レクサス並の価格になる!? パジェロスポーツが日本未上陸のワケは高すぎる価格か？

　本格オフローダーとして人気を集めた三菱パジェロ。日本では2019年に消滅してしまったが、海外市場でパジェロブランドはいまだに健在。ここでは、東南アジアを中心に人気となっているパジェロスポーツの魅力を紹介するとともに、日本市場には導入されない理由を考察をしていく。

文／萩原文博、写真／MITSUBISHI、ベストカーWeb編集部

■三菱「パジェロ」はSUVの代名詞だったが…日本では生産終了

2019年8月に惜しまれつつ国内販売が終了したパジェロ

　1980年代には、RV（現在のSUV）の代名詞となるほどの人気を誇った三菱パジェロ。2019年8月に日本国内向けモデルの生産終了に続き、2021年8月末をもって海外向けの生産も終了した。

　しかし、現在でも海外市場において“パジェロ”ブランドは健在で、世界戦略車として高い人気を誇っているのだ。パジェロで培った高い悪路走破性と信頼性・耐久性を継承し、さらに快適性・機能性を兼ね備えたミッドサイズSUV、それがインドネシアで製造されているパジェロスポーツだ。

　ここではパジェロスポーツの車種紹介、そして日本市場には導入されないのかを考察してみたい。また日本で並行輸入して販売しているショップがあるのかどうか調べみた。

■インドネシアでヒット！ パジェロスポーツはアウトランダーよりも大きいワケ

2015年に登場したミドルサイズSUVの3代目パジェロスポーツ

　一部の国・地域ではモンテロスポーツというネーミングで販売されているパジェロスポーツ。そのルーツは、かつて日本でも販売されていたSUVのチャレンジャーで、3代目となる現行モデルは2015年に登場している。

　3代目パジェロスポーツの世界累計販売台数は、2021年1月までに34万800台を達成。生産しているインドネシアでは約8万9000台を販売しているヒットモデル。このパジェロスポーツが2021年2月に大幅改良を行っている。

　パジェロスポーツのボディサイズは全長4825mm×全幅1815mm×全高1835mm。ホイールベースは2800mmという室内空間には7人乗りの3列シートがレイアウトされている。

　日本で販売されているアウトランダーPHEVと比較すると、全長は125mm、全高は90mmパジェロスポーツが大きい。そのいっぽうで全幅は45mmもスマートとなっている。このナローとも言えるボディ形状はアジア市場の道路環境を考慮したものだ。

　搭載されているエンジンは、最高出力181ps、最大トルク430Nmを発生する2.4L直列４気筒ディーゼルターボの1種類。組み合わされるトランスミッションは8速ATとなっている。

　駆動方式は、スーパーセレクト4WD II。後輪駆動の2WDモードから4WDローモードの4つのモードか路面状況に合わせて選べる。そのうえ、リアデッファレンシャルロックモードも用意している本格派だ。先進の安全装備は、アダプティブクルーズコントロール（ACC）をはじめ、衝突被害軽減ブレーキのFCMなど5つの機能を搭載している。

　外観は、三菱のフェイスデザインコンセプト「Dynamic Shield」をさらに進化させ、高級オフロードSUVにふさわしい、堂々とした力強さと、ダイナミックなパフォーマンス感を演出。フードとヘッドランプの位置を上げることにより自信のある顔つきとしている。

　インテリアは、高いセンターコンソールからインストルメントパネルに繋がる金属調フレームをベースとしたデザインを継承。また、8インチのカラー液晶メーターを採用し、モダンな雰囲気を演出している。

　快適装備はApple CarPlay対応のディスプレイオーディオをはじめ、12.1インチのリアエンターテイメントシステム。デュアルゾーンオートマチックエアコンなど国内販売車に見劣りしない充実振りだ。

■円換算では510万円以上！ 日本市場への導入にコストが高い理由とは

3列シートを備えるパジェロスポーツのインテリア

　パジェロスポーツのタイでの車両本体価格は、129万9000バーツから167万9000バーツ。日本円に換算すると、エントリーグレードの2.4GT2WDが、約511万8060円（1円＝3.94バーツ）。最上級グレードの2.4GTプレミアム4WDエリートエディションが約661万5260円となっている。

　2.4Lディーゼルターボエンジンを搭載した3列シートSUVのパジェロスポーツ。日本で販売されれば、それなりに需要はあるように思える。しかし、なんと言ってもネックは価格だろう。

　タイでのパジェロスポーツの約511万8060～約661万5260円という車両本体価格は、日本市場ではアウトランダーPHEVの3列シート車よりも高い。

　また、同じディーゼルターボエンジンを搭載した3列シートSUVのマツダCX-8と比較しても、最上級グレード同士で比較すると200万円もパジェロスポーツのほうが高くなっているのだ。

　パジェロスポーツは現在、インドネシアで生産しているので、タイより日本のほうが船代も高くなるので、価格差がさらに広がってしまう。一世を風びしたパジェロブランドとはいえ、この価格では日本市場では全く勝負にならないはず。したがって日本市場に導入しないのだと考えられる。

■日本導入は厳しい!? パジェロスポーツは国内で買えるのか？

日本国内ではアウトランダーPHEVを中心に電動化を推し進めている。パジェロスポーツの日本導入は厳しそう

　また、三菱は日本国内においてはアウトランダーPHEV、エクリプスクロスPHEVにより、電動化をリードしている企業というイメージを強めている。そういったイメージ戦略でもディーゼルターボエンジンを搭載するパジェロスポーツは合わないし、ランドクルーザーに敗北したパジェロのイメージを少しでも早く脱却したいと考えているのではないだろうか。

　日本国内で、パジェロスポーツを手に入れることはできるのかをネットで検索してみた。そうすると、神奈川県港北区にパジェロスポーツを並行輸入している販売店を発見した。

　2020年当時の車両本体価格＋諸費用の乗り出し価格は約605万8000円～約698万5000円だった。これはレクサスRXも手に入る価格帯となっており、国産SUVの中ではかなり高いレンジとなっている。

　たしかに逆輸入したインフィニティのSUVは一定のファンがいるが、パジェロスポーツにそれほどのファンがいるのかは疑問。ここは日本市場では絶版となったパジェロブランドが、世界ではまだ活躍しているのだと温かい目で応援するのが良いだろう。

Comments

そもそもパジェロ自体が日本で売れんから販売終了したのに
この記事書いたやつは寝ぼけてんのか？

タイ価格が高いのは税金でですよ
そしてcx8の価格との比較では日本価格になってますけどcx8も160から220万bなんですが
とても精度の低い記事だな-