空前のアウトドアブームに導かれるように、走破性の高さや使い勝手の良さが自慢のSUVが需要を伸ばしていることは周知の通り。そんな状況も手伝って、現代はSUV百花繚乱の時代に突入しているが、そのいずれもデザインは都会的でスタイリッシュだし、走りも乗り心地も安全性もおしなべて合格点! なんだけれど、存在感という意味では少々希薄な気もするが……。
だったら、クルマを知らない人が見ても「すげえ~」と思ってもらえるような図体デカめの中古SUVを選ぶのはいかが? 二大巨頭のランクルやパジェロもいいけれど、それでは飽き足りないという人はこちらをどうぞ。
見栄っ張り注目!! 「とにかく図体デカくて押し出しの強いSUVを」という人向け 5選
文/FK、写真/トヨタ、日産、FavCars.com
いつかはレクサス! でも……一般庶民にとってLX570はまだまだ高嶺の花
LEXUS SUVのフラッグシップモデルだったLX570。1996年にLEXUS初のSUVとして北米で発売され、北米以外にも、中近東、ロシアをはじめとした海外市場で販売を拡大。そして遂に、2015年に日本デビューを飾った
1996年に北米での販売を開始したLXが国内デビューを果たしたのは2015年9月。全長5065×全幅1980×全高1910mmという迫力満点の車体サイズもさることながら、スピンドルグリルが圧倒的な存在感を放つフロントビュー、伸びやかで厚みのあるサイドビュー、洗練された造形を有するリアビューが融合したエクステリアはダイナミックのひと言に。
内装の豪華絢爛さも言うに及ばず、金属、革、本木目など異なる素材のコントラストを際立たせて上質感を演出するだけでなく、水平基調のインパネによって車両の姿勢が容易に把握できるなど、本格SUVとしての基本性能もしっかりと押さえられているのも特筆すべきポイントだ。
また、377psを発生する5.7リッターV8エンジンとスーパーインテリジェント8AT(8 Super ECT)との組み合わせもオンロードでは伸びやかな加速を、オフロードでは低・中速域での力強さを発揮。
他にも枚挙に暇がないほどのハイスペックを誇るLX570なだけに、現在の中古車市場でも平均価格は900万~1000万円の高値を維持。言われなくてもわかっちゃいるだろうが、一般庶民にとってはなかなか手が届かない高嶺の花というのが実情だ。
デカい! とにかく目立つ! 唯一無二のSUVをお探しならFJクルーザーの一択
当初は北米市場専用車種のミドルサイズSUV、FJクルーザーだったが、2010年に日本に上陸。2018年1月末で国内販売終了となった。レトロデザインなSUVという個性の強さが際立った一台だった
2006年に北米で販売を開始したFJクルーザーは2010年12月に国内デビュー。その魅力はSUVの本場である北米でも高い評価を得た個性的なスタイリングにある。両側大開口観音開きドアを採用した2ドアクーペのようなスタイリッシュな姿に直立フロントウィンドウシールドガラス、丸目ヘッドランプ、ホワイトルーフ、TOYOTAエンブレムといった力強さとモダンさを融合したディテールの数々が圧倒的な存在感を演出。
また、運転状況に応じて吸・排気バルブの開閉タイミングを最適制御するDual VVT-iを採用した4.0リッターV6ガソリンエンジン、自らの意志で作動と非作動が選択できるパートタイム4WDシステム、リアデフロックやアクティブトラクションコントロールなどの採用に加え、ショックアブソーバーも最適なチューニングを施して高い走行性能も実現している。
「後部座席が狭い」、「荷室が狭い」などの声も聞かれたが、それすらも超越した遊び心を満載した唯一無二のSUVなだけに人気はいまだ健在、中古車市場でも平均300万円超という高値安定の状況にある。
ビッグホーンはいすゞの高い技術力を誇示した希少な本格クロカンモデル
RVブームを牽引した一台となったビッグホーン。1991年にデビューした2代目はRVブーム真っ只中に登場したが、パジェロやハイラックスサーフなどの強豪ひしめくなか、少々地味な印象だった
