「ボ、ボ、ボクらは少年探偵団・ヤングタイマー探訪記第2部」のはじまりです。1980年代、1990年代に販売された“ちょっと、古い、クルマ”に焦点を合わせ、クルマをこよなく愛する俳優・永山絢斗が当時の車両の正体を暴く“探偵”に扮します。永山探偵をサポートする“物知り少年”は自動車評論家の小川フミオ(少年O)とGQ JAPAN編集部のイナガキ(少年I)のふたり。取り上げるのは、シトロエンのCXだ。
ザ・ローリングストーンズとCX
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少年I ゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト。
少年O 今日はどうしたの? 楽器といっしょにロバに乗ってご登場かい??
少年I 2021年8月に亡くなった、ザ・ローリングストーンズのチャーリー・ワッツさんをしのんで、ストーンズが1970年に発表したライブアルバム『ゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト』のカバーフォトをパクってみました。
少年O 君が生まれた1989年に、ザ・ローリングストーンズはアルバム『スティールホイールズ』を発表していますが、それよりだいぶ前の話ですね。
少年I スティールホイールズツアーで初来日を果たした1990年に、私と探偵はまだ1歳ぐらいでした。
探偵 コホン。それはともかく……ザ・ローリングストーンズのドラマーと、今日のシトロエン「CX」とはどういう関係があるのでしょうか?
少年I オーナーの斉藤英弥さんはリアルタイムでむかしからストーンズと育ってきた世代で、今回、クルマで取材現場にくる途中、ドライブしながら、チャーリー・ワッツさんのジャズアルバムをずっと聴いてきたそうです。
少年O 涙。
少年I ジャズ好きのチャーリー・ワッツはステージではTシャツでしたけど、実生活ではピークトラペルにダブルブレストのスーツを愛していて、ロック界きってのダンディとして知られていました。ジャズミュージシャンたちの着こなしを参考にしていたと、本人が語っています。斉藤さんも、やっぱりオシャレな出で立ちをなさっていて、そのあたりにも共通点があるのかな、と。写真撮りますといったら、「いいです」と、遠慮なさったので、ここでは紹介できませんが。
少年O チャーリー・ワッツは、ロンドンで行きつけのテーラーを数軒持っていたけれど、「スーツはデザインをうんぬんするものではない、ピークトラペルにダブルブレストだったら、それでいいんだ」なんて言っていましたね。ラルフ・ローレンも好きだったようですが、ラルフ・ローレンのスーツのデザインは5フィート8インチ(約173cm)の自分よりもっと大柄の人向き、とも言っていたようです。オシャレに一家言あった。
【俳優・永山絢斗の“ヤングタイマー”探訪記】
メルセデス・ベンツ500E
ランチア・デルタHFインテグラーレ
マセラティ・ギブリ(2代目)
メルセデス・ベンツGクラス(2代目)
アルファロメオ・スパイダー(初代)
右ハンドルのCX 25GTi
探偵 なるほど。そろそろ本題へ……。フランスのシトロエンCX、日本の街中でほとんど見かけないクルマですね。走っている個体は、今日、初めて見ました。
少年O たしかに、そうかもしれません。でも、1974年に、シトロエン「DS」の後継として発表されたあと、フランス政府の高官を乗せてパリ中を走りまわっていたプレスティッジャスなクルマなんですよ。注目点は、ひとつは空力をデザインに応用したスタイリング。アウディ「100」(1982年)やドイツフォードの「シエラ」(同年)が、空力をデザインに持ちこんだ先駆と言われますが、シトロエンのほうが先でした。
探偵 ユーモラスなデザインは今見ても斬新というか、古さを感じないですね。とても1970年代前半に登場したクルマとは思えないです。
少年I 僕の上司である『GQ JAPAN』のスズキ編集長も、かつて乗っていたんですよ。
少年O ドイツ大使館員が日本に持ちこんだクルマで、国旗をつけるポールがバンパーについていました。大使を乗せることもあったんでしょうね。
少年I 斉藤さんが乗っていらっしゃるのは、1989年型のCX 25GTi。CXは1985年に内外装やエンジンラインナップが見直されて「シリーズ2」になるんです。したがって所有されているクルマは最終型ですね。2.5リッターの直列4気筒ガソリンOHVエンジンにオートマチック変速機の組み合わせ。しかも英国仕様なんで、右ハンドルというのもめずらしいです。
探偵 当時はこのデザインはどう受け止められたんでしょうか……珍奇だと思われなかったんでしょうか?
少年O たしかに1974年、本国で発表されたときは、ビックリしされたようですね。「GS」(1970年)という同種のデザインコンセプトの、より小型のモデルがすでにシトロエンのラインナップにあったものの、ボディを4670mmに大きく延ばして、さらに複雑なメカニズムを載せて……と、大胆にアップグレードしたわけで、はたして、やりたいことをぜんぶやった結果というか、シトロエンはその後、倒産しちゃうんです。
少年I なんかデカダンな匂いのするメーカーですね。理想の前には銭金は問題じゃない、と……。
少年O ブガッティはじめ、ドゥラエ、ドラージュ、タルボラーゴなど、戦前のフランスにはキラ星のような超高級車がたくさんあって、どれもおのが理想のために突っ走っていたんですが、戦後、紆余曲折ありながらもいちばん最後まで残ったのがシトロエンでした。そういえば、忘れてならないスペインのイスパノスイサもフランスに工場を持っていました。私、たしかセーヌ河岸にあったイスパノの旧工場、見たことあります。屋根に同社のシンボルのコウノトリが大きく描かれていました。感動的でした。
探偵 話がとりとめもなく大きくふくらんでいくのが、このCXと、シトロエンというメーカーの魅力かもしれないですね。
【俳優・永山絢斗の“ヤングタイマー”探訪記】
日産PAO
スバル・レガシィ・ツーリングワゴン(初代)
ユーノス・ロードスター(初代)
ホンダ・NSX(初代)
独特すぎる乗り味
探偵 じっさいに乗ってみると、たいへんおもしろいクルマでした。こんな操縦感覚のクルマに乗ったのは初めてです。
少年I CXの特徴は、サスペンションにイドロプヌマティック、一般にはハイドロニューマティックって英語読みで言っていますが、スプリングと筒型ダンパーの代わりに、油圧(イドロ)と空気(プヌ)による独特の構造を採用していることです。ブレーキも、ステアリングも、この油圧+窒素ガス=空気でその作動を補助する設計です。
探偵 ステアリングホイールが、手を離すと、すっと直進位置に戻るんですね。これがセルフセンタリング式というシステムなんですね! 走ってきて、ホテルのクルマ寄せにとめたときも、すすっと勝手にステアリング・ホイールが中立位置の戻るのにはびっくりしました。理由はハイウェイでの直進性をよくするためだとか。
少年O 当時、シトロエンの設計思想は、いってみれば”省力化”でしょうか。からだを無駄に動かさず、操作に必要な努力を最小限にして運転できることが、快適性につながると考えていたようです。なので、ステアリングホイールは指2本でつまんでいれば、クルマは矢のように直進し、ウインカーもワイパーもホーンも、ステアリングホイールから手を離さず操作できるように設計されています。
少年I いまのフェラーリやランボルギーニもそうですよね。ウィンカーもワイパーも親指で操作できる。シトロエンが先駆けだったんですね。しかも、CXのほうが美しくデザインされているように感じます。
少年O プラスティックの芸術といわれてました。
探偵 1995年に購入していらい、ずっとこのクルマひと筋という斉藤さんに教えてもらった運転テクニックは、ステアリング・ホイールを切ったあと、勝手に中立に戻るのをそのままにしておくと、慣性がついているので、反対側にいきがちになる。いわゆる“おつり”ですね、それが出てしまうので、中立に戻りきる寸前に、リムをもっている手ですっと握ってやるのがいいそうです。
少年I 探偵はかなりスムーズに運転していますよ。
探偵 ありがとうございます。CXは、そういうクルマなんですよ。運転者にやさしい。ふわっとした乗り心地は快適だし。エンジンは高回転型ではないですが、踏み込んでいくと、しっかりとトルクが出てくるので気持ちがいい。コーナリングも、油圧と窒素ガスのサスペンションのおかげで、予想いじょうにスポーティに乗れました。
少年O 後席もかなり快適です。
少年I ロバよりもいいですか?
探偵 え?
少年I ゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト。私は彼らのレコードを愛しています。ラブ&マーシー。
探偵 え??
少年I ブライアン・ウィルスンの、チャーリー・ワッツへの追悼辞です。
少年O ラブ&マーシーは、もとビーチボーイズの支柱だったブライアンのソロ作。なるほどたしかに。ちょっと古いクルマに必要なのは、愛と思いやりですね。古いクルマは死なずに、永遠に。そのためにがんばろうではありませんか!
【プロフィール】
俳優・永山絢斗(ながやまけんと)
1989年3月7日生まれ。東京都出身。2007年『おじいさん先生』(日本テレビ系列)で俳優デビュー。連続テレビ小説『おひさま』や『べっぴんさん』(NHK総合)、『ドクターX~外科医・大門未知子~ 第5シリーズ』(テレビ朝日系列)、そして2021年には『俺の家の話』(TBS系列)に出演。映画では2010年の『ソフトボーイ』で第34回日本アカデミー賞・新人俳優賞を受賞。
<出演情報>
・2021年10月9日スタートの土曜ナイトドラマ『言霊荘』(テレビ朝日)に中目零至役で出演。
【俳優・永山絢斗の“ヤングタイマー”探訪記】
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ランチア・デルタHFインテグラーレ
マセラティ・ギブリ(2代目)
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日産PAO
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ホンダ・NSX(初代)
【衣装】
セットアップ / ¥ 18,480(Salers Tel:03-5306-6887 )
東京都杉並区高円寺南4-22-2
まとめ・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) スタイリスト・Babymix ヘア&メイク・竹下フミ 撮影協力・ザ・キャピトルホテル東急
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