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メルセデス・ベンツGLA 200d 4MATIC試乗記

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メルセデス・ベンツGLA 200d 4MATIC試乗記

メルセデスのコンパクトSUV GLAに試乗してきた。2014年に初代が国内デビューし、2020年6月に2代目が国内導入されている。初代はSUVとはいえ最低地上高が140mmしかなく、見た目はSUVというよりクーペライクなハッチバックに見える外観だった。2代目は200mmの最低地上高となり、文字通りSUVらしくなって登場した。

CセグメントにカテゴライズされるGLAのサイズを比較してみよう。初代のGLAは全長4430mm、全幅1805mm、全高1505mm、ホイールベースが2700mmだった。2代目のGLAは、全長4415mmで、-15mm、全幅1835mmで+30mm、全高1620mmで+115mm、ホイールベースが2730mmで+30mm。全長こそ-15mmだが全体にはひと回り大きくなっている。

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ライバルとなるモデルはBMW X2 xDriveやアウディQ3スポーツバック クワトロといったモデルで、SUV
らしいとはいえ、都市型SUVに位置付けられているモデルたちだ。試乗車は2.0Lディーゼルターボの4MATICで、新開発の8速DCTである「8G-DCT」を搭載している。出力は150ps(110kW)/3400-4400rpm、最大トルクは320Nm/1400-3200rpmの出力になっている。

GLAのラインアップはこの200d 4MATICだけで、ガソリンモデルはラインアップしていない。グレードもモノグレードで、オプションでAMGラインなどが選べるようになっている。ちなみに試乗車の価格は
●ベースが502万円
●ナビゲーションパッケージ18万9000円
●AMGライン28万円
●AMGレザーエクスクルーシブパッケージ19万4000円
●アドバンスドパッケージ16万8000円
●パノラミックスライディングルーフ16万8000円
合計601万9000円。
さらに、保証プラス9万3500円、メンテナンスプラス16万5000円をプラスして合計627万7500円(税込)だった。

SUVらしさを強調した2代目GLA

エクステリアデザインは、初代と比較してSUVらしく力強さが強調された。前後のオーバーハングは短く、全体に曲線を用いたデザインはスタイリッシュ。特にクーペライクなルーフラインは印象的だ。

フロントはクロームのアンダーガードが目立ち、SUVとしての存在感が強調されている。試乗車はAMGラインのため、グリルの下部左右に2本のフィンが配されAMGライクな仕上げになっている。ヘッドライトは薄型のデザインとなりシャープな印象でGLAを無骨さからスタイリッシュに見せる効果を出していると思う。

インテリアは派手な印象で、高級車であることの主張がはっきりしている。ダッシュボードは1枚のディスプレイに見えるワイドスクリーンディスプレイが目をひき、ワイドさを強調した印象を受ける。もっともインパクトがあるのはエアアウトレットではないだろうか。円形のアウトレットはジェットエンジンのタービンをイメージさせる。

また試乗車のシートカラーが、黒とレッドのツートーンのレザーでより一層派手に見える。そしてアンビエントライトが先代モデルより約5倍拡大し、全64色のカラー演出も可能になっている。

運転席に座ってみるとSUVらしい着座位置になったと感じる。初代は最低地上高が140mmという低さのため、SUVのデフォルトポジションともいえるコマンドポジションにはならず、乗用車的なポジションだった。それが200mmまで高められた最低地上高のため、コマンドポジションとなり、着座位置は初代に対して97mmも高くなっていた。

手に触れるレザーや樹脂類など高級車らしく上質さを感じさせ、「いいもの感」が感じられる。スターターボタンでエンジンを始動する。ディーゼルなのだが、室内ではガソリン車との区別がつかないほど低振動で静粛性も高い。

力強く取り回しもよい

走り出してもディーゼル風な印象は全くなく、タコメーターに刻まれた最高回転数の低さで気付くレベルで、助手席で感じ取ることは不可能だろう。

滑らかに回るディーゼルエンジンは、低回転からのトルクも申し分なく、箱根の山も意に介さずグングン登っていく。搭載のエンジンはOM654q型でアルミブロックにスチール製のピストンという熱膨張率の異なる素材を採用することで40%以上のフリクションを低減しているエンジンだ。

ステアリングは軽めで高級車らしい質感のある操舵フィール。クルマの大きさを感じさせない軽快なハンドルさばきと5.3mの最小回転半径は市街地でも使いやすい。特に駐車場などでの切り返しでは、ハンドルの軽さはありがたいと感じるだろう。

今回の試乗ではテストできていないが、4輪駆動ということとSUVらしさを加えたことで機能面をチェックしてみると、前後のトルク配分が変わることに注目。ドライブモードのECO/コンフォートでは80:20で、スポーツでは70:30になる。「オフロード」モードでは基本のトルク配分が50:50というように変化する。が、運転していてそのトルク配分の変化を感じることはない。

またDSR(ダウンヒルスピードレギュレーション)が装備されており、急なオフロードの下り坂を2~18km/hの間で、事前に設定した一定の速度で降りる機能を搭載している。さらに、センターコンソールにある ダイナミックセレクトのスイッチで「オフロード」を選択すると、トルク配分やABSの マネジメントにより、悪路走破性を高めるモードも搭載しており、よりSUVらしい性能も持たせたのが2代目GLAということになる。

ボディが初代より大きくなったことでインテリアやラゲッジスペースも広くなっている。とくに後席のレッグスペースは初代より116mm広がり、前後方向の広さにゆとりが出ている。またリヤシートは140mmスライド可能で、かつ座面の60:40の分割は使い勝手がいい。さらにシートバックは、40:20:40の3分割になり、リクライニング機構も7段階の調整が可能になるなど、使い勝手が向上している。


Sクラスと同等の先進安全装備

2代目にはMBUX(メルセデスベンツ ユーザーエクスペリエンス)も搭載した。すでにメルセデスの多くのモデルに搭載されている、対話型インフォテイメントシステムで、学習機能のある人工知能を搭載したシステムは、車載コンピュータとクラウドの双方でデータ評価をしている。そのためインターネットに接続していない状況でもMBUXは応答できるシステムになっている。またクラウドにデータが保存されているため、流行言葉も学習できるため、流行り言葉での会話も可能になるのだ。

また高速道路での運転支援機能もSクラスと同等のシステムを搭載していた。つまり、車線変更や完全停止からの自動再スタートなどだ。もちろん他の自動緊急ブレーキや斜め後ろの衝突回避機能などもSクラスと同等のものが搭載されている。

高速道路渋滞時で停止した場合、30秒以内であれば自動で再スタートをする。30秒以上停止した場合は軽くアクセルを踏むかステアリングのボタンを押せば再スタートする。これは意外と疲労軽減になるのは経験的にわかる。またレーンチェンジのアクティブレーンチェンジアシストは、ウインカーを出せば、行先の車線に車両がいないことを確認して自動で車線変更をする。

GLAの初代はSUVというよりクロスロード風な印象だったが、2代目はメルセデスのSUVファミリーとしての存在感を出し、都市型SUVの中心的なモデルへと成長したと言えるだろう。ただラインアップがディーゼルだけでは物足りなく、M-HEVやPHEVを期待するユーザーもいると思う。今後の導入計画に注目しておきたい。<レポート:高橋明/Akira Takahashi>

価格表

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みんなのコメント

2件
  • このセンス悪いうえに安っぽい内装見ただけでも、本体価格600万円超のバカバカしさには気づきそうなものだが、、、
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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