将来に向けて全モデルの電動化を表明したボルボが、日本のラインアップでも、2021年モデルより、なんと内燃機関のみの仕様を廃止することを発表。
これにより全モデルがマイルドハイブリットもしくはプラグインハイブリッドとなる。
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日本販売の主力となるコンパクトSUV「XC40」も同様で、マイルドハイブリッド仕様を基本とし、新たにプラグインハイブリッドを追加する。2021年モデルのXC40はどう進化するのだろうか。
文:大音安弘、写真:ボルボカージャパン
【画像ギャラリー】全車グレード電動化!ボルボのコンパクトSUV「XC40」の2021年仕様をチェック
2021年モデルからすべてを電動車に!
ボルボカージャパンは、2020年8月25日、日本で販売するボルボの全てラインアップを電動車、つまりマイルドハイブリッド仕様もしくはプラグインハイブリッド仕様(PHEV)とすることを発表。
その一歩として、全車を電動車としたSUVシリーズ「XC40」、「XC60」、「XC90」の2021年モデルを発表した。
これにより「XC60」と「XC90」に設定されていたクリーンディーゼル車も廃止され、パワートレインは、ガソリンエンジン+モーターのみとなる。
ボルボの日本販売での主力を担うコンパクトSUV「XC40」は、出力の異なるガソリン仕様の2.0L直列4気筒ターボモデル「T4」と「T5」が用意されていたが、これがマイルドハイブリッド仕様に置き換えられ、新たにPHEVを追加。その結果、ボルボの全モデルでPHEVが選べるようになった。
年内に国内販売モデル全てを電動化を表明したボルボ。XC40は、ブランドエントリーを担う重要なモデルだ
電動化された最新のXC40の特徴
従来型との最新型の違いだが、内外装のデザイン変更は基本的にはなく、パワートレインの刷新が最大のポイントだ。販売の中心となるマイルドハイブリッドは、出力の異なる「B4」と「B5」に置き換えられる。
パワーユニットは、2.0L直列4気筒ターボに、ISGM(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター・モジュール)と小型のリチウムイオン電池で構成される48Vマイルドハイブリッドシステムを組み合わせたもの。
ISGMは、発電機と置き換えられた多機能なモーターユニットで、回生ブレーキによる発電、エンジン始動、モーターアシストなどの役目を担う。マイルドハイブリッドなので、効率を高めるのが目的で、モーターのみの走行はできない。
ただエンジン始動が、滑らかかつ静かに行えるので、アイドリングストップからの再始動時の不快な振動と音から解放されるのも大きなメリットだ。
全車が電動車となった新XC40。その主力は、48Vマイルドハイブリッド仕様となるガソリン車だ
エンジン性能は、多くのグレードに搭載される「B4」が、最高出力197ps(145kW)、最大トルク300Nmを発揮。
スポーティグレード「Rデザイン」に搭載される「B5」は、最高出力250ps(184kW)、最大トルク350Nmまで性能を向上。これに最高出力10kW、最大トルク40Nmのモーターアシストが加わる。
トランスミッションは、全車8速ATを搭載。駆動方式については、グレードによりFFと4WDが設定される「B4」に対して、「B5」は4WDのみとなる。
燃費消費率は、「B4」が12.7~12.5km/L、「B5」が12.8km/Lとなっている(ともにWLTCモード値)。
新機構のPHEVを追加
XC40にも追加されたPHEV「Recharge Plug-in hybrid T5(リチャージ プラグインハイブリッドT5)」は、ボルボの他モデルで展開されるものとシステムが異なるのが大きな特徴だ。
他のシステムは、前輪をガソリンエンジンが、後輪をモーターが受け持つ4WDシステムのプラグインハイブリッドであったが、XC40は、前輪駆動のみに。
基本的なシステムの構造は、1.5Lの3気筒ターボエンジンに7速DCTを組み合わせたもので、モーターは、直接トランスミッションに接続されている。他のプラグイン同様に、車両中央に、リチウムイオン電池を内蔵する。
エンジンの性能は最高出力180ps(132kW)、最大トルク265Nmを発揮。これに最高出力60kW、最大トルク160Nmの高出力モーターを備える。ハイブリット走行を基本とし、状況に合わせてEV走行も積極的に活用する。
またドライブモードをピュアモードに選択すると、135km/hまでEV走行が可能。バッテリーのみの航続距離は45.6kmとしており、日常的な走行距離ならば、EV感覚で利用することができる。
200Vの普通充電に対応しており、満充電に必要な時間は、約2時間半から3時間としている。
満充電で約40kmの走行が行えるので、日常利用なら電気だけで走ることも可能だ
XC40の新価格は?
価格は、マイルドハイブリッド仕様が、409万円~589万円となり、従来型の400万円切りモデルが無くなったことで、エントリー価格も上昇した。
新設定のプラグインハイブリッド仕様「Recharge Plug-in hybrid T5 Inscription」が649万円とシリーズ最高値となるが、トリムレベルも上級仕様となるため、特別感あるモデルとなっている。
2019年にV40の生産を終え、新たなブランドエントリーモデルとなるXC40だけに、電動化によるコストアップに市場がどう反応するかが注目される。
ただ価格上昇だけでなく、ワイヤレスチャージング機能を全車標準化。さらに新車保証についても、5年に拡大するなど、商品力向上も図られている。
外観上の差別化は限定的。最大のポイントは、左側フェンダーに備わる充電口だ
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