短命だったけど今こそ乗りたい3台のSUV
各メーカーから登場するクルマの中には、何代にも渡って販売される車種もあれば、1代限りで終了してしまうモデルもある。しかし、それはデビューがちょっと早すぎただけで、今ならひょっとして大化けする可能性があるかもしれない。
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特に現在、世界的に大ブレイクしているクロスオーバーモデルがその筆頭だ。アウトドアユースにピッタリなデザインや機能、走破性を持ちつつ、今見てもオシャレ!! そんな、中古車でしか手に入らないオススメの3台を紹介したい。
1)トヨタ・FJクルーザー
まずはヘビーアウトドアユーザーにピッタリだと思えるのが、2010年12月に日本で発売され、2018年1月に生産が終了した、トヨタの「FJクルーザー」である。
もともと北米専用車として開発された、往年の名車「FJ40ランドクルーザー」をオマージュした、見た目以上に本格的なSUV、クロスカントリーモデルであり、日本に導入されていない頃から、並行輸入で人気爆発。それを見て急遽、国内でも生産・販売されることになった経緯がある。
レトロチックなデザインを特徴とするボディは全長4635mmに対して、全幅が1905mmもあるのは、やはり北米向けだったからで(北米ではミドルサイズだが)、コンパクトに見えても、タフなフルフレーム構造のプラットフォーム、本格クロスカントリーモデルならではのパートタイム式4WD、4L V6エンジンを搭載することから、車重は1.8~1.9トンに達する。
現在もたまに街中で見かけるが、鮮やかなボディカラーもあり、実に目立ち、新鮮でもある。意外なことに(!?)アウトドアユースでの使い勝手も優秀で、防水&撥水処理済みのシート表皮や荷室(ワイパブルフロア)、6:4分割の後席格納時の広大でフラットなスペースなど、令和のアウトドアシーンでもまったく遜色ない使いやすさの持ち主である。もしかしたら、最新のSUVよりアウトドアにオススメできるかもしれない1台だ。
ただ、中古車の流通量がそれほど多くないため、現在の中古相場は139万円から429.8万円と高値安定の傾向。アウトドアやサーフ&ウインタースポーツに使われることも多いから、走行距離が少ないタマに出会えたらラッキーである(程度とは別問題だが)。
なお、2010年の発売以来、2012年7月、2013年7月、2014年7月に一部改良が行なわれているが、基本部分の途中改良はない。
2)ホンダ・エレメント
次に紹介する車種も、北米向け・北米生産の1台であるホンダ「エレメント」。西海岸のライフガードステーションをモチーフにした、いかにもタフなデザインを取り入れた、サーファー向けの両側観音開きドアを備えるクロスオーバーモデルで、日本では逆輸入車として販売され、2Lエンジン+4ATの4WDモデルのみが、車名・形式=「ホンダ・オブ・アメリカUA-YH2」として販売されていた。
樹脂パーツを多用したエクステリアや、先に触れた観音開きドア、全長4300mmにして全幅1815mmのショーティ&ワイドなボディサイズ、最低地上高175mmの余裕、そして防水シートにワイパブルフロアなど、今なら大注目されそうなパッケージ
仕様も当時は早すぎた感ありで、2003年4月に発表された後2005年5月に輸入終了と、わずか2年間の短命モデルだったのだ。
西海岸のイメージをより強く感じさせるサンセットオレンジパールや、アウトドアテイストが一層際立つショアラインベージュメタリックのボディは、今、見かけても存在感たっぷり。ヴェゼルやCR-Vよりアウトドアユースに似合う一台。
ちなみにサテンシルバーメタリックの内装はグレー×ブルー、ガラパゴスグリーンメタリックの内装はグレー×グリーンと凝っていた。そのほかのボディカラーの内装は地味目のブラック×グレーである。
当然、販売期間が短いだけに中古車を探すのは難儀だろうが、上記の2色のボディカラーを見つけ、程度さえ良ければ、即買いではないだろうか。なお、現在の中古相場は29万円から228万円となっている。
3)ホンダ・クロスロード
最後に紹介するのもホンダ車で、現行車種にはないコンパクトな3列シートクロスオーバーSUVの「クロスロード」だ。
うっかりまったく別物のクロスロードを買ってしまわないように記しておくと、1993年に日本で発売を開始した初代クロスロードは、ランドローバー・ディスカバリーのバッジエンジニアリング(ブランド名や車名や変えて販売する方法)によるOEM車両。
そして、ここで言うクロスロードは、2007年から2010年まで生産された正真正銘ホンダ車の2代目クロスロードである。成り立ちは、当時のミニバンブームで勢いがあったストリームをベースに3ナンバー、3列シート7人乗りに仕立てたクロスカントリーモデル。
パワーユニットもストリーム譲りで、1.8Lと2L+5ATを用意。ボックスタイプのボディデザインや、サイドウインドーをあえて小さくしたタフネスさを強調したエクステリアデザインは、今見てもなかなかのもの。決して古臭さなど感じさせない存在感があると言っていい。
もっとも、全長4185mm×全幅1755mm、全高1670mmのボディサイズ、2700mmのホイールベースから想像できるように、ショーティなサイズだから、ストリーム同様3列目シートはあくまで緊急用。3列目シートは格納して荷室を広げて使うのが正しかったりする。キャンプなどに出かけ大荷物を積むなら、2・3列目席格納状態が必須となるため、2名乗車で使うのが正解だろう。
今、クロスロードをクロスオーバーSUVのオシャレ系中古車として狙うなら、最上級かつ動力性能に余裕がある(当時として)2L、150psエンジンを積む「20X」「20Xi」グレードの「ヒルスタートアシスト」などを完備した4WDが見つかればラッキーだ。
もっとも、FJクルーザーやエレメントと同様に、登場するのが早すぎて、なかなか多くのユーザーに受け入れられず、約3年8カ月の短命で終わった車種だけに、中古車市場では希少な部類に入り、見つけるのはなかなか難しいと思う。現在の中古相場は15万円から175万円となっている。
※文中の中古車相場はすべて編集部調べ(2020年7月時点)
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