3ナンバー専用ボディに200psの3.2リッターV6 DOHCガソリンと125psの3.1リッター直4ディーゼルターボという2種類のエンジンを設定した2代目ビッグホーンは1991年12月に登場。当初はロングボディのみの設定だった、1992年3月にショートボディが登場。
グレードもベーシックの他に3つが展開されたが、そのなかでもガソリンエンジンとショートボディを組み合わせたイルムシャーRSは、1994年のパリ・ダカールラリー市販車無改造部門でのクラス優勝で高い走行性能を証明してみせた。
1995年のビッグマイナーチェンジでは、一部グレードに前後輪のトルク比を0:100の後輪駆動状態から50:50の直結4WD状態まで自動制御するTOD(トルク・オン・ディマンド)を採用。
2001年6月の一部改良でもガソリンエンジン用コンピュータの32ビット化をはじめ、各気筒ごとの燃焼状態を検知して最適な点火時期を設定するイオンセンシング式イグニションシステム、リニアなアクセルワークを実現した電子制御スロットルを採用して商品力の向上が図られたが、2002年にいすゞの乗用車事業からの完全撤退に伴って惜しまれつつも生産終了となった。
スカイライン クロスオーバーの真骨頂は今でも通用する流麗なスタイリング
クーペとSUVの融合というコンセプトのもと、2009年に誕生したスカイライン クロスオーバー。新車販売価格が472万5000円~447万3000円だったことを考えると、現在の中古車相場はかなりお得。絶対買いの一台だ
地を捉えて宙を駆ける姿を連想させる躍動感あるエクステリアが目を惹くスカイライン クロスオーバーは2009年7月にデビュー。2400~7000rpmで最大トルクの90%を発生する力強さと扱いやすさを両立した最高出力330psの3.7リッターV6 DOHC24バルブエンジンとマニュアルモード付き7速ATとの組み合わせがスカイラインの名に相応しい優れた運動性能を発揮した。
モダンで上質なインテリアも魅力のひとつで本木目フィニッシャーに高級材であるカーリーメイプルを採用し、表面にバイオリンのようなグラデーション塗装を施すことで華やかさと仕上げの良さを演出。
また、駐車ガイド機能付きアラウンドビューモニターや車線逸脱防止支援システムといった先進装備も数多く採用された。現在の主流とも言えるクーペとSUVの融合から生まれたアーバンSUVを代表するスカイライン クロスオーバーの現在の中古価格相場は平均で120万円前後。
いま見ても古さを感じさせないスタイリッシュな一台は、中古SUVを狙っている人にとっては十分にアリな選択ではないだろうか?
アウトドアシーンに映えるクロスロードのカクカクしたエクステリアデザイン
スクエアな塊感のある力強さ謳い文句のエクステリアデザインを持ったクロスロード。カクカクしたデザインが少なかった当時は、斬新さが際立った。全長を4285mmと短くすることで取り回しの良さを実現した
2007年2月に登場したクロスロードはここまでに紹介してきたモデルに比べるとコンパクトな部類にカテゴライズされるものの、3列7名乗車機能を持たせたことで既存のカテゴリーを超えた新たな価値を提案したSUV。
“アクティブ・ライフ・ナビゲーター”をコンセプトに開発されたクロスロードは塊感あるスクエアなデザインが力強さや存在感を際立たせるとともに、センターピラーやウィンドウ周りを彫り深く面取りした造形にしたことでたくましさも表現。
隅々まで四角を基調としたインテリアも骨太で安心感のある空間を演出していた。エンジンは2.0リッターi-VTECと1.8リッターi-VTECの2タイプを設定し、ホンダならではのVTECを進化させたバルブタイミング制御とドライブ・バイ・ワイヤとの組み合わせで、スロットルバルブの最適制御を実現。低速域からの力強いトルクとクルーズ走行時の優れた燃費性能を両立した。
現在の中古車市場では平均価格が100万円前後と比較的リーズナブルなこともあり、最近はカスタムベースとしても秘かに注目を集めている。
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