もはやバブル! と言われるくらいバイクの中古車価格が高騰している。数年前なら気軽に買えた一般モデルでも、今では新車価格を上回ることが珍しくない。ましてやプレミアム価格の絶版車に至っては数百万が当たり前、まさに空前絶後の加熱相場になっている。
その原因は様々あるが、基本的にはコロナ禍における密を避けるレジャーとしてバイクが注目されていることと、同じ理由による新車の生産遅延のためだ。
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加えて、中高年がバイクにリターンする動きがこの10年ほどで定着しおり、相場高騰に拍車をかけている。特に、久しぶりにバイクを買おうという方は現在の相場に愕然とするはず。
ここでは、昔憧れていたバイクに乗りたい! というリターンライダーに1970~1980年代人気絶版車の現状を紹介したい。
さらに、絶版車があまりにも高くなり過ぎたため手が出ない、絶版車は盗難やメンテナンスが心配という人のために、絶版車の雰囲気を持つ、おススメの新車も挙げてみた。
文/市本行平
取材協力/ZEPPAN UEMATSU
写真/ZEPPAN UEMATSU、KAWASAKI、HONDA、YAMAHA、SUZUKI
【画像ギャラリー】絶版バイクの魅力を再発見!! 1970~1980年代に売れた人気車の現在地
■Z1/Z2の初期型火の玉カラーは800万円、CB750フォアはプライスレス
クルマで言うと、ハコスカのスカイラインGT-Rにあたる人気のカワサキ初代Z1/Z2。バイク好きでなくても憧れる火の玉カラーは、10年ほど前なら300万円程度で買えなくもなかった。しかし今では「800万円が相場」と、絶版車専門店・ウエマツ営業部長の峯尾氏は話す。
初期型とは、1972年生産のZ1と1973年登録のZ2のことで、特に初代Z2は3600台しか存在しないため、希少価値が高い。バイクオークション大手のBDSではこの5月に初期型Z2が606万円で落札されており、評価3の要整備車の仕入れ価格がこの相場というのが、市場価格の高騰ぶりを示しているだろう。
また、もう一方のカリスマ絶版車、ホンダのCB750フォアは1969年が初期型。こちらは、ごく初期の車両のみエンジンが砂型鋳造で生産されており、タマが見つかれは「売らずに店に置き続ける」ほど希少だそう。“砂型”についてはバイク版トヨタ2000GTと言えるようなコレクターアイテムと化している。
また、CB750フォアと同年に発売されたカワサキ500SS/マッハIIIも人気で、エグリタンクの初期型は400万円という相場になっており、世界的な需要があることから価格が高騰している。
これら1960年代末~1970年代前半の人気絶版車はもはや文化財のレベルで、乗るために買うものではなくなっているのが現状だ。
過去、ウエマツで販売された1973年型750RS(Z2)。再生産パーツを使っていないオリジナルコンディションでノンレストア車ほど価格が上がる。これはその条件を満たした車両だ
写真は1969年初代CB750フォアの砂型エンジンの車両。量産に向いた金型鋳造の初期型でも400万円と非常に高額だ。買いやすくなるのは2型以降で1972年式だと250万円ほどになる
国内物の初代500SSは400万円からが相場。またタマ数の多い海外物でもごく初期のディストリビューターカバーのものは400万円あたりからで、写真の店頭販売車もその一例だ
■あの頃の中型は300万円前後、今ではあの頃以上に頑張らないと買えない!?
