遅咲きのバイクデビューから、世界最高峰の舞台へ
2005年に公開された(日本では2007年)映画『世界最速のインディアン』の舞台となったのは、アメリカ・ユタ州に広がる広大な塩の平原「ボンネビル・ソルトフラッツ」です。この真っ白な平原では、100年以上前から最高速度への挑戦やレースが開催されてきました。現在もいくつかのランドスピードレースが行われていますが、その中で最も伝統があるのが「ボンネビル・スピードウィーク」です。映画『世界最速のインディアン』の主人公であるバート・マンロー氏が記録を樹立したのも、この大会でした。
【画像】「塩の平原」ってどういうコト? 世界最速への挑戦が繰り広げられる舞台を画像で見る
ランドスピードレースは主催団体や認定団体によって細かな違いがありますが、基本的には2~5マイルの加速区間で最高速度に到達し、1マイルの計測区間で速度を測定します。その後、加速区間と同程度の距離を使って安全に減速します。そのため、コースの全長は最長で11マイル(約17.6キロメートル)にも及びます。
クラスは排気量、車両の仕様、エンジンのタイプ、カウルの有無、過給機の有無などによって細かく分類され、各クラスごとに最速記録が設定されます。
1967年、当時68歳のバート・マンロー氏は、1920年製のインディアン「スカウト“マンロー・スペシャル”」(S-A1000ccクラス)で時速296キロメートルの記録を樹立しました。この記録は現在でも破られていません。
ボンネビルに挑戦した日本人も少なくありません。バイクでは、宮崎敬一郎氏がカワサキ「ZZR1100」で、宮城光氏がホンダ「CB750Four KIYO’s special」で出場しています。
また、アメリカ在住の小磯博久氏は、自ら製作したハーレーをベースにしたランドスピードマシンで、時速398キロメートルを記録し、FIM世界記録を獲得しました。
そしてこの夏(2015年)に開催されるボンネビル・スピードウィークに、新たに日本から挑戦する女性ライダーが現れました。日本を代表するバイクであるホンダ「スーパーカブ」で、世界最速に挑戦する黒木伴井(くろきともえ)さんです。
黒木さんは現在52歳で、49歳のときに突然思い立ち、バイクの免許を取得し、ヤマハ「SR400」に乗り始めました。主に千葉県内を走行されている黒木さんですが、オフロードにも挑戦してみたいと友人に話したところ、「どうせなら本場のトレイルライドを体験しよう」と勧められ、アメリカのオフロードの聖地・ユタ州モアブを訪れました。
ここで初めてダート走行を経験した際、現地で知り合った人に勧められ、ちょうど開催されていた「ボンネビル・スピードウィーク」を観戦することになりました。
広大な白い平原で、最高速度に挑む人々の姿を目の当たりにし、すっかり魅了された黒木さんですが、とくに、年配の女性がスタート地点から走り出し、地平線に向かって加速していく姿に感銘を受けて「私もここを走る」と決意しました。
帰国後、その夢を実現させるために黒木さんの友人や知人が、日本の女性が世界のモータースポーツに挑戦することをプロモーションする団体として「LSA」を立ち上げ、同時に、日本の優れた製品や技術を世界に向けて発信する目的も掲げました。その一環として、日本が誇る工業製品の代表とも言えるホンダ「スーパーカブ」での参戦を決定しました。
使用する「スーパーカブ」は最新モデルではなく、1958年に発売されたOHV50ccエンジンを搭載した「C100」を最高速度仕様にモディファイしたものです。
参加クラスは「M-PBG/50」です。「M」は「Modified」で、エンジンとフレームの一部を改造できます。「P」は「Pushrod」で、OHVエンジンです。「B」は「Blown」で、スーパーチャージャーやターボチャージャーなどの過給機が搭載されます。「G」は「Gasolin」で、燃料にガソリンを使います。そして「50」は排気量50cc以下という意味です。
また、LSAの2026年の活動として、三菱の軽自動車でスピードウィークに挑戦する塚本ナナミさんも、セカンドライダーとして参戦します。
黒木さんは4人のお孫さんを持ち、生花の指導者としても活動されています。そんな黒木さんが、日本人女性として初の世界記録保持者を目指し、広大な塩の平原を疾走する姿に期待が高まります。
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みんなのコメント
夢だけじゃなくて現地で走る事を実現さるのも更にカッコいいね!!
余談ですが、ケント・デリカット氏が「ユタは田舎じゃないよ!」と言っていたのが懐かしい。