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【ヒットの法則184】レクサスGS450hにはスペックや数字では語れない新しい走りがあった

3代目レクサスGS(日本では2代目まではトヨタ アリストとしてラインアップ)がワールドデビューを果たしたのは2005年1月のデトロイトショー。日本では2005年8月のレクサス店の開業にあわせて発表された。そして、2006年3月には世界初のFRのハイブリッドとなる「GS450h」が追加されている。このレクサスGS450hはどんなクルマだったのか、Motor Magazineが伝えているテストの模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2006年5月号より)

FR化、モーターの高出力化に伴う問題点をクリア
レクサスの真の姿がまたひとつ明らかになった。GSに待望のハイブリッドモデルである450hが追加されたのである。

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昨年2005年夏の開業に伴いGS/ISと2つのブランニューモデルを相次いで投入したレクサスだが、世界の高級車と伍して戦っていく上で、最強の武器となるはずのハイブリッドはまだなかった。つまり今回の450hの追加で、レクサスはようやくその実力の全貌を明らかにし始めたとも言えるわけである。

まずは概要を紹介していこう。ハイブリッドはすでにGSやISに搭載されているデュアルインジェクター式D-4S搭載の2GR-FSE V型6気筒エンジンと、交流同期型モーターを組み合わせている。これとエンジンの回転を一部利用し発電を行うジェネレーターが主な構成要素だが、その3つをプラネタリーギアを用いた動力分割機構で制御するのがTHS-IIだ。

ちなみにTHS-Iは初代プリウスが使っていたもので、可変電圧システムを用いた2代目プリウス以降、動力分割機構を用いたシリーズパラレル式ハイブリッドには、すべてTHS-IIの名称が使われている。

つまりGS450hのシステムも成り立ちは現行プリウスに非常に近いのだ。しかしプリウスはFFでGSはFR。しかも求められるパワーも段違いで、仕組みは同じでも使われるユニットは大きく異なる。

最大の違いは最高出力296ps、最大トルク368NmのV6エンジン(ハイブリッド専用チューンのためGS350とは数値が異なる)と、200ps/275Nmという超強力なモーターを組み合わせている点だ。ちなみにシステムとして発揮できるこのユニットの出力算出値は345psになる。これだけでもGS450hがいかにパワフルかわかるはずである。

しかし、この高出力は簡単に実現できたものではなかった。モーターの高出力化が特に大きな問題で、従来の手法でパワーアップを図ると直径が大きくなってしまうのである。

エンジンが縦置きで、その後ろにミッションが位置するGSの基本パッケージにハイブリッドを盛り込むとなると、モーター/ジェネレーター/動力分割機構といった主なパーツをエンジンカーと同じセンタートンネル内に納める必要がある。この場合、モーターの直径が大きくなることは絶対にそぐわない。

そこでトヨタはモーターの高回転化でコンパクト化を図った。ただしそのままだと後輪の駆動には使いにくいため、2段変速式のリダクション機構を設けて減速し、モーターの効率の良い領域で使えるようにしている。この辺はハリアーHVの時にも一部聞かれた話だが、このようにトヨタのハイブリッドはモデルを増すたびに問題をブレイクスルーしているのだ。

この他にもハイブリッドシステムを成立させるためには、電圧調整を受け持つパワーコントロールユニットや、かさ張るバッテリーなどが必要。実際GS450hの場合トランクルームがバッテリーにかなり侵食されて積載能力が落ちているが、その一方で既存の6速ATのスペースに凝ったハイブリッド駆動部をまとめてしまった技術には敬服する。

システム最高出力は345psで驚くべき加速感
走らせてみよう。起動方法はエンジンカーとまったく変わらない。スタートボタンを押せばシステムが立ち上がり、シフトレバーをDレンジに入れてアクセルペダルを踏めば走り出す。エンジンカーと異なるのは圧倒的な静かさ。THS-2はスタートを電気モーターが担当するのである。

アクセル開度が少ない緩加速では、数10km/hまでモーターのみで走行できる。プリウスの場合スムーズだがやや線が細いと思われたこの領域のトルク感も、パワー志向のGS450hの場合は力強い。

アクセルペダルに力を込めるとエンジンが始動し、通常走行ではそのパワーを主体とした走行に移るが、そうしたパワー源の移行をまったく意識させないのは大したものだ。始動時に可変バルブシステムを利用してデコンプ(圧縮を抜く)するという高度な制御を行いスムーズネスに細心の注意を払ったとのこと。この辺はさすがレクサスクオリティである。

