ネオクラシックに続いてお届けする、2019年注目のカテゴリーがミドルスポーツクラス。特にスポーツNKは、爽快な走りが楽しめて実用性も高く、しかも価格も魅力的という狙い目のモデルがひしめくクラス。早速、気になる4機種を乗り比べながら、それぞれの魅力を比較していこう。
欧州の市場で磨かれたトータルバランスのよさ
ほどよくコンパクトで取り回しやすく、実用的にストリートユースをこなせて、ストレスなくロングランも楽しめ、その気になればワインディングでも十分以上に速い。
峠道でこそ輝く!? 新型「KATANA」試乗インプレッション!
しかも、パワースペックや性能を考えたら価格もリーズナブル。
バイク選びに理想的な条件がそろっているのが、このミドルクラスのスポーツネイキッドたちだ。
もともとは欧州を中心に高い人気を得ていたこのカテゴリー。
初期のころはSS由来の600ccエンジンを搭載するモデルが中心だったが、さらなる扱いやすさを求めて排気量は徐々に拡大され、現在では650~700ccの排気量帯が中心となっている。
近年ではヤマハのMT-07が大ヒット。スズキは円熟のVツインエンジンを搭載したSV650をリニューアルし、カワサキもER-6シリーズの後継となるZ650を投入。
そして今年、ホンダからクラス唯一の4気筒モデルとしてCB650Rが登場した。
いずれのモデルもオールマイティな優等生だが、乗り味にはそれぞれの個性がしっかり備わっている。
どのモデルが自分好みかじっくり比較して、ピッタリの相棒を見つけよう。
クラス唯一の直4スポーツ!
HONDA CB650R
CB650Fのエンジン、フレームに手を加えられて登場した新型がこのCB650R。「ネオ・スポーツ・カフェ」シリーズ独特のスタイリングが印象的なモデルだ。
ライバルたちがツインなのに対し、このCB650Rは直4エンジンを搭載。スロットル操作に対する応答は優しく、3速や4速、2000回転あたりでゆっくり流していても、そこから一気にダッシュできる粘りとスムーズさを誇る。パワーバンドの核は8000~1万2500回転。スタンダードなNKモデルとしては、パワーはさすがに強力で、この回転域を駆使すると速さが際立つ。
ハンドリングは身軽。動きがダイレクトで、機敏な身のこなしができ、よく曲がってくれる。このクラスのネイキッドはおおかた良好な旋回性を持っているが、CBは極低速域から4速全開で走るようなコーナリングまで、良好な旋回性を安定してキープできる。この高速スポーツ性能は大きな魅力だ。操縦性も素直で、サスやフレームのタッチもしなやか。等身大なハンドリングのレベルから逸脱することのない、フレンドリーな特性で、誰でも身構えずに使い切ることができる。
ライバルたちに対し、このCBの抜きん出ているところは動力性能と高速レンジでのスポーツ性能。その光る部分を、誰でも簡単に使いこなせるようまとまっているのがすばらしい。乗り手のスキルも、使い方も選ばないオールマイティスポーツだ。
SPECIFICAITON
全長×全幅×全高 2130×780×1075mm
ホイールベース 1450mm
最低地上高 150mm
シート高 810mm
車両重量 202kg
エンジン形式 水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量 648cc
ボア×ストローク 67×46mm
圧縮比 11.6
最高出力 95PS/12000rpm
最大トルク 6.5kg-m/8500rpm
燃料供給方式 PGM-FI
燃料タンク容量 15L
キャスター角/トレール量 25度30分/101mm
変速機形式 6速リターン
ブレーキ形式 前・後 φ310mmダブルディスク・φ240mmディスク
タイヤサイズ 前・後 120/70ZR17・180/55ZR17
RIDING POSITION 身長:176cm 体重:68kg
欧州のストリートファイターのような、幅が広く絞り角の少ないハンドルを使っているがまとまりが良い。前傾姿勢だが非常に自然。
シートからタンクはスリムでホールド性もいい。足着きも良好だ。
DETAILS
パワフルだが、全てが穏やかな性格だったCB650Fをリニューアル。
活気のあるエンジンと応答のいいハンドリングを生むシャシー、足まわりを一気に手に入れた。
光るのはアタマひとつ飛び抜けた動力性能だが、エンジンは穏やかな反応だし、ハンドリングにもクセはなく、操作系の応答はこれまで通り穏やかなまま。
扱いやすさはそのままに、走りにスポーティな色気を加え、個性的なデザインを身にまとったスポーツNKだ。
[ アルバムはオリジナルサイトでご覧ください ]
好バランスが光るスポーツネイキッドのお手本
