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最新で最後のエンジン・ロータス エミーラ・プロトタイプへ試乗 3.5L V6は継続 後編

掲載 更新 4
最新で最後のエンジン・ロータス エミーラ・プロトタイプへ試乗 3.5L V6は継続 後編

サーキットで自由自在に振り回せるパワフルさ

ロータス・エミーラの始動時は、デフォルトでドライブモードはツーリングが選択され、エグゾーストのバルブは閉じている。エヴォーラより車内は静かだ。スポーツを選択するとバルブが開き、アイドリング時でも低音が響く。

【画像】新生 ロータス・エミーラ・プロトタイプ 競合するスポーツモデルと写真で比較 全139枚

モードに関係なく、アクセルペダルを踏み込み高回転域まで引っ張れば、相変わらずの美声を響かせる。バックミラー越しに、スーパーチャージャーのバイパスバルブが動く様子が見え、気持ちが高ぶる。

レッドラインは、超高回転とはいえない7000rpm。それでも中回転域のトルクが太く、レスポンスは鋭敏。回転域を問わず活発で、早めのシフトアップに耐える粘り強さもある。

車重は1430kgで、最高出力は405psだから、充分にパワフル。グリップ力も高い。パワーウエイトレシオはハインドモデルと比べれば控え目だが、サーキットで思う存分振り回せる。

余談だが、公道で能力を発揮しきれないことへ不満を感じるスーパーカー・オーナーからも、エミーラへ関心が寄せられているとロータス側は話していた。

シフトレバーの動きは正確で、重み付けも良好。3速と4速の間で、少し動きがきつく感じられた。

量産車とは異なり、プロトタイプにはアクティブ・レブマッチ機能が搭載されておらず、サーキットを攻めるにはヒール&トウが求められた。ブレーキペダルの感触は硬く、右足の支点として機能することは確認できた。

ブレーキも良く効く。数周のハードラップで、制動力が落ちることもないようだ。

ステアリングもサスペンションも素晴らしい

ステアリングにも非の打ち所はない。やや時代遅れに思える、油圧パワーステアリングを固持したロータスの判断は、正解だったといえる。メルセデスAMGのユニットを積む方は、電動油圧式になるという。

操舵感は極めて正確で、反応は線形的。ピットレーンでの助走から本コースでのタイトなコーナリングまで、フロントタイヤのスリップアングルなどを鮮明に伝えてくれていた。

サスペンションの動きも素晴らしい。電子的なアクティブ・システムを採用していないが、これといった不満も感じられなかった。

コーナーの縁石へ乗り上げるような場面では、優れた衝撃吸収性を披露。滑らかな路面だったとはいえ、ツーリング・サスペンションの柔軟性の片鱗は確かめられたと思う。

ハードコーナリング時はボディロールが明確に発生していたが、これはシャシーへ掛かる負荷をドライバーへ伝えてくれる、お馴染みの動き。トレッドが広いシャシーに、専用のグッドイヤー・タイヤが組み合わされ、グリップも感心するほど高かった。

プロトタイプに搭載されたGメーターの限り、横方向に1Gまで耐えることは確認できた。スポーツ・サスペンションにミシュランのカップ2タイヤという組み合わせなら、さらに高まるに違いない。

扱いやすさでは、プロトタイプの組み合わせでも秀逸。カーショーが率いる開発チームは、限界の高さだけでなく、それを超えた先での懐の深さにも自信を見せる。

チャレンジングなルートでもフレンドリー?

滑りやすいヘアピンカーブでは、フロント側がリアより先にグリップ抜けするが、スタビリティ・コントロールがアンダーステアを慎重に制御。早めのパワーオンでバランスが崩れるものの、スポーツ・モードでは適度なリアタイヤのスライドを楽しめた。

スタビリティ・コントロールを完全にオフにすれば、パワー・オーバーステアも自在。豊かなトルクと鋭敏なステアリングで、意のままにエミーラの向きを調整可能だった。まだ、プロトタイプという状態ででも。

小柄なボディを振り回せるだけでなく、サーキットで最も輝くのは、繊細な質感。すべてが理想を求めて設計されており、ミドシップ・レイアウトならではの機敏さがある。

V6エンジンは車両の中心近くへ搭載され、秀でた回頭性と軽快なコーナリングを叶えている。それでいて、S字コーナーなどでブレーキング中にステアリング操作を加えても、不安な挙動はまったく見せない。

チャレンジングなルートでも、フレンドリーなスポーツカーに仕上がりそうだ。まさに、ロータスらしい。

確認できなかった部分は沢山ある。そもそも、一般道での走りは体験できていない。パワフルなメルセデスAMGの4気筒ターボと、デュアルクラッチAT、ツーリング・サスペンションとの組み合わせにも興味が湧く。

「デザイナーが仕上げた姿を初めて目にした際、衝撃を受けました。スタイリングへ一致させるため努力しなくては、とCEOの前で口にしたんです」

筆者の第一印象の限り、カーショーは有言実行できたように思う。公道で味わえる日が待ち遠しい。

ロータス・エミーラ・プロトタイプのスペック

英国価格:7万5995ポンド(約1177万円)
全長:4412mm
全幅:1895mm
全高:1224mm
最高速度:299km/h
0-100km/h加速:4.3秒
燃費:10.3km/L
CO2排出量:225g/km
車両重量:1430kg
パワートレイン:V型6気筒3456ccスーパーチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:405ps/6800rpm
最大トルク:42.6kg-m/3500rpm
ギアボックス:6速マニュアル

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みんなのコメント

4件
  • 本物のロータスはエスプリターボまで。
    あとは韓国製のなんちゃってカー
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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