現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 名前を捨てたランドクルーザー250はどうなる? ファンの心をガッチリ掴んでいた前身の「プラド」4代の歴史を振り返る

ここから本文です

名前を捨てたランドクルーザー250はどうなる? ファンの心をガッチリ掴んでいた前身の「プラド」4代の歴史を振り返る

掲載 10
名前を捨てたランドクルーザー250はどうなる? ファンの心をガッチリ掴んでいた前身の「プラド」4代の歴史を振り返る

 この記事をまとめると

■ランクルのなかでは「ライトデューティー」なイメージとして販売されていたランドクルーザー プラド

「日本最強」いや「世界最強」の呼び声も高い「ランクル」と「ジムニー」の悪路走破性が凄すぎた!

■初代70系のライバルはパジェロだった?

■最後のプラドは最高のリセールバリューを誇るため人気は高い

 ランクルのライトデューティー版として登場したプラド

 グループ内の不正行為により当初の予定からは延期されているが、新型ランドクルーザー250の発売が始まる予定だ。

 あらためて整理するとランドクルーザー250の、「ランドクルーザー」ファミリー内における立ち位置は『ライトデューティー』となっている。フラッグシップであるランドクルーザー300は「ステーションワゴン」、再販売が始まっているランドクルーザー70は「ヘビーデューティー」というのが、トヨタの公式見解だ。

※https://toyota.jp/landcruiserprado/brandhistory/

 ご存じのように、ランドクルーザー250というのは先代モデルまでは「ランドクルーザープラド」と名付けられていた。そしてプラドといえば、「リセールバリューがナンバーワンモデル」という印象を持っている人も多いだろう。ランドクルーザー250も、その伝統を受け継ぐことは確実と思われている。はたして、プラドは誕生当初から人気モデルとなることが約束されていたのだろうか。

 初代プラドが誕生したのは1990年4月。歴代モデルは型式に由来する数字で区別されるが、このときのモデルは「70系」と呼ばれていた。そう、ランドクルーザーのルーツであり、ヘビーデューティーを担う70系をベースにしたライトデューティー版として誕生したのが初代プラドであった。

 当時の日本市場において、この手のクロカン4WDとしては「三菱パジェロ」が絶大な人気と知名度を誇っており、ほかにも「いすゞビッグホーン」という人気モデルもあった。

 初代プラドに対するユーザーの正直な印象としては、「トヨタがパジェロやビッグホーンのライバルモデルをあとから出してきた」というものだった。素性としてはヘビーデューティーな70系であって、クロカン性能はともかく、乗用テイストとしては「後出しなのにライバルをキャッチアップできていない」という評価を受けていたとも記憶している。

 ランクルの派生車ではなく「プラド」としての立ち位置を確立

 そんなプラドの評価がグッと高まったのは、1996年5月にフルモデルチェンジした2代目90系プラドだ。トップグレードに3.4リッターV6ガソリンエンジンを搭載するなどラインアップを充実させた。筆者として印象に残るのはTRC(トラクションコントロール)やVSC(ビークルスタビリティコントロール)といった電子制御を積極的に採用したこと。これによりヘビーデューティーの70系とは明確にキャラクターをわけ、クルマが信頼性の高い走りを担保するといった「プラドらしさ」をユーザーが認識するようになっていった。

 日本では2002年10月に発売開始となった3代目120系プラドは、スタイリングの面でも乗用テイストを強めたのが進化ポイント。後期型ではガソリンエンジンのトップグレードには4リッターV6エンジンを搭載するなどクロカンでありつつ、ステーションワゴン的な乗り味も追及していった。走破性の面では十分にランドクルーザーとしての期待を満たしてくれる性能ではあったが、欧州的なクロスオーバーSUVとしての評価軸でも高ポイントを得られるモデルへと進化したことで「プラド」というブランドを確立した。

 そして2009年9月、4代目であり最後のプラドとなる150系が誕生する。4リッターV6ガソリンエンジンといったパワートレインやシャシー設計などは120系から踏襲しつつ、スタイリングの押し出し感を強めることで、現在のプラド人気を作り上げた。モデルライフは長かったが、V6ガソリンエンジンが消滅するのにかわり、2.8リッター直4ディーゼルエンジンと6速ATを組み合わせたパワートレインを追加設定したり、先進安全システム「トヨタセーフティセンス」を搭載したりするなど、ユーザーニーズに応える進化を遂げることでプラドのバリューを不変のものにしていったのも150系では印象深い。

 と、まあ駆け足でランドクルーザープラド4世代の歴史を振り返ってみた。あらためて思うのは初代モデルのライバルだったパジェロやビッグホーンといったモデルが消えていくなかで孤軍奮闘しつつ、しかし確実に進化してきたことで、「プラド」という独自のブランドを確立してきたことだ。はたして、そのネームバリューを捨て、ランドクルーザー250とした判断が正しいのかどうか……。それは市場が決めることだろう。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

