン、大きなサイズ、クッションも厚いシートでシートヒーターまで備え、快適性抜群で長時間走行でも安心。ライダー側のシート高は835mmと855mmの2段階に、ライダーのスタイルや好みによって調整できる構造となっている。



テールまわり

特徴的なデイタイムランニングライト(DRL)をはじめとするフルLEDライト化で安全性を確保。

トライアンフ「タイガー1200XRT」主なスペックと価格
[ 表が省略されました。オリジナルサイトでご覧ください ]

文:濱矢文夫、小松信夫、アドベンチャーズ編集部/写真:柴田直行

[ アルバム : 【写真19枚】トライアンフ「タイガー1200XRT」 はオリジナルサイトでご覧ください ]

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