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フォーミュラE第15戦、デニスが最終戦を待たずチャンピオン獲得!レースは波乱の結果に【ロンドンE-Prix】

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フォーミュラE第15戦、デニスが最終戦を待たずチャンピオン獲得!レースは波乱の結果に【ロンドンE-Prix】

2023年7月29日、フォーミュラE第15戦がイギリス・ロンドンで行われ、ミッチ・エバンス(ジャガー)が優勝した。ランキング首位のジェイク・デニス(アンドレッティ)は2位を獲得し、翌日行われる最終戦を待たずしてチャンピオン決定となった。3位にはセバスチャン・ブエミ(エンビジョン)が入っている。(文:河村大志)

エバンスが逆転に向けてポールポジション奪取
今シーズンも残すはロンドンのダブルヘッダーのみ。混戦模様の様相を見せていたチャンピオン争いだったが、第14戦ローマで形成が大きく変わり、デニスが大きなリードをもってロンドンに乗り込むこととなった。

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第14戦終了時のランキングはデニスが195ポイントでトップ、2位ニック・キャシディ(エンビジョン)が171、3位エバンスが151、そして4位パスカル・ウェーレイン(ポルシェ)が146となっており、チャンピオンの権利があるのは上位4名に絞られている。

ライバル勢が軒並み戦線離脱していく中、今季2勝目を挙げたデニスが2位に24ポイントという大きいマージンを獲得している。キャシディ、エバンス、ウェーレインの3名は予選からデニスの前に立ち、ポイントを獲得しなければいけない状況だ。

そんな後がない中、予選で見事ポールポジションを獲得したのはランキング3位のエバンスだった。前戦キャシディとの接触があり、5グリッド降格のペナルティを受けているエバンス。しかし予選でポールポジションを獲得し、貴重な3ポイントを獲得。決勝は6番グリッドからスタートすることとなった。

エバンスの降格により、決勝グリッドの最上位は予選2位のキャシディがつけ、2番グリッドにはデニス、3番グリッドにブエミがつけている。

波乱のレースを2位でゴールしたデニスがチャンピオン獲得!
コースの前半は屋内という特徴的なレイアウトのロンドン。正規のグリッドにつく際に発生するタイヤスモークが籠る中、36周のレースがスタート。

ここでチャンピオンを決めてしまいたいデニスだったが、スタートで3番グリッドのブエミに2位の座を奪われてしまう。これでエンビジョンがワンツー体制となり、チャンピオンを狙うキャシディにとってこれ以上ないスタートとなる。

デニスはブエミのブロックを受け、前に出ることができず、エバンスにも抜かれ厳しいレースに。一方、トップのキャシディは早くもマージンを築き、トップのまま義務であるアタックモードを2回消化。

その後エンビジョンは順位を入れ替えブエミもアタックモードを消化させようとするも、エバンスがエンビジョンの2台をパスしトップに浮上する。

ライバルたちがアタックモードを消化する中、デニスはアタックモードの起動に失敗するなど苦戦を強いられるが、大きく順位を落とすことなく上位集団の中で走行を続ける。

これまで完璧なレース運びかと思われていたエンビジョンチームだったが、キャシディとブエミが接触しキャシディのフロントウイングが破損。無線で順位変更の指示がうまく伝わっていなかったことが予想されるが、あまりにも痛いアクシデントとなってしまった。

緊急ピットインをせざるを得なかったキャシディだったが、最終的にリタイア。これでキャシディのチャンピオンの夢は潰えてしまう。

赤旗連発、大混戦の中で安定した走りを継続
29周目、サッシャ・フェネストラズ(日産)がタイヤバリアに突き刺さってしまったことでSCが出動。その後、バリア修復のために赤旗が掲示される。

33周目からレースリスタート。アタックモードの使用義務を残すエバンスとブエミは早速アタックモードを起動。エバンスはトップのまま復帰しブエミは4番手に交代する。残り周回数が少なくなる中、ブエミは6分ものアタックモードを使い切るために急激にスローダウン。

遅すぎるブエミを抜くためにノーマン・ナトー(日産)がターン19で仕掛けるも接触。後続も避けきれず大規模な玉突き事故が発生し、再び赤旗となる。

残り2周でレースは再開され、エバンスが首位を守り切りトップチェッカー。そして2位のアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(ポルシェ)にタイヤ内圧の技術規定違反で3分のタイムペナルティが科され、3位でゴールしたデニスが2位を獲得。これで最終戦を待たずしてデニスのチャンピオン獲得が決まった。

デニスとチームにとって初のフォーミュラEでの栄冠。開幕戦で優勝し、それ以降は苦しみながらもポイントを積み重ねてきたデニスだったが、第14戦で一気に流れを掴みチャンピオンを獲得した。ワークスチーム相手に安定した強さを誇ったデニスとアンドレッティチームが世界一に輝いた。チャンピオンは決まったが、シーズン9最後のレースが日曜日に控えている。今季ラストに相応しいレースに期待したい。

2023 フォーミュラE 第15戦 ロンドン E-Prix リザルト
2023 フォーミュラE 第15戦 ロンドン E-Prix 決勝結果
1位 9 ミッチ・エバンス(ジャガー)24周
2位 27 ジェイク・デニス(アンドレッティ)+ 0:01:116
3位 16 セバスチャン・ブエミ(エンビジョン・レーシング)+ 0:01:668
4位 10 サム・バード(ジャガー)+ 0:03:054
5位 3 セルジオ・セッテ・カマラ(NIO)+ 0:03:782
6位 48 エドアルド・モルタラ(マセラティ)+ 0:04:263
7位 11 ルーカス・ディ・グラッシ(マヒンドラ)+ 0:04:769
8位 33 ダン・ティクタム(NIO)+0:12:563 + 0:05:118
9位 17 ノーマン・ナトー(日産)+ 0:07:527
10位 94 パスカル・ウェーレイン(ポルシェ)+ 0:08:725

2023年ドライバーズランキング(第15戦終了時点)
1位 27 ジェイク・デニス(アンドレッティ)213
2位 9 ミッチ・エバンス(ジャガー)179
3位 37 ニック・キャシディ(エンビジョン・レーシング)171
4位 94 パスカル・ウェーレイン(ポルシェ)148
5位 25 ジャン-エリック・ベルニュ(DS)107
6位 7 マキシミリアン・ギュンター(マセラティ)101
7位 16 セバスチャン・ブエミ(エンビジョン・レーシング)97
8位 13 アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(ポルシェ)93
9位 10 サム・バード(ジャガー)89
10位 17 ノーマン・ナト(日産)49

2023年 チームランキング(第15戦終了時点)
1位:ジャガーTCSレーシング 268
2位:エンビジョン・レーシング 268
3位:ポルシェ 241
4位:アンドレッティ 236
5位:DS 153
6位:マセラティ 138
7位:Nマクラーレン 86
8位:日産 81
9位:NIO 48
10位:マヒンドラ・レーシング 39
11位:アプト 17

[ アルバム : フォーミュラE第15戦 はオリジナルサイトでご覧ください ]

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