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DTM第9戦ホッケンハイム:初めてのDTMレースを戦った平川と次生。レース2へ得たそれぞれの収穫

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DTM第9戦ホッケンハイム:初めてのDTMレースを戦った平川と次生。レース2へ得たそれぞれの収穫

 10月5日、ドイツのホッケンハイムで行われたDTMドイツ・ツーリングカー選手権第9戦の決勝レース1が行われた。日本からゲスト参戦しているスーパーGT GT500クラスの3台のうち、平川亮がドライブしたLEXUS TEAM TOM'Sの37号車レクサスLC500は13位でフィニッシュ。一方、松田次生がドライブしたNISMOの35号車ニッサンGT-RニスモGT500は、スタート直前のトラブルのため、再コースインしたものの完走扱いとはならなかった。レース後、ドライバーたちに聞いた。

■2ストップ作戦を敢行。タイヤへの理解という収穫を得る
 20番手からスタートしたLEXUS TEAM TOM'Sの平川亮は、「何度か練習してきたなかではいちばん良かった」というスタートを決めるも、ふだんスタンディングスタートはしていないGT500マシンだけに、DTMマシンの方がスタートが良く、最後尾で1コーナーをクリアした。

日本勢トップの9位バトンが感じた初レースとDTMマシンとの違い。「通常のストレート速度とブレーキ性能はスーパーGTの方が高い」

 とはいえ、今回平川はスタート後1周目にピットインし、クリアなラップをとりペースを上げ、もしそのままフィニッシュまでタイヤがもてばそのまま走りきる作戦を採った。ただ「少し飛ばしすぎて後半タイヤが苦しくなった」とやはり慣れないハンコックタイヤの扱いに苦しみ、セーフティカーが出たタイミングで再度ピットへ。2回の作業とも「的確に作業してくれました」とレースを進めていった。

 そんなレースを戦ってきた平川だが、後半は「タイヤマネージメントをしながら走ったらそれなりにタイムが落ちずに走ることができたので、いいデータがとれたのではないでしょうか」とペースを保ちながらレースを進めることに成功する。ただ、終わってみれば13位。シングルには届かなかった。

「2ストップで作戦がいければ上のポジションにいけるかと思いトライしましたが、そもそものペースがあまり良くなくて、あまり意味はなかったかもしれません。でもチームもタイヤ交換が初めてでしたが、すごく的確に作業してくれましたし、悔しい結果となりましたが、満足しています」と振り返った。

「今回DTMに参戦してみて、イベントとしてはすごく面白く、楽しめています。ただ大きな違いとして、こちらはDRSとプッシュ・トゥ・パスがないので、バトルに加われないところはあります。追いついても抜くことができないんです。こちらのペースが良くてもDRSを使われると戦えないですし、そこはちょっと残念な部分ではありましたね」

 このレース1で平川が得たデータは、10月6日にレース2を戦うニック・キャシディにしっかり伝えられるはずだが、ひとつ不安があるのは天候。「ウエットだとまだ分からない部分がありますし、コースに留まるのが精いっぱいという状況ですからね」と平川。

「でもドライではそれなりに分かってきました。もし明日の予選がドライだったらもっと前のグリッドからレースができると思いますし、中団グリッドからならまた展開も変わってくると思います」

 このホッケンハイム戦に向けて、平川は「11月の富士に向けてしっかり収穫を得たい」という目標を掲げていた。その点では、「今回こうしてレースはできているので、踏みとどまっているというか。富士にはDTMマシンも7台が来るので、日本の力を見せられるように頑張りたいです。海外から来てやられるのは悔しいですし、サーキットの特徴も違うので」と平川は今回得たものをしっかりと活かしたいと語った。

■まさかのトラブルに見舞われたGT-Rも、レース2へ向け修復。「もっともっと合わせ込めないと」
 NISMOの35号車ニッサンGT-RニスモGT500をドライブした松田次生は、スタート前に思わぬトラブルに見舞われてしまうことになった。フォーメーションラップに出ようとしたところで、プロペラシャフトが破損してしまったのだ。

 GT500/DTMのプロペラシャフトはこのクラス1規定が生まれた当初から、共振などによって破損してしまうことが多く、難しいパーツだったひとつ。今回はふだん行わないスタート練習をこなしていたことから、その影響もゼロではなかったかもしれない。「木曜から走行していて、スタート練習などをやっていたときに、ひょっとすると負荷が溜まっていた可能性はあります」と次生。

 ピットに牽引されていった後は、NISMOのスタッフが迅速な作業でシャフトを交換。17周遅れとはなってしまったが、コースに復帰することができた。ヨーロッパにはニッサンGT-Rのファンも多く、待ちわびたようにスタンドからは次生とGT-Rに拍手が送られる。

 もちろん、10月6日は母国イタリアから家族やファンも来ているロニー・クインタレッリがレースを戦う。そのためにも次生は初めてとなるロングランをこなし、データを持ち帰った。「ラップタイムとしてはそれほど悪くなくて、タイヤ交換をしたあとは、1分32秒台のラップタイムには入っていたと思います。ただトップは1分31秒台のラップなので、考え方を変えないといけないかもしれませんね」と次生はレースを振り返った。

「今日走ることができて、ロングランもできましたが、“ここを変えれば”という部分もありました。それが当たるかは分かりませんが、ロニー選手に試してもらえたらと思います。明日の力になれるよう、データを分析していきたいと思います。僕よりいいレースができると期待しています」

 今回のレースは、事前に予想されていた以上にハンコックタイヤへの合わせ込みが重要となった。木曜から土曜までの間に、ドライバーやエンジニアが口を揃えて「日本ではあり得ない」というセッティングをトライしている。また、ドライバーもハンコックタイヤに合わせた走り方が必要だという。

「ハンコックタイヤにまだ合わせ込めていない部分はありますが、それはセッティングでもドライビングでもあります。僕もホッケンハイムは初めてですし、もっともっとドライバーもクルマでも合わせ込めないと、DTMのチーム、ドライバーに勝つのは至難の業かもしれません」と次生。

「DRSとプッシュ・トゥ・パスは11月の富士ではありませんが、あれがなければ戦えると思っています。タイヤをいかに合わせ込むかが大事ですね。富士では負けたくないです。そして今の段階で、ホンダとレクサスの方が仕上がりが良いので、僕たちもしっかりと合わせ込みたいと思います」

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