YAMAHA MT-07
MT-07が際立つのは取り回しで光る小柄な車格と軽さ、走りの面では強力な瞬発力と運動性能だろう。
650ccクラスに入れてはいるが、排気量は688cc。
そのちょっとした排気量のゆとりを、すべてトルクの充実に活かしている。3000回転も回していれば、スロットルにダイレクトに応える強力なパワーを発揮する。
どのギアでも、このトルクを使ってダッシュした時の瞬発力は強烈! しかもこのエンジン、1万回転ほどまでリニアに吹け上がる。
ギア比もよく吟味されているのだろう。このクラスの中で非常にパワフルで、スペック以上に力強く感じる。
ノンビリ走っていても、ひとたびスロットルを大きく開ければリッタークラスのようなダッシュをするのだ。
ハンドリングは素直で従順、かつかなり軽快。
コンパクトな車体でよく曲がり、どんな道でも、必要とあらばキビキビした機動を簡単に実現する。
サスもよく動き、乗り心地は悪くないが、時折大きなギャップを越える時などにだけ、少し硬めに感じる。
ただ、スタビリティはよく、速度が上がっても路面をよく捉えるので、この足回りを信頼して思う存分スロットルを開けられる。
その扱いやすさと、機敏な身のこなし、小粋なルックスで大ヒットしているバイク。
ストリートコミューターのような雰囲気があるが、実際は何をやっても元気なオールマイティスポーツだ。
SPECIFICAITON
全長×全幅×全高2085×745×1090mm
ホイールベース1400mm
最低地上高140mm
シート高805mm
車両重量183kg
エンジン形式水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒
総排気量688cc
ボア×ストローク80×68.5mm
圧縮比11.5
最高出力73PS/9000rpm
最大トルク6.9kg-m/6500rpm
燃料供給方式FI
燃料タンク容量13L
キャスター角/トレール量24度50分/90mm
変速機形式6速リターン
ブレーキ形式 前・後φ282mmダブルディスク・φ245mmディスク
タイヤサイズ 前・後120/70ZR17・180/55ZR17
RIDING POSITION 身長:176cm 体重:68kg
ハンドル位置、シート、ステップのバランスが絶妙。
コンパクトで上体が自然に起きるのだか、腰を少し引いて乗ったりすると程よい前傾になったりする。
ライダーの体格差にも幅広く対応し、フィッティングしやすい。
DETAILS
使いやすい上に強烈なパンチを発揮するエンジンと、素直で身軽なハンドリングが魅力。
街中、峠道と、やろうと思えばどこでもクイックで元気な走りができる。
瞬発力に関しては、カタログスペックのはるか上を行っているような力強さだ。
しかも非常に扱いやすいバイクで、こういった元気のいい万能な走りをどんなライダーにも楽しませることができる。
今回試乗したのは新色で、見慣れたデザインに新鮮さを加えている。
[ アルバムはオリジナルサイトでご覧ください ]
抜群の扱いやすさを武器にオールラウンドに楽しめる
SUZUKI SV650 ABS
SV650は使い勝手のいい万能モデル。
街中での取り回しの良さや機動性、峠道での元気のいい走りからツーリングでのゆとりある走りまで、全て及第点以上。このクラスでは優等生レベルの実力で何でもこなす。
パワフルで個性的なルックスのVツインエンジンと綺麗なトラス構造を強調したカラーリングのフレームを組み合わせている。
また、このクラスの中でもっとも抑えられたプライスながら、前後サスも様々な走りに対応できる懐の深さを備えている。
車体はとてもしっかりしていて、スポーティな走りでも、この車体が醸し出すカッチリした感触を頼りに、結構強引な操作で無茶な機動をしても安定している。
エンジンは76.1PSというスペックほど強烈なパワーは感じないが、どこでも使いやすい。
レスポンスしてからのトルクの立ち上がり方が滑らかなのと、低中域からフラットな出力特性のため、力を穏やかに感じさせるのだと思う。
峠でも街中でも、その扱いやすさにまかせて気楽に開けていると、いつの間にか速すぎるペースになっていたりする。
ステップのバンクセンサーが長めで、許容リーンアングルは少々浅め。
ただ、このSV、スポーティな走りをするために特化したバイクではない。
あくまでもこのSVは、その扱いやすさを活かして、様々な走りを上手にこなせる、使い勝手のいいスタンダードスポーツバイクなのである。
SPECIFICATION
全長×全幅×全高2140×760×1090mm
ホイールベース1450mm
最低地上高135mm
シート高785mm
車両重量197kg
