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【最新モデル試乗】一段とスタイリッシュ&タフに変身! 観音開きのフレンチワゴン、ルノー・カングーの道具感覚

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【最新モデル試乗】一段とスタイリッシュ&タフに変身! 観音開きのフレンチワゴン、ルノー・カングーの道具感覚

新型は黒バンパー&スチールホイールが凛々しい

 日本で最も親しまれているフランス車の1台、ルノー・カングーが、3代目にモデルチェンジした。ヨーロッパでは廉価版をエクスプレスという独立した車種として分離。カングーは従来以上に上級移行を目指している。

新型ルノー・カングーの販売開始が本年3月2日に決定。発売記念モデルのプルミエール エディションも用意

 造形は、最新ルノー・デザインの流れに沿ったイメージ。新型は、現在チーフデザイナーを務めているローレンス・ヴァン・デン・アッカー氏のもとで生まれた初のカングーである。曲面を多用した親しみやすいフォルムだった過去2世代とは対照的に、直線基調の機能主義的なスタイリングに変身した。リアゲートは従来どおりの観音開き。日本のユーザーニーズを考慮しての採用だという。新型カングーの乗用車仕様で観音開きが用意されるのは日本だけ。日本マーケットを重視している姿勢がうかがえる。

 プラットフォームはルノー/日産/三菱アライアンスが開発した新世代のCMF-C/Dを使用し、各部をカングーに合わせて新設計した。定評の快適性はそのままに、ステアリングのギア比をクイックにし、サスペンションはロールを抑えるなど、ハンドリングのレベルアップを図ったと説明された。

 ラインアップは充実している。1.3リッターターボ(131ps/240Nm)のガソリンと、1.5リッターディーゼルターボ(116ps/270Nm)の2つのパワーユニットを、7速DCTとのコンビで設定。両エンジンで、ブラックバンパーが特徴のクレアティフと、ボディ同色バンパーのインテンスが選べる。それ以外にベースグレードとして、ガソリン車にゼン(受注生産)を用意した。

 ボディサイズは全長×全幅×全高4490×1860×1810mm。全長は210mm伸びたものの、全幅は30mmの拡大にとどまっており、シャープなフォルムのおかげもあって、大きくなった印象はあまり受けない。むしろ低めのノーズ、傾いたウインドスクリーンなど、ワゴンらしさが高まったというイメージだ。

 キャビンも一新している。インパネは外観同様、クールな雰囲気になった。メーターはルーテシアやキャプチャーに似たデジタル表示になり、ステアリングにはテレスコピック機構をプラス、オートエアコンがデュアルになった点も注目だ。質感は旧型から飛躍的にアップしており、最新のヨーロッパ車レベルに達している。パーキングブレーキが電気式になったおかげで、センターコンソールが使いやすくなるなど、使い勝手への配慮も感じることができた。

 シートは旧型と比べるとしっかりとしている。ルーテシアやキャプチャーの感触に近づいた。リアは頭上のストレージボックスがなくなったのは残念だが、シートの座り心地はフロントと遜色ない。ラゲッジスペースが広くなったこともポイントである。荷室容量は定員乗車時でも旧型比で115リッター広い775リッター、驚くべき空間を持つ。伝統の観音開きと相まって、アウトドアシーンなどでの使いやすさはさらに高まった。

どこかに出かけたくなる! 行動派にぴったりのマルチユースワゴン

 走りはスムーズでたくましい。ガソリンエンジンは旧型の1.2リッターターボから、ルーテシアなどでおなじみの1.3リッターターボに変更。車両重量は旧型比で少し重くなったが、組み合わされるDCTが6速から7速になったため、加速は不満ない。街中も高速も得意だ。

 パワーは、1.5リッターディーゼルターボのほうが余裕がある。トルクが太いので回転を上げずに走れるうえに、静粛性も上々。ディーゼルのほうが快適だと思うユーザーが多いかもしれない。
 トランスミッションはDCTらしく、レスポンスがキビキビしている。新型はクラッチを乾式から湿式に変えた効果もあって唐突感がなく、リラックスしてクルージングを続けることができた。

 乗り心地は、旧型比で固くなった。ルーテシアやキャプチャー、アルカナなど最近のルノー各車に近いフィーリングで、スピードを上げていくにつれ、ゆったりした周期の揺れに変わり、フラット感が増していく。高速道路での直進安定性は、ルノーの例に漏れず盤石。どこまでも走っていけそうな気になる。そんなシーンで活躍するのが、充実した先進運転支援システム。ロングクルージング能力は飛躍的に高まった。

 ハンドリングは、モデルチェンジで大きく変わった。インポーターからの説明のとおり、ステアリングの反応はクイックで、ロールは抑えられており、背の高さを忘れて自然に曲がっていける。旧型も見た目から想像する以上の走りの持ち主だったが、新型はドライバーズカーと表現したくなるほど、リニアな身のこなしだった。

 走り味はガソリンとディーゼルでやや印象が異なる。90kg軽いガソリンのほうが乗り心地はマイルドで、身のこなしは軽快。対するディーゼルは、重厚で落ち着いていた。

 カングーはヨーロッパでは商用車としても多く使われている。日本ではレジャーのパートナーとして親しまれているが、生まれ故郷では仕事の相棒としても鍛えられてきた。新型は、このクルマの根っこにある骨太な部分を、いままで以上に感じた。乗用ワゴンとして快適で楽しく、ガンガン使ってもへこたれないタフなプロツール。新型はそんなキャラクターを鮮明にしている。

ルノー・カングー主要諸元

グレード=クレアティフ(ガソリン)
価格=7DCT  395万円
全長×全幅×全高=4490×1860×1810mm
ホイールベース=2715mm
トレッド=フロント:1580/リア:1590mm
車重=1560kg
エンジン=1333cc直4DOHC16Vターボ(無鉛プレミアム仕様)
最高出力=96kW(131ps)/5000rpm
最大トルク=240Nm(24.5kgm)/1600rpm
WLTCモード燃費=15.3km/リッター(燃料タンク容量54リッター)
(WLTC市街地/郊外/高速道路:12.2/15.5/17.0 km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:トーションビーム
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=205/60R16+スチール
駆動方式=FF
乗車定員=5名
最小回転半径=5.6m

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みんなのコメント

3件
  • 記述される美点は納得、後は価格が上等な道具感になった点が残念です。旧型が安すすぎたのもありますが、もう少し気楽な道具感に設定されたら嬉しかったです。見積り取ったら480とかでした。400くらいに収まらないかと勝手な希望です(^^)
  • 壊れやすいミッション辞めてMTはよ
    ディーゼルは1.8にしてくれ化石のようなエンジンじゃなく
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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