専門家の意見を聞いてみる
ジェイミー・マシューズ氏:ベル&コルビル社
【画像】V6とATはトヨタ由来 エヴォーラ エリーゼとエミーラ、エレトレ 同時期のケイマンも 全137枚
「エヴォーラは、人とは違う高性能マシンをお探しの方にうってつけ。選ばれるのは、知識豊かなカーマニアの場合が多いですね。ポルシェ・ケイマンも悪くありませんが、乗り心地や操縦性ではエヴォーラの方が優れていると思います。希少性も高いですし」
「中古車を検討される際は、クラッチペダルの重さや、クラッチの滑りがないか確かめてください。アイドリング時のエンジンの異音も、確認すべきですね」
「新しいクラッチへの交換には、弊社では3000ポンド(約53万円)ほどいただいています。大体6万4000kmくらいが寿命です。私のオススメは2011年式のエヴォーラ S。3万5000ポンド(約612万円)くらいでしょうか」
オーナーの意見を聞いてみる
ジム・ホルダー:AUTOCAR
「エヴォーラ Sに乗っていたことがありますが、とても気に入っていました。普段の移動でも特別に感じさせてくれ、通勤にも問題なし。乗り心地と操縦性のバランスは素晴らしいものでした。エンジンも滑らかでしたよ」
「わたしのクルマはIPSと呼ばれるATでしたが、多くのドライバーはMTの方を好むでしょう。オプションだったレカロシートの座り心地は素晴らしく、快適でした。乗降性は、あまり良いとはいえません」
「所有期間にロータス・ディーラーを訪れたのは、フロントワイパーのヒューズ交換だけ。それも、寒くてワイパーが凍り付いていたことが理由で、わたしの不注意でした」
購入時に気をつけたいポイント
エンジン
タイミングチェーン式のトヨタ製3.5L V6エンジンは信頼性が高い。念のためECUを確認して、過去に過剰に回した履歴がないか調べたい。主に北米仕様車となるが、エーデルブロック社製のスーパーチャージャーには不具合が報告されている。
メンテナンス記録を調べ、毎年か1万5000km毎に点検整備を受けているか確かめたい。初期のエヴォーラでは、エグゾーストマウントの状態も要確認。燃費は8.0km/L前後と考えていい。
トランスミッション
初期のMTでは、シフトケーブルが伸びて変速しにくくなる不具合があった。ノイズも発生する。後期型では改良を受けている。クラッチは4万kmで交換が必要になることも。ATの場合は、滑らかに変速されるか確認したい。
ブレーキとサスペンション
ロータスへ期待する通り、優れた乗り心地と制動力を発揮するのが正常。サーキットで酷使されてきたような例では注意したい。
タイヤが偏摩耗している場合は、過去に受けたダメージでアライメントが狂っている可能性がある。走行中にフロントからカタカタ音がする場合は、アンチロールバーのブッシュが寿命かもしれない。
ボディ
コンポジット素材のボディは、サビないもの修理は高額。パネルの隙間が均等か、状態をよく観察したい。ドアハンドルは故障しがち。テールゲートのパネルは、エンジンの熱で変形することがある。トランクリッドと給油口も、状態を確認したい。
インテリア
初期型では、インテリアの品質が低いと指摘されたが、後期型では改善している。英国仕様のナビは、余り機能的ではない。ドアスピーカーのカバーや、シートのサイドサポート、ドアパネルの下部、サイドシル付近などの表皮は傷みやすい。
新車時代のAUTOCARの評価は
エヴォーラは、乗り心地や操縦性、ブレーキが突出して素晴らしい。V6エンジンも必要以上の能力を備える。これだけを見れば、満点を与えてもいいだろう。
しかし、ロータスはポルシェ911のライバルに位置するグランドツアラーとして、高めの価格を設定している。ケイマンではなく。長所との引き換えとして、多少の妥協を受け入れる必要もあるだろう。(2009年9月26日)
知っておくべきこと
2010年に、ロータスはスーパーチャージャーで過給させたエヴォーラ Sを投入。最高出力350ps、最大トルク40.7kg-mを誇った。2015年の400では、エーデルブロック社のインタークーラー付きスーパーチャージャーになり、400psと41.6kg-mを得ている。
2016年にスポーツ410が登場し、410psと42.7kg-mへ増強。2017年のGT430では430psと44.8kg-mまで強化された。さらに、モデル末期へ向けてGT410スポーツとGT430スポーツが続いた。
英国ではいくら払うべき?
2万5000ポンド(約437万円)~2万9999ポンド(約524万円)
2009年式から2010年式で状態が悪くないエヴォーラなら、英国ではこの価格帯から。整備記録がしっかり残る例が殆ど。走行距離は4万8000kmから14万5000km程度と幅がある。
3万ポンド(約525万円)~4万4999ポンド(約787万円)
状態の良い、2011年式以降のエヴォーラを英国では探せる。走行距離も短めになる。
4万5000ポンド(約788万円)以上
走行距離が短い、2015年式以降のエヴォーラをお望みなら、この価格帯から。2020年式や最終の2021年式の場合、英国では7万ポンド(約1225万円)前後は必要になる。
英国で掘り出し物を発見
ロータス・エヴォーラ 3.5 V6 登録:2011年 走行距離:2万7300km 価格:3万2895ポンド(約576万円)
オプションが充実した、ブラックのボディにゴールドのストライプが美しいJPSエディション。これまで2オーナーで、売り手は細心の注意でメンテナンスを施してきたと説明する。
サービスブックには、ロータスのディーラーや専門ガレージのスタンプがびっしり押されている。車検も2024年まで付くという。
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