ヤフオク「コレクションカーオークション」とは
text:Kazuhide Ueno(上野和秀)
【画像】7台の出品車両 コレクションNo.3【落札額がわかる】 全77枚
photo:BH AUCTION
ビンゴスポーツ/BHオークションが主催する「コレクションカーオークション」の3回目となる「コレクションNo.3」が、ヤフー・オークション内で開催された。
7月に開かれた「コレクションNo.2」では日産スカイラインR34 GT-Rの未登録新車が6050万1円で落札され、クルマ好きの間で話題を呼んだのは記憶に新しい。
3回目となる今回は「乗って楽しむコレクション」と題して、スポーツドライビングが楽しめて、かつ希少価値の高い選りすぐりの7台が用意された。
出品された7台は、いずれも最低落札額の設定はなく、競合する入札者がいなければスタート額で落札できる可能性がある。
BHオークションのオンライン入札では事前に参加登録する必要があるが、ヤフーでもいたずら入札を防ぐために事前に本人確認を行うシステムで行われた。
今回の主役は「1990年 メルセデス・ベンツ190E 2.5-16エボリューションII」で、500台のみが作られ海外でも価格上昇中のアイテムカー。
出品車は正規輸入車となりオリジナルを保つ良好なコンディションで、走行は4万8467km。スタート額は2550万円だった。
メルセデスはもう1台出品されている。W124のワゴンタイプであるS124をAMGがチューニングした貴重なコンプリートカー「1995年 メルセデス・ベンツAMG E36T」。
こちらはAMGジャパンが輸入した正規輸入車で、走行は5万9066km。スタート額は500万円。
ナローポルシェ、スカイラインも登場
今回ポルシェの出品車両は、ナローのニックネームで親しまれている911のショートホイールベース・モデル「1968年 ポルシェ911S」が登場。
三和自動車が輸入販売した正規ディーラー車で、長年国内で大切に維持されてきたオリジナルを保つ1台だ。走行はメーター読みで2万7160kmだが、恐らく12万kmと思われる。スタート額は2400万円である。
日本車では2台のハコスカGT-Rが出品された。1台は4ドアボディの初期型となる「1969年 日産スカイライン2000GT-R(PGC10)」で、スタート額は1950万円。
もう1台は、販売当時の高いオリジナル性を保つ「1972年 日産スカイライン2000GT-Rハードトップ(KPGC10)」で、こちらのスタート額は2800万円とされた。
このほかアメリカを代表するスポーツカーの「1972年 シボレー・コルベット・スティングレー(スタート額753万円)」。「1988年 シボレー・キャラウェイ・コルベット・ツインターボ・コンバーチブル(スタート額800万円)」の2台が用意されている。
8月2日から始まったオークションだが、オンラインの常で、開始から数日はなかなか入札が入らなかった。
しかしウォッチリスト登録は日を追うごとに増え、ちょうど折り返しを越えた8月5日の22時の段階で、日産スカイライン2000 GT-R(KPGC10)が692件でトップとなり、メルセデス・ベンツ190E 2.5-16エボリューションIIが662件で続く。
ここに、日産スカイライン2000 GT-R(PGC10)が607件、メルセデス・ベンツAMG E36Tが424件、ポルシェ911Sが359件で後を追う展開。
8月8日20時3分にオークションを終えてみれば、落札されたのは3台のみに留まった。結果を確認したおこう。
落札(落札額) 車種一覧
メルセデス・ベンツ190E 2.5-16エボリューションII(1990年)
落札額2550万1100円
シリアルナンバーWDB2010361F742948
メルセデス・ベンツAMG E36T(1995年)
落札額560万200円
シリアルナンバーWDB1240921F312206
ポルシェ911S(1968年)
落札額2400万円
シリアルナンバー11800895
流札(スタート額) 車種一覧
日産スカイライン2000 GT-R(1969年)
スタート金額1950万円
シリアルナンバーPGC10-000135
日産スカイライン2000 GT-Rハードトップ(1972年)
スタート金額2400万円
シリアルナンバーKPGC10-001499
シボレー・コルベット・スティングレー(1972年式)
スタート金額753万円
シリアルナンバー1Z37K2S515936
シボレー・キャラウェイ・コルベット・ツインターボ・コンバーチブル(1988年)
スタート金額800万円
シリアルナンバー1G1YY318XJ5102534
延長戦にもつれ込む 入札の様子は?
最高落札額を記録したのはメルセデス・ベンツ190E 2.5-16 エボリューションIIで、最後に競り合って2550万1100円まで値を上げた。この落札額は、世界的に見ても順当といえる。
激しい入札バトルが繰り広げられたのが、メルセデス・ベンツAMG E36Tだ。
市場にまず出てこないファクトリー・コンプリートカーという超希少なモデルで、現実的なスタート額もあり人気を集めた。終了9分前から3人による応札が繰り返され、今回の出品車の中で唯一10分の延長戦となり、560万200円で決着がついた。
ポルシェ911Sは終了2分前に初入札があり、ライバルが現れることなくそのままスタート価格の2400万円で終了。
最も注目度の高かった2台の日産スカイライン2000 GT-Rだったが、どちらも購入者が考える額との乖離があったようで、入札はなく流札に終わっている。また2台のシボレー・コルベットも流れてしまった。
日本を代表するオークションハウスであるビンゴスポーツ/BHオークションの新たな試みといえるヤフー・オークションとのジョイントは、ヒストリックカーの存在・価値を広く知らしめる意味では意義のあるものといえよう。
より市場を広げる目的では、一般のクルマ好きでも手が出しやすい“お値頃の価格帯”にあるアイテムカーのオークションも考えてほしいものだ。
コレクターズカーオークションに本気で取り組んでいるビンゴスポーツ/BHオークションの今後の取り組みに期待したい。
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みんなのコメント
8月7日19時04分に開始価格の2550万で1人目が入札、
8月8日17時52分に2550万1100円で2人目が入札。
8月8日20時03分、オークション終了時間となり2人目の方が無事落札。
これを「最後に競り合って」と表現するのは如何なものか。
C3はMTなら落札されてたと思う。