スポーツカーであっても環境性能を大切にしていたホンダらしい1台
ホンダS2000は、1999年に発売されたホンダとして29年振りのフロントエンジン・リヤドライブ(FR)のオープン・スポーツカーだ。29年前のホンダのFR車といえば、S800である。
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オープン・スポーツカーとしては、マツダが1989年にロードスターを発売し、1998年に2代目へモデルチェンジしていた。初代の進化型として運転の楽しさを継承していた。
レーシングカー的な硬派な走行感覚が特徴
ホンダS2000は、よりレーシングカー的な硬派な走行感覚が特徴といえた。ホンダは、1990年にミッドシップ・スポーツカーのNSXを発売している。その乗り味は、乗用車に似た容易さや快適さがあり、広く人々にミッドシップ・スポーツカーの運転を楽しませるつくりだった。
しかし、ミッドシップ・スポーツカーではイタリアのフェラーリなどの印象が強く、昔ながらのスポーツカーの感触を求めた人には物足りなさがあったかもしれない。のちに、より走行性能に特化したNSXタイプRが1992年に追加される。
それに比べてS2000は、当初からスポーツカーらしさを実感させる走りだった。硬めのサスペンションに加え、マニュアルシフトの操作は手早く瞬時に行えるレーシングカーのようであり、エンジンはホンダらしく毎分8000回転以上まで軽やかに回り切る。オープンカーでありながら、屋根のある車体のようにしっかりとした手応えでもあった。走り出したところから、体中が熱くなるような興奮を味わわせてくれた。
S2000は先進的な技術も積極的に織り込んだスポーツカーだった
しかし、一部の愛好家以外には、特殊な強烈すぎる感触であったかもしれない。2000年には、可変式ギヤ比のハンドル(VGS)が装備されたが、ここで乗り心地が改善された。ただ、可変式ギヤ比のハンドル操作にはやや違和感があり、改善されたという乗り心地と対照的に、ハンドルを操作した際の応答に的確さが欠けるようにも感じ、クルマとの一体感が薄れてしまった。
可変式ギヤ比のハンドルについては、当時ドイツのBMW5シリーズでも採用されたが、やはり違和感は残されていた。今日、VGSは当たり前の装備になりつつある。そして、低速から高速まで違和感のない操作感覚となっている。当時、違和感をともなったとはいえ、S2000は先進的な技術も積極的に織り込んだスポーツカーであったといえるだろう。
先進的という点においては、環境性能において、S2000は当時の排出ガス規制に対して、発売翌年からの平成12年規制に実施される規制値を前倒しで適合し、スポーツカーであっても環境性能を大切にし、運転を気兼ねなく楽しめるようにする視点は、当時のホンダの指針を体現したスポーツカーだった。ホンダは、米国においてもアコードなどでLEV(ロー・エミッション・ヴィークル)に率先して適合させ、販売する方針を貫いていた。
S2000は、モデルチェンジすることなく2009年に生産を終了し、10年の歴史に幕を閉じた。走りにこだわることを貫いた姿は評価に値したが、一方で、財布などちょっとした小物を置く場所のない室内は、日常性に欠けていたともいえる。その点、マツダ・ロードスターは運転の楽しさを追求しながら、多少の物が置けたり、荷室もそれなりに小旅行の荷物を収納できたりするなど、実用的な側面を残しつつ20年を超える息の長さで愛好家を喜ばせている。
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みんなのコメント
ロードスターは私の身長だと足元も天井もギリギリですが、s2000は余裕がありますね。
後期のエンジンのストローク量アップや、アクセルバイワイヤーも触れてない。さらに最初からスポーティーなs2000と表現するなら、NSXは最初はスポーティーではなかったの?と感じてしまう。あまり知識ないのかな?ちょっと頑張って書いたけと違いましたっていうようなふんわりした記事。