HKSのアドバンスド ヘリテージ第1弾がお目見え
2023年10月29日(日)に富士スピードウェイを舞台に開催された、「R’s Meeting 2023 in 富士スピードウェイ」。日産の「スカイラインGT-R」および「NISSAN GT-R」専門誌である『GT-R Magazine』プレゼンツとなるこのGT-Rファンのためのイベントも通算16回目、これで14年連続の開催となる。日産自動車やGT-Rのチューニングをプロデュースするチューニングメーカーなど92小間ものブースが出展した中から、気になるブースやアイテムを紹介しよう。
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HKSのR32 GT-Rエンジンチューンがさらに進化
ボンネットを開放したR32 GT-Rをブースの前にディスプレイしていたのが、HKS。そのエンジンルームを覗いてみると、カーボンのパイプが顔をのぞかせている。HKSが提案する旧車に最新の技術、未来の技術を提供する「アドバンスド ヘリテージ」プロジェクトの一環として2023年9月に発売されたばかりの、CFRPインテークシステムだ。RB26DETTエンジン用の既存のインテークシステムに対して、素材をドライカーボンに変更しただけでなく、さまざまなアイデアが投入されている。
細部までこだわり抜いたCFRPインテークシステム
CFRPインテークシステムはその名称通り、素材をドライカーボンとすることで純正に対して約65%軽量化。従来のHKSのインテークシステムではフィルターがむき出しとなっているが、熱を嫌う方も多いという現在のオーナーの要望もありボックスタイプが採用されている。中に装着されるフィルターは純正形状に近いものが採用されているがサイズが拡大され、エアフロセンサーも専用品になっているという。
さまざまな部分で高効率化が図られ、圧力損失も従来品に対して46%低減(600ps相当)されている、CFRPインテークシステム。ツインターボのためサージングが起きやすいRB26DETTだが、レイアウト上、パイプを同長にするのは難しいため、長さを調整しつつ径を微妙に変えることで前後タービンの流速をできるだけ合わせているという。同時にサクションパイプ内にアンチサージプレートをセットし渦を発生しづらくする合わせ技となっている。
ちなみにドライカーボンのパイプは、高温となる過給後のチャンバーパイプやタービンに近接するサクションパイプには耐熱温度350℃以上の高耐熱プリプレグを採用。つまり同じドライカーボンでも、パイピングやエアクリーナーボックスと異なった素材が使用されているということである。
職人のハンドメイドで価格は173万8000円
さて気になるのは価格だが、なんと税込みで173万8000円。金額を見ると驚いてしまうが、ドライカーボンのためほぼ職人さんのハンドメイドで製作されており、製作本数も限られているからなのだとか。興味のある方はぜひ販売店(HKSパフォーマンスディーラー、HKSテクニカルファクトリー、HKSサービスセンター)へ確認してほしい。
HKSのブースではCFRPインテークシステムの他、GTタービンシリーズのニューモデルとなる4950と6290(後ろ2桁は想定出力)、VRエンジン用のピストン、R34用のマフラーなどもディスプレイされていた。
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