高速道路に乗ったところで大胆にアクセルペダルを踏んでみる。そこで訪れた加速感はこれまであまり体験したことのないものだった。ともかくレスポンスが鋭い。間髪を入れずといった感じで即座に車速が向上する。通常のエンジンカーのような間や溜めがなく、本当にスイっと加速する。それでいて期待値以上に飛び出すようなこともない。素早く静かで、しかも滑らか。これがGS450hの加速感の偽らざる感想だった。

車速の伸びも素晴らしい。0→100km/h加速は6秒かからないと言われているが、それに偽りはない。しかも100km/hを越えても加速が鈍る様子はない。これは以前クローズドコースで試した時の話だが、100km/hを越えてからも切れ目のない車速上昇がどこまでも続き、タコメーターの針のような勢いで速度計が動いていた記憶がある。

ちなみに、GS450hにはシフトレバーの前後操作で6段変速の感覚が味わえるシーケンシャルモードも楽しめるが、これは動力分割機構の制御を利用したもので、あまり意味はない。ダウンシフトするとより強力な回生が得られるといった程度で、Dレンジで十分に強力なこのクルマでは積極的に操作しようという気にはならなかった。

滑らかでレスポンスが鋭く、しかも圧倒的な加速感がどこまでも持続する、このエンジンカーにはなかった独得の乗り味は、レクサスの大きな武器になるはずだ。このクルマから始まり、いずれ新型LSにも搭載されるハイブリッドシステムが、果たして海外でどんな評価を勝ち得るのか、これは今から楽しみである。それほどまでに僕にとってのレクサスハイブリッドは期待を大きく越える仕上がりだったのだ。

ただし、不満がまったくないわけではない。市街地で細かい取り回しをするような場面や、あまりメリハリのないアクセルワークが続くような場合、ペダルから足を離してもわずかに前に出ようとする感覚が残るなど、アクセルの反応にほんの少しだがリニアリティ不足を感じる場面があった。

しかし感じた不満はここだけ。ステアリングやブレーキフィールはガソリンカーと較べて大きく変わるようなことはないし、重量増(GS430との差は200kg近い)による運動性能の低下も、ハイウエイを中心とした今回の試乗ではほとんど意識できなかった。

タイヤは245/40R18で、ランフラットと標準が用意される。今回は双方を試したが、ランフラットのコツコツと来る突き上げは相変わらず大きく、快適性は標準タイヤの方が圧倒的に勝ることが確認できた。

以上のような試乗メニューをこなして、燃費は10.8km/L。10・15モード燃費は14.2km/Lと発表されているから、実用燃費としてはまずまず。しかもこれ、ハイブリッドの特性を知ろうとけっこう激しい乗り方をしての結果なのだ。

いずれにせよ、GS450hの経済性はかなり高い。高速を普通に走るぶんにはハイブリッドシステムインジケーターは常に「ECO」ゾーンにあり、滅多にパワーゾーンに入らない。そういう運転に徹すれば燃費はさらに伸びるはずで、それは4.5L級のガソリンカーではまず達成が難しい数値である。

最後に価格について。GS450hはドライバーモニター付きプリクラッシュセーフティやレーダークルーズコントロールなどフル装備のバージョンLが770万円。標準モデルが680万円である。GS430との差は50万円ジャスト。僕はこれを安いと感じた。持っているメカの高度さと、得られたパワーを考えれば、それ以上の価値はある。GSの中で最もお勧め出来るのは間違いなくこの450hだ。(文:石川芳雄/Motor Magazine 2006年5月号より)



レクサスGS450h(2006年) 主要諸元
●全長×全幅×全高:4830×1820×1425mm
●ホイールベース:2850mm
●車両重量:1890kg
●エンジン:直6DOHC
●排気量:3456cc
●最高出力:296ps/6400rpm
●最大トルク:368Nm/4800pm
●モーター最高出力:200ps
●モーター最大トルク:275Nm
●システム最高出力:345ps
●トランスミッション:自動無段変速機
●駆動方式:FR
●0→100km/h加速:5.2秒
●車両価格:680万円(2006年当時)

[ アルバム : レクサスGS450h(2006年) はオリジナルサイトでご覧ください ]

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