画期的すぎる「VTEC」をごく簡単にいうと…?
1989(平成元)年に発売された2代目「インテグラ」は、それまでの「クイント・インテグラ」から車名が「インテグラ」に変わり、よりスポーティでスタイリッシュなデザインになりました。そして何より話題になったのは、当時新開発だったDOHC「VTEC」エンジン搭載第1号になったことです。
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「VTEC(Variable Valve Timing & Lift Electronic Control System)」とは、可変バルブタイミング・リフト機構のこと。運転条件によって、エンジンのバルブタイミング(開閉時期)とバルブリフト量(開く高さ)を自動的に切り替えるというものです。
これにより、低・中速性能のトルク性能を犠牲にしないまま、高回転、高出力が引き出せるように。どっちにも強い、画期的なエンジンの誕生となったのです。NA(自然吸気)エンジンでリッター(排気量)あたり100馬力を初めて実現し、気持ちいい走りでユーザーを魅了しました。
ヒントは「ねぎま」
その後VTECエンジンは改良を重ね、「シビック」はじめ様々なホンダ車に採用されて、ホンダの高性能エンジンの代名詞となりました。
ちなみに、このVTECの技術は、エンジニアが焼鳥屋さんで思いついた、というのはよく知られた話です。火の上で回転する「ねぎま」のねぎが炭に引っ掛かって動かず鳥肉だけが回っているのを見て、「3つのロッカーアームを内蔵ピストンピンで串刺しにし、油圧制御する」という機構が閃いた、ということだそうです。どんな小さなヒントも見逃さない。シャープな発想で走行性能向上に常に挑戦する、キレッキレのエンジニア集団「ホンダ」らしいエピソードです。
さて、走りの面で新しい扉を開いたこの「インテグラ」、CMでも話題になりました。当時大人気のハリウッドスター、マイケル・J・フォックスを起用。映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のようなコミカルな動きと演出、そして「カッコインテグラ」の決め台詞が、いまでも印象に残っています。
「カッコインテグラ」からのアメリカナイズ?
米国でも「アキュラ・インテグラ」の名前で販売され、当時、カリフォルニアあたりでは幅広い年齢層のオーナーが乗っていた印象があります。筆者はショッピングモールの駐車場で隣りあった際、うっかり「カッコインテグラだ!」と言ってしまったばっかりに、拙い英語であのCMを説明する羽目に。最後まで辛抱強く聞いてくれたオーナー氏に、「で、それは面白いのか?」と言われてしまったことが思い出されます。ごめん、マイケル。
しかし、そんなアメリカナイズされた雰囲気に憧れたのか、この「インテグラ」をベースに、アメリカ車風にカスタマイズするユーザーも出現。ローダウンし大径ホイールを履き、マッシブな雰囲気になった写真が、当時のカスタムカー雑誌に載っていたものです。ノーマルでは、サッシュレスドアや大型三次曲線ガラス、スリムピラーなどの採用ですっきりスポーティな外観ですが、まったく違う見た目になる面白さがありました。
天皇陛下も御愛用されているこの2代目「インテグラ」、いまでもたまに見かけると、「カッコインテグラ!」と叫びたくなる、印象深い1台です。
【画像】2代目「インテグラ」のインパネまわり
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