一時期注目されたが、「そういえば最近あまり意識しない」と感じるクルマの外装パーツのひとつにクリア化されたテールランプがある。
アフターマーケットではドレスアップとしてクリアタイプのテールランプが流行っていたし、メーカーが違いを見せるために純正採用するケースが多かった。
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特にスポーティカーやハイブリッドカーをはじめとするエコカー御用達というイメージが強く、ほかのモデルとと差別化するためにクリアタイプのテールランプが好んで使われた。
当記事ではかつては一味違う感が強かったクリアテールが流行った背景と今を考察してみた。
文:永田恵一/写真;TOYOTA、NISSAN、HONDA、MITSUBISHI、MAZDA、SUZUKI、DAIHATSU、平野学
【画像ギャラリー】違いをアピールする効果は健在!! 減りゆくクリアテールランプを採用する現行精鋭たち
スポーツ&GTで流行
1998年にデビューしたアルテッツァのクリアテールランプは当時としては珍しかったこともあり、斬新なイメージだった
ノーマル状態でのクリアテールランプの先駆けだったのは1998年に「AE86の再来」という強い期待(期待外れ感もあったが)も伴って登場したトヨタアルテッツァだったように思う。
確かに当時のテールランプは赤基調のものがほとんどだっただけにそれなりのインパクトがあり、アルテッツァのカタログにも「精巧に組み上げられた機械のイメージでデザインされたテールランプ」と記載されていた。
以降クリアテールランプはスポーツモデルでは、マツダRX-8、マツダロードスターの3代目モデルの前期型、ホンダシビックタイプRユーロ、マイナーチェンジ前のトヨタ86&スバルBRZ、限定車の先代シビックタイプR、ホンダS660、現行シビックタイプRという採用例が浮かぶ。
RX-8は片側丸2灯の上にクリアカバーを装着したタイプのクリアテールランプを採用し、スポーティかつ高性能であることをアピール
エコカーのアイデンティティとして多用
またクリアテールランプは、「目新しさが21世紀のエコカーのイメージとマッチする」という面もあったように思われる。
限定車だったティーノハイブリッド、初代と2代目のエスティマハイブリッド、初代アルファードハイブリッド、先々代のクラウンハイブリッド、2代目から現行4代目のマイナーチェンジ前までのプリウス。
2001年にデビューした初代エスティマハイブリッドは、ノーマルの真っ赤なリアコンビに対し、丸灯を埋め込んだクリアテールに仕上げて差別化
2010年のマイチェンで追加されたフィットハイブリッドは、まばゆいばかりのクリアテールランプでガソリンモデルとの違いをアピール
EVのリーフも初代モデルではクリアテールランプを採用。クリア=クリーンというイメージでエコカーに積極的に採用された
さらにはアクア、リーフ、アウトランダーPHEVの初期モデル、2代目フィットのハイブリッド、2代目XVハイブリッド、4代目インプレッサハイブリッドといったハイブリッドカーや電気自動車の採用例も多かった。
クリアテールランプはエコカーやスポーツモデルで広がった余波もあったのか、初代と2代目のアクセラ、初代と2代目のアテンザ、現行アウトランダーの初期モデル、3代目インプレッサの5ドアハッチバックなど、実用車での採用例も珍しくはなかった。
2008年にデビューしたアテンザセダン/スポーツ(5ドア)/スポーツワゴンともクリアテールランプを採用し、スポーティさをアピール
クリアテールランプを採用する現行モデル
ノア/エスクァイアのなかで最も若者に人気があるヴォクシーには、昔ながらのフルクリアタイプが採用されている。クリアは若者向けというメーカーは多い
トヨタはアクア、ヴェルファイア、タンク、スペイド、ヴォクシー、カムリ、クラウンのRS系がクリアテールランプを採用している。
そのほかのメーカーでは、日産がルークスハイウェイスター、ホンダがシビック、S660、N-WGNカスタム、N-BOXカスタム、三菱がeKクロススペース、スズキがスペーシア、スペーシアカスタム、ワゴンRスティングレー、ソリオ、ソリオバンディット、ダイハツがムーヴカスタムなどとなっている。
スズキは日本の自動車メーカーでは積極的にクリアテールランプを採用しているメーカーで、写真のソリオはクリア+メッキパーツという王道を行く
確かに全盛期に比べると、「減ったけど、根強く残っている」といったところだ。
現行モデルの採用車の顔ぶれを見ても、『差別化』のためにクリアテールランプがアイテムとして重要視されているのがわかる。
ただ、流行時には全面クリアタイプやクリア部分の面積が広かったが、最近ではクリアタイプと言ってもクリア部分はアクセント的に使われている傾向にあるようだ。
三菱eKクロススペースは縦長デザインのテールランプを採用し、クリア部分がアクセントとなっている
なぜ一時よりも減ったのか?
フィットは先代、現行ともハイブリッドにクリアテールランプを採用していない。EVのリーフも現行の2代目でやめた
採用例が減った理由は以下のようなものが考えられる。
(1)特にハイブリッドカーは当たり前のものとなったため、そのことをアピールするほどではなくなった
(2)クラウンのRS系のようにクリアテールランプというのは同じでも、控えめなものにするという手法も出始めた
(3)テールランプに個性を加えるなら、クリアテールランプとは対照的に暗めの印象にするスモークテールランプの類いも登場
(4)兄弟車、姉妹車が減っている
クラウンのRS系はクリアテールランプのトレンドともいえる、見た目のクリア部分の面積が小さいタイプを高級車として唯一採用している
と、「テールランプは視認性などの機能を満たしていれば、デザイン性を盛り込んでいいパーツなので、流行やマイナーチェンジでのお色直し、差別化のため変更を行いやすい」ということだろう。
マイナーチェンジでのお色直しでは86&BRZはクリアテールランプからクリアではないアフターパーツのようなデザインに変わり、差別化ではトヨタ車の兄弟車や軽自動車の標準系とカスタム系がわかりやすい例だ。
写真上がマイチェン前、下がマイチェン後の86で、リアコンビがクリアかそうでないかでイメージがかなり違う。手軽なドレスアップとして最適ということだろう
まとめ
テールランプのデザインにこだわるという人はいつの時代にも一定数いて、現在でも手軽なドレスアップとしてアフターパーツでクリアテールランプに変更している人もいる。
「マイナーチェンジ後のものにしたい」、「クリアやスモークになったアフターパーツを着けたい」というなら、車検対応品を選ぶなどして法規さえ守って、自分好みのものにして楽しむのがいいだろう。
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みんなのコメント
ベストカーやCARトップやくるまのニュースの記事書いてるライターは、常に何かをディスる文章しか書けないのか?
のりものニュースなど自動車以外の初心者向けサイトは、事実を淡々とわかりやすく書いていて既知の内容でも悪い印象は受けない。
自動車業界は、記事の間違いも多い低レベルさなのに、何故かライターは逆に上から目線でメーカーや自動車愛好家を馬鹿にする表現を多用する。
こんなところにも、自動車雑誌や自動車メディアが斜陽産業化して幼稚な人材しか集められない現状が表れている。