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オリ・パラで使用されたトヨタ車約2700台はどこへ? そのまま中古車市場へ大量流入中

掲載 更新 12
オリ・パラで使用されたトヨタ車約2700台はどこへ? そのまま中古車市場へ大量流入中

 東京オリンピック(2021年7月23~8月8日)、パラリンピック(同8月24~9月5日)が終了し、1週間あまりが過ぎたが、都内でよく見かけた、あの派手なステッカーが貼られたクルマたちはどうなるのだろうか?

 そこで、さっそく調べて見ると、大会運営に使用されたトヨタ車が今、中古車市場に大量に流れているのを発見! ちなみに大会に使用された車両はなんと2700台あまり。

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 はたして、オリ・パラで使用された車両はすべて中古車として販売されるのか? そして、どんな車種がいくらで中古車市場に流通しているのか? 自動車ライターの加藤久美子氏が追った!

文/加藤久美子
写真/加藤博人、トヨタ、ベストカーweb

【画像ギャラリー】五輪で使用されたプリウスPHV、ノア/ヴォクシー、アルファード、カローラツーリングなど2700台がラッピングそのままで中古車市場へ

■オリ・パラ使用車両が全国のトヨタ中古車販売店にて続々登場

都内でよく走っているのを見かけた東京オリンピック2020使用車両は2700台あまり。写真は車両基地となっていた築地市場跡地に駐車中のカローラツーリング2000 Limited(写真:加藤博人)

VIPの送迎などに使われたレクサスES。控えめなゴールドの2つのステッカーがボディサイドに貼られているのが見える(写真:加藤博人)

東京2020で使われた車両が早くも中古車市場に! ノア/ヴォクシー、プリウスPHV、MIRAIが中心となっている。本来2020年開催だったため、MIRAIは先代モデルとなる

 2021年9月5日のパラリンピック閉会式から数日後、早くも中古車市場に東京2020で使われたトヨタ車が登場しつつある。

 香川、富山、岡山、愛媛、熊本、群馬……各地のトヨタ中古車販売店でトヨタ認定中古車として販売されており、その台数は9月11日現在プリウスPHVだけで36台。これから全国に広がっていきそうだ。

 トヨタ自動車広報部に確認したところ、「MIRAIなど競技会場・選手村・国際メディアセンターなどの拠点間移動に使用された市販車を中心とした関係者輸送の車両です。約2700台が基本的に中古車市場に出ていくことになっております」。東京2020に提供された車両約3700台のうち、約2700台が中古車市場で販売されることになる。

 なお、実際に東京2020で使われたトヨタ車はオリンピックで約2700台、パラリンピックでは1700台。そのうち約9割がハイブリッドなどの電動車。

 車種としては初代MIRAI約500台、プリウスPHV約500台、ノア/ヴォクシー約300台、ノア/ヴォクシー(ウェルキャブ)約150台など。このほか、バッハ会長をはじめVIPの送迎などに使われたアルファードやレクサスESなども使用されている。

 東京2020仕様のトヨタ車を販売しているディーラーに聞いたところ、中古車はすべて『東京2020オリンピック・パラリンピックの大会運営に使用された車両』として「トヨタ認定中古車」を扱うトヨタディーラー系の中古車店で販売されるそうだ。

ベストカーの中古車検索でプリウスPHV、更新日が新しい順で検索してみると大量のオリ・パラ車両がヒット


※ベストカーweb“中古車検索”でプリウスPHVを検索!

 ベストカーwebのなかにある“中古車検索”で検索してみると、9月11日現在、プリウスPHVのみが販売されているようで全国36台がヒットした。

 距離は新車同様の18kmから上は4000kmまで。大体1000km以下が中心だ。年式は令和2年と3年。なお、車内の清掃や各種整備、点検などの時間を考えると、現在中古車として販売されているのはオリンピックには使用されたがパラリンピックには使用されなかった車両約1000台が中心とみられる。

 トヨタ認定中古車を販売する西日本のディーラーに聞いてみたところ、早くも話題になっているようだ。

 「全国のトヨタ中古車販売店に対して『入札形式』で東京2020に使われた車両が販売されました。今回は第1弾として数百台。これから、第2弾、第3弾と販売されるのではないかと思います。