「オフロードのニュルブルクリンク」も難なくクリア! ジープ・ラングラー アンリミテッド ルビコン10周年特別仕様車の走破性に驚愕!【10年前の再録記事プレイバック】 
「オフロードのニュルブルクリンク」も難なくクリア! ジープ・ラングラー アンリミテッド ルビコン10周年特別仕様車の走破性に驚愕!【10年前の再録記事プレイバック】 
ベストカーWeb
若者と次世代モビリティを語れ!! 実録[東京モビリティ会議2024 withベストカー]
若者と次世代モビリティを語れ!! 実録[東京モビリティ会議2024 withベストカー]
ベストカーWeb
中古感ゼロ!! なんと100万円台で買える[王道ミドルサイズミニバン]先代モデル3選
中古感ゼロ!! なんと100万円台で買える[王道ミドルサイズミニバン]先代モデル3選
ベストカーWeb
シビックタイプRのエンジンをフォーミュラカーに移植したってさ 鈴鹿サーキットでテストしたマシンの正体
シビックタイプRのエンジンをフォーミュラカーに移植したってさ 鈴鹿サーキットでテストしたマシンの正体
ベストカーWeb
悔しいトラブルでトップから脱落……速さはあるSPOON リジカラ CIVIC!! スーパー耐久第6戦はどうなった!?
悔しいトラブルでトップから脱落……速さはあるSPOON リジカラ CIVIC!! スーパー耐久第6戦はどうなった!?
ベストカーWeb
ポールから完勝の太田「記録に残らず歯がゆい気持ちがあった」。坪井「油断したら何かが起きる」【第8戦決勝会見】
ポールから完勝の太田「記録に残らず歯がゆい気持ちがあった」。坪井「油断したら何かが起きる」【第8戦決勝会見】
AUTOSPORT web
衝撃の300万円で登場? ちょうどいいEV=[ヒョンデ インスター]は今度こそ日本車キラーになれるのか!?
衝撃の300万円で登場? ちょうどいいEV=[ヒョンデ インスター]は今度こそ日本車キラーになれるのか!?
ベストカーWeb
好調の金曜から一転、想定外の『1.3秒』とペースに苦戦。山本尚貴、ラスト1戦は「諦めないベストの走りをしたい」
好調の金曜から一転、想定外の『1.3秒』とペースに苦戦。山本尚貴、ラスト1戦は「諦めないベストの走りをしたい」
AUTOSPORT web
Jujuと可夢偉が2度の本気バトル。接触スレスレでレース後も白熱「“激”幅寄せをされた」「ちょっとどうなの?」
Jujuと可夢偉が2度の本気バトル。接触スレスレでレース後も白熱「“激”幅寄せをされた」「ちょっとどうなの?」
AUTOSPORT web
ポルシェ・タイカン 詳細データテスト 952psへ強化 進化したバッテリー 快適なアクティブサス
ポルシェ・タイカン 詳細データテスト 952psへ強化 進化したバッテリー 快適なアクティブサス
AUTOCAR JAPAN
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第16戦鈴鹿は野中誠太が僅差で荒尾創大を下し今季4勝目
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第16戦鈴鹿は野中誠太が僅差で荒尾創大を下し今季4勝目
AUTOSPORT web
20歳女子がスズキ「キャリィ」でデイラリー初参加! コ・ドライバーの父親と一緒に、奈落の底の絶望から奥の深いラリーを楽しみました
20歳女子がスズキ「キャリィ」でデイラリー初参加! コ・ドライバーの父親と一緒に、奈落の底の絶望から奥の深いラリーを楽しみました
Auto Messe Web
運命を分けた赤旗後の3分間とタイトル脱落。食い違う野尻智紀と太田格之進、決勝では異次元の速さ
運命を分けた赤旗後の3分間とタイトル脱落。食い違う野尻智紀と太田格之進、決勝では異次元の速さ
AUTOSPORT web
最新 BMW M5へ試乗 2024年へ再解釈されたスーパーサルーン! 727psのプラグインHV
最新 BMW M5へ試乗 2024年へ再解釈されたスーパーサルーン! 727psのプラグインHV
AUTOCAR JAPAN
波乱のレースでライバル圧倒、太田格之進が今季初優勝。王者争いは坪井翔と牧野任祐の一騎打ちに【第8戦決勝レポート】
波乱のレースでライバル圧倒、太田格之進が今季初優勝。王者争いは坪井翔と牧野任祐の一騎打ちに【第8戦決勝レポート】
AUTOSPORT web
2024年版 世界最高峰のハイパーカー 「速さ」の限界に挑む "夢" の超高性能車 10選
2024年版 世界最高峰のハイパーカー 「速さ」の限界に挑む "夢" の超高性能車 10選
AUTOCAR JAPAN
腐っていたフィアット「500L」をターボ化とボアアップでフルカスタム! 底突きするサスペンションを室内にセットした理由とは
腐っていたフィアット「500L」をターボ化とボアアップでフルカスタム! 底突きするサスペンションを室内にセットした理由とは
Auto Messe Web
悲願のスーパーフォーミュラ王座逃した牧野任祐、絶好調のチームメイトと対照的にまさかの苦戦。「何もできなかった」と悔しさあらわ
悲願のスーパーフォーミュラ王座逃した牧野任祐、絶好調のチームメイトと対照的にまさかの苦戦。「何もできなかった」と悔しさあらわ
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

10件
  • egu********
    売り方がねアコギすぎる。
  • mak********
    車幅がーって言うと必ず現れる「ミラーtoミラーで見ろよ」って言う人。
    そういう問題ではなくプラド150は車幅1900mm未満でランクル250は1900mmを超えるという点
    車幅1900mmを超えると物理的ではなく書類上の制約が少なくないのよね。
    世界戦略車だと言うことは十分に理解していますがそれでもランクル300と250でサイズ差が無いと言う事実は衝撃的でした。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

520.0785.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

765.01265.0万円

中古車を検索
ランドクルーザー250の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

520.0785.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

765.01265.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村