エンジン形式水冷4ストDOHC4バルブV型2気筒
総排気量645cc
ボア×ストローク81×62.6mm
圧縮比11.2
最高出力76.1PS/8500rpm
最大トルク6.5kg-m/8100rpm
燃料供給方式FI
燃料タンク容量14L
キャスター角/トレール量25度/106mm
変速機形式6速リターン
ブレーキ形式 前・後φ290mmダブルディスク・φ240mmディスク
タイヤサイズ 前・後120/70ZR17・160/60ZR17
RIDING POSITION 身長:176cm 体重:68kg
ハンドルが高く、上体の起きた自然な弱前傾ポジション。
スリムでシートが低いので足つき性はよく、ストリートで重宝する。
ただ、体格によってはシートとステップが近く、ヒザの曲がりが窮屈に感じるかもしれない。
DETAILS
魅力はフラットでトルクの充実したパワフルなエンジン。
剛性感のあるシャシーと、使い方を選ばない出力特性で、オールマイティな走りを実現する。
パワフルなのに応答が穏やかなので、扱いやすさは抜群。
特に上等なサスなどは使っていないので、その分わきまえは必要だが、かなりスポーティな走りまで楽しめる。
クセのない素直なバイクで、全てを及第点以上でまとめられ、総合性能において実に優秀な1台。価格も魅力的だ。
[ アルバムはオリジナルサイトでご覧ください ]
俊敏な走りが魅力のミドルZ
KAWASAKI Z650
排気量650~700cc程度のミドルクラスは以前から日本人の体格や日本の交通事情に適していると言われていたが、大型バイク崇拝意識が薄れてきた現在、ミドルクラスは確実に存在感を増している。
Z650は06年に発売されたERー6nをルーツとする、ミドルネイキッドの王道を行くモデルだ。
649ccの並列2気筒エンジンは180度クランクを採用し、中回転域から軽々と回ってトップエンドまで一気に伸びていく特性が魅力。
ERー6n時代は中回転以下でずぼらなスロットル操作をするとギクシャクする神経質さがあったが、16年のフルモデルチェンジでZ650となってからは実際に多用する低中回転域での力強さ、スムーズさが格段に増してビギナーにも優しい特性になった。
市街地やツーリングシーンでの乗りやすさがZ650最大の魅力だが、それを支えているのが一新された車体とサスペンションセッティング。
細めのスチールパイプを組み合わせたフレームは公道走行の速度域に合わせた剛性で、素直で軽快なハンドリングを示す。
前後サスペンションは乗り心地を重視したソフトめの設定だが、しっかりダンピングが効いているので峠道を駆け回ってもしなやかに動いて高い接地性を保つ。
大型バイクからのダウンサイジングでも何ら不満のない動力性能を持ち、小排気量からのステップアップでも手強すぎない。
今後さらに人気になりそうな一台だ。
SPECIFICAITON
全長×全幅×全高2055×775×1080mm
ホイールベース1410mm
最低地上高130mm
シート高790mm
車両重量187kg
エンジン形式水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒
総排気量649cc
ボア×ストローク83×60mm
圧縮比10.8
最高出力68PS/8000rp
最大トルク6.6kg-m/6500rpm
燃料供給方式FI
燃料タンク容量15L
キャスター角/トレール量24度/100mm
変速機形式6速リターン
ブレーキ形式 前・後φ300mmダブルディスク・φ220mmディスク
タイヤサイズ 前・後120/70ZR17・160/60ZR17
RIDING POSITION 身長:176cm 体重:62kg
車体がコンパクトなので窮屈そうに見えるが、実際はアップライトな上半身と着座位置自由度の高さでポジションにはゆとりがある。
フレームもエンジンもスリムなので足着き性はシート高790mmという数値以上に良好。
DETAILS
車体もしなやかなら、サスもしなやかで、それが独特の軽快なハンドリングを生んでいる。
アップライトなライポジも加わって、ツーリングも快適。
峠道では意外なほど機敏な動きができ、ソフトな足まわりを使いこなすテクニックさえあれば、かなりいいペースで走れる。
エンジンは中域から粘りと吹けにコシのある加速ができ、街中やツーリングなどで使い勝手がいい。
よほどの速度で競走でもしない限り、他車とのパワー差は感じない。
[ アルバムはオリジナルサイトでご覧ください ]
PHOTO:赤松 孝、南 孝幸、森 浩輔 TEXT:宮崎敬一郎、太田安治
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