 現状では、TOYOTA公式中古車サイト、「GAZOO」のみで扱われており、カーセンサーやGOOなどの中古車情報サイトには出ていないと思いますが、販売を始めてから1日に10件以上の問い合わせがあります。

 ほぼ新車同様という中古車も多く、認定中古車なので保証も万全ですし、ハイブリッド車の補償も完璧です。新車を買うことを考えればかなりお買い得なのではないかと思います。東京2020のラッピングも貴重ですね。まだ今はプリウスPHVが中心と思いますが間もなく、ノアやヴォクシーも増えてくるでしょう」。

■オリ・パラで使用された車両はしっかりクリーニングされ保証もあり

 ではどんな車種がいくらで出ているのだろうか? と、その前にオリ・パラで使用された後、クリーニングするのか、保証制度はどうなっているのか気になっている人も多いと思うので、『トヨタ認定中古車』について少し紹介しておこう。

 2020年4月にスタートしたトヨタ販売店の中古車ブランドで、完璧なまでにクリーンな状態での販売や手厚い保証体制を敷いて販売されている中古車のこと。以下の3点がポイントだ。

1/まるごとクリーニング
 エンジンルームからシートを外した洗浄まで、目に見えないところまで徹底的に洗浄される。

2/車両検査証明書
 クルマの状態を徹底検査して公開。中古車の総合評価や内外装の状態などをひと目で分かるよう、プロの検査員が実施した車両検査証明書を用意している。

3/ロングラン保証
 1年間走行距離無制限の「ロングラン保証」がついており、年式は問わず全国約5000ヵ所のトヨタのお店で保証修理を受けることができる。

 さらに、注目すべきはハイブリッドカー(トヨタ・レクサス)を対象とした「中古車ハイブリッド保証」だ。トヨタ認定中古車のハイブリッドカーには初動登録年月から10年目まで「ハイブリッド機構の無償保証」が付いている。累計走行距離20万kmまでが対象となる。

■実際に販売されているプリウスPHVの中身

 ではベストカーwebの“中古車検索”でプリウスPHVを探し、ほんの一例として3台を挙げてみた。9月11日現在、中古車として販売されている車両は、「プリウスPHV A」(1800cc・CVT)のみでボディカラーはすべて「パールマイカ」となる。

左から1、2、3(ベストカーweb中古車検索から一例を挙げました)


1/プリウスPHV A
・山形トヨペット 中古車ランド東バイパス
・本体価格(税込)(リ済別):348.8万円
・支払価格(税込):361.9万円
・年式:2021年
・走行距離:435km
・車検:令和6年5月

※1/プリウスPHV Aの中古車情報はこちら!


2/プリウスPHV A
・和歌山トヨタ自動車 U-CARマイカーセンター プラザ和歌山インター 
・本体価格(税込)(リ済別):280.5万円
・支払価格(税込):287万円
・年式:2020年
・走行距離:4000km
・車検:令和5年3月

※2/プリウスPHV Aの中古車情報はこちら!


3/プリウスPHV A
・岩手トヨペット 本社マイカーセンター
・本体価格(税込)(リ済別):286万円
・支払価格(税込):297.7万円
・年式:2020年
・走行距離:2000km
・車検:令和5年3月

※3/プリウスPHV Aの中古車情報はこちら!

 ところで、中古車として販売されている車両と実際に東京2020で使用された車両とではどこが違うのか? 販売店に聞いたところ、「外観や内装、ナビなどの装備を含めてほぼ同じだと聞いています。オリ・パラのラッピングなどもそのままで販売することがルールとなっています」とのことだった。

 もちろん、一般ユーザーが購入後にラッピングをはがすのは問題ないとのことなので、五輪ムードがまだ残っているうちは五輪仕様のラッピングのまま乗って、来年あたりに剥がすこともアリかもしれない? なお、買ってすぐにでも剥がしたい人は、ディーラーに相談してみることをお勧めする。

■トヨタ直下の販売店ではハイラックス、アルファード、カローラツーリング、レクサスESなどの車種も!

トヨタ自動車直下の中古車販売店には大量のオリ・パラ車両が展示されていた(写真:加藤博人)

 先に紹介した車両は、すでに価格がついて中古車としての販売が始まっている車種となるが、現在のところはプリウスPHVのみ。

 しかし、間もなく、ノア/ヴォクシー(約300台)、ノア/ヴォクシーウェルキャブ(約150台)、MIRAI(約500台)などもトヨタ認定中古車として出てくるだろう。

 また、これら全国のトヨタ販売店で大規模に販売される車両とは別に、トヨタ自動車直下の中古車販売店では一般のトヨタ販売店には流通しないであろう希少な車種が販売される予定だ。

 それはハイラックス、アルファード、カローラツーリング、レクサスES 、RAV4などの車種で、レクサスES以外はプリウスPHVなどと同じオリンピック仕様のデザインとなっている。現在はまだ中古車としての販売価格はつけられていないが、すでに展示場に並べられており、SNSなどで話題を集めている。

 筆者は7月初旬より有明や築地の車両置き場や聖火リレーなどで数多くの五輪仕様車を取材してきたが、中古車展示場にこれだけの車種が一堂に会する姿を見るのは初めて。感慨深いものがある。

オリ・パラの大会運営に使用されたアルファードの中古車。ちなみにアルファードはバッハ会長の送迎用として使われていた(撮影:加藤博人)

オリ・パラの大会運営に使用されたRAV4の中古車(撮影:加藤博人)

オリ・パラの大会運営に使用されたハイラックスの中古車。こちらも若干顔つきがおとなしいマイナー前のモデルとなる(撮影:加藤博人)

VIP送迎用に使用されたレクサスESの中古車(撮影:加藤博人)

オリ・パラの大会運営に使用されたカローラツーリングの中古車(撮影:加藤博人)

 なかでも、東京2020に使用された車両で一番人気となりそうなのが、自転車ロードレースに使われた「カローラツーリング」である。

 記憶にある方も多いと思うが、東京2020の自転車競技では特別チューニングが施された「カローラツーリング」が各国チームのサポートカーとして、また国やチームに関係なく中立な「ニュートラルサポート」を行う車両としても大活躍した。

 ちなみに東京2020の自転車競技全般を率いたのは、元F1ドライバーである片山右京氏である。片山氏は自動車レースに加えて、自転車レースへの参戦経験も豊富なことからスポーツマネージャーとしてコース設定やレース運営、サポートカーのチューニングにも深く関わってきたことでも知られる。

 また、2020年6月に発売された「トヨタ・カローラツーリング2000 Limited」がベースのオリ・パラ車両も使用されていた。500台限定で販売されて速攻で完売となった人気車だ。片山右京氏のチューニングを施した特別限定車がベースの五輪仕様車となれば、かなりのプレミア価格となることは必至?

 なお、本来は2020年に開催予定だった五輪が延期になったことでオリ・パラ用に用意されていた車両(ノア/ヴォクシーなどミニバンが主体)のなかにはコロナ感染者(軽症)の搬送用としても現在も使用されている車両もある。

今年4月、コロナ軽症者を療養施設に搬送中のヴォクシー(写真:加藤博人)

 車両の大部分は各地域のディーラーを通じて前後席を分けるビニール製の「セパレーター」などを装着して提供されており、現在も全国各地の病院などで活躍している。

 これから続々と市場に出てくるだろう東京2020仕様のトヨタ車。走行距離の少ない極上の中古車としてもかなりお買い得であるし、また記念車両としての価値もおおいにある。

 右ハンドル中古車がOKの国に限られるが海外でも人気が出そう。海外でも絶大な人気を誇るトヨタ車であり、記念すべきオリンピック仕様車となればむしろ日本より海外人気のほうが高くなるかも?

オリ・パラのラッピングをそのままにして乗るか、はがして乗るか? 今後各車種のオリ・パラ仕様車が大量に出回って、中古車市場で人気が出てプレミアがつくのか、逆に不人気で標準車に比べて価格が下がるのか、動向を見ていきたい(写真:加藤博人)

【画像ギャラリー】五輪で使用されたプリウスPHV、ノア/ヴォクシー、アルファード、カローラツーリングなど2700台がラッピングそのままで中古車市場へ

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