長期レポートとして導入しているコナに試乗
執筆/撮影:Kaoru Kobayashi(小林薫)
【画像】編集部が長期レポート車として導入したヒョンデ・コナ 全21枚
BYDドルフィン、ボルボEX30などに続いて、AUTOCAR JAPAN編集部が長期レポートとして導入しているヒョンデ・コナに試乗しました。どれもコンパクトEVのクラスであり、3台目となる7年乗っている日産リーフZE1型40kWhの後継EVの候補です。
コナの基本性能は、バッテリー容量64.8kWh、航続距離WLTCモード541kmで、リーフ40kWhの322kmより圧倒的に長く、なかなか魅力的な性能になっています。
甲府から都内へは120~140kmあり、今のリーフでは、一度の充電で往復することはできません。後継EVには、ある程度余裕を持って、真冬でも往復できることを期待しています。バッテリー残量が減り、遠乗りの途中で充電するのはいろいろと大変で、バッテリー容量が増え追加充電なしで往復できるのは、想像以上の大きなメリットとなります。そこで、実際にコナで甲府から中央自動車道を走り、都内の青山へ行くことにしました。
自宅でバッテリー残量95%まで普通充電し、甲府南ICから中央自動車道に乗り、談合坂SAで休憩後、調布ICで下りて、一般道を走り、青山へ向かいました。途中、有料駐車場を利用しましたが、このコナの車幅は1825mmあるため1800mmを越える大型に分類され、利用できない駐車場がありました。コンパクトEVではあると思いますが注意が必要です。
青山のホテルに着いた時は、走行距離は135km、バッテリー残量64%、平均電費7.1km/kWhとなっていました。通常、甲府から都内へは標高差が200m以上あり電費は良く、帰りはその分悪くなります。
試乗により航続距離を推定する
翌日は、ホテル近くの首都高速4号新宿線の外苑ICから乗り、中央自動車道の談合坂の登り坂などでコナの性能を確認しながら、甲府へ戻りました。往復の総走行距離は255km、バッテリー残量35%、平均電費6.7km/kWhとなっており、これを元にした満充電の航続距離推定値は425kmでした。
エアコンをほとんど使わない走行のデータですが、約8割は電費の厳しい高速道路を、全てスポーツモードで電費を気にせず走っているので、WLTCモード541kmと比較すると厳しい数値にはなっています。
しかし、真冬でも東京を心配なく往復できることは確認でき、リーフの後継EVとしては十分な結果でした。また、走行データからのバッテリー容量100%の計算値は63.4kWhとなります。
富士五湖の河口湖畔にある旅の駅を往復し、その走行データからコナで郊外の一般道を走行した時の航続距離も推定しました。自宅から旅の駅までは約30kmあり、御坂トンネルの山越えとなっています。甲府の標高は約250m、御坂トンネルは約1000mあるので、トンネルに向かってはかなりの登りなので力強いトルクが必要となり、下りは回生ブレーキが必須となります。
暖かい日でしたので、エアコンの使用はなく、全てレスポンスの良いスポーツモードで往復しました。その結果、自宅の出発時97%だったバッテリー残量は帰宅時85%、走行距離60km、平均電費7.6km/kWhになっており、満充電での航続距離の推定値は500kmとなります。なかなかいい結果で、コナの素晴らしさが確認できました。
パドルスイッチがあるのに驚き
コナの運転席に座って最初に感じたのは、運転席からの景色がたいへんオーソドックスであることでした。正面の計器類は分かりやすく、中央上のディスプレイは画面が大きくて見やすく、その下のエアコンなどのスイッチ類は使いやすいように思われました。ディスプレイの中に機能スイッチを設ける輸入車EVが多い中で、何か安心感があります。
また、電動の運転席にはメモリー機能があり、乗り降りに便利で、とても高級感がありました。それに、機能が驚くほど豊富なので取扱説明書が分厚く、試乗車でしたので、乗り出すまでに多くの時間を必要としました。
そのような盛沢山の機能の中で最も大きな特徴は、回生ブレーキを4段階で切換えて運転できることではないでしょうか。それもシフトレバーではなく、パドルスイッチによって行えるもので、手元で操作が可能です。EVの面白さは回生ブレーキと回生充電にあり、このバドルスイッチは、運転そのものを楽しむ快適なドライブには、とても魅力的な機能となります。多くの輸入車のコンパクトEVにはシフトレバーはなく、また、リーフでもB/Dモードだけなので、その機能を知った時はたいへん驚きました。
実際の試乗では、市街地の交差点、車間距離の調節、下り坂での速度調整などで面白く、有効に使えることを実感でき、その制動力も十分にあり、「素晴らしかった」の一言につきます。特に御坂トンネルからの下りでは、4段階ある回生ブレーキをいろいろと変え、フットブレーキは全く使わなかったのは快適そのものでした。
安心して運転できるクルマ
以前試乗した三菱のアウトランダーも回生ブレーキがパドルシフトの5段階になっており、運転がとても面白く、楽しかった記憶があります。また、リーフを街中の運転が中心となる日常生活で快適に楽しめてきているのは、シフトレバーによる回生ブレーキの操作によるものと言っても過言ではありません。ほとんどの輸入車EVにこのような機能がなぜないのか、不思議にもなります。それともヒョンデの機能設計が、特別優れているのかなとも思いました。
また、EVにとって駆動モーターのトルク値は重要で、登り道で速度が上がっても同じ静寂性のまま加速するさまは、まさにEVの真骨頂となります。コナのトルク値255Nmと最大出力150kWは、今の3台目リーフの320Nmと110kWと比較するとトルク値は少なく、車両重量は1770kgで260kgも重くなっています。
しかしながら実際に試乗してみると、上り坂での力強さに過不足はなく、リーフとの比較でもそん色はないと感じました。ただ、アクセルを強く踏んだ時の飛び出すような加速はありません。しかし、この方が日常の運転では安全性があり、安心して運転できるクルマだと考えられます。一方、高速道路では、その安定性とパワーが今のリーフより明らかに優れていると感じました。(後編につづく)
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みんなのコメント
来年はこのような韓国車の記事を目にする事のないよう晴れやかな一年になってほしいものです。