写真は1980年のZ400FX E2。ウエマツによると初代~E3までは300万円あたりからが相場。E4はトランジスタ点火などを採用しており350万円に上昇する。E4の相場にはマンガ「特攻の拓」の影響もあるという
初の400cc並列4気筒のCB400フォアは、1976年の398cc国内物で300万円前後から。免許制度改正以前からあった408ccは100万円安だ。国内物の車検証にある「昭和」の二文字が価値だ
1981年登場のCBX400Fの相場は国内物で300万円前後から。CBXはバイクブーム下のモデルでさらに当時再販もされタマ数が多いことから、CB400フォアよりも手に入れやすい
1975年、国内では二輪の免許制度が改正され、現在のように大型、中型、小型と区分されるようになった。それと同時に大型二輪免許は教習所では取得できなくなり、ライダーのニーズは400ccモデルに集中。1970年代後半はナナハンや大型の時代から400の時代へ移行したのが、大きな出来事だ。
さらにバイクブームへ向かっていた時代で、当時人気だったモデルは販売台数も多いことからタマ数も比較的あるが、400は国内独自の排気量になるため海外からの逆輸入に頼れないモデルもある。また、海外仕様があるものでも国内正規車両の方が価値があり、価格が高騰する傾向がある。
人気が高いのは並列4気筒エンジンで初のDOHCを採用したカワサキZ400FX。次いでホンダの400Fシリーズ。これにはCB400フォア(型式のCB400Fが通称)、CBX400F、CBR400Fの3車種があり、いずれも超人気絶版車だ。他にもスズキのGSX400FやヤマハのXJ400もあるが、これらは修理に難があり、価格は一歩及ばないところだ。
また、当初の400は2気筒から普及し始めており、DOHCのエンジンを採用してトップの性能を誇っていたスズキのGS400シリーズも根強い人気を誇る。GSは、『ハイティーン・ブギ』や『湘南爆走族』といったマンガに登場したことも人気の理由となる。
1984年のCBR400Fはノーマルで250万円あたりから。国内でしか販売されておらずタマは少なめで、独自のバルブ休止機構が無効化されたものは直せないものもありノーマルは希少
写真のGS400Eはドイツで限定500台の「墨鈴」。1978年に発売された後期型となるGS400Eは国内物が250万円からで希少なE2で300万円。GSは耐久性が高く生き残りが多い
カワサキ2スト3気筒も当時はまだ現役だった。1971年の初代350SSやタマ数が少ない1980年のKH400最終型の国内物は300万円が相場。写真の400SSの店頭販売車の例は海外物だけに170万円と割安
1982年のZ400GPは200万円からが相場。販売期間は1年ほどと短命ゆえにタマ数は少ない。400cc4気筒モデルには海外の550cc版がある場合もあり、そちらのほうが割安な場合が多い
Z400FXの翌年、1980年に登場したXJ400は、ピストンとリングが欠品のため整備に難があるという。相場は150万円で写真のデラックス版XJ400D(1981年)が200万円程度だ
1981年にDOHC4バルブを採用し、翌年ヨシムラサイクロンマフラーを装備したGSX400FSインパルスは人気車種で180万円あたり。STDのGSX400Fは部品欠品で整備に難ありだ
■絶版車には手がでなくてもネオクラシックがある! 一番人気はZ900RSだが…
Z1(左)と2018~2019年の初代Z900RS(右)。火の玉カラーがラインナップされていたのはこの期間しかなく、特に中古相場が高い。約140万円の新車価格に対して200万円の値を付ける店もある
初代火の玉カラーのZ1やZ2に手が出なくても、今ならZ900RSがそのスタイルを再現して新車で発売されている。
中身は最新型で価格は138万6000円、トラクションコントロールやアンチロックブレーキシステムも搭載しており、安全面でも1970年代のZとは比較にならないくらい優秀だ。
2021年9月1日に発売されたZ900RSは1975年のZ1Bが採用した通称玉虫カラーを再現。価格は138万6000円
2021年11月12日に発売を予定していたZ900RS SEはコロナ禍の生産遅れで発売が2022年春頃に延期になった。欧州でしか発売されなかったZ1のイエローボールカラーが特徴。価格は160万6000円
Z1よりも20kgほど軽量だったこともあり、ザッパーと呼ばれた元祖Z650は1976年に登場。空冷並列4気筒エンジンは652ccから64psを発生
2021年9月27日に初公開されたZ650RS。2022年春頃に発売予定のZ650RS。Z900RSそっくりのスタイルで予想価格101万2000円という価格は魅力。並列2気筒エンジンなので、軽量コンパクトでリターンライダーにも優しい
また、2022年春頃には弟分であるZ650RSを発売することが、発表されている。排気量はZ900RSの948ccから649ccとなり、エンジン型式も並列4気筒から並列2気筒とスリムになるが、価格は101万2000円と予想されており、かなりお買い求めやすいZ1/Z2スタイルの入門版になりそうだ。
10月8~11月30日の予約期間限定で発売されるCB1100EXファイナルエディション。CB750フォアの現代版として支持されてきたがこれがラスト。価格は136万2900円
こちらはCB1100RSファイナルエディション。価格は140万3600円
そして、今このタイミングならばCB1100EX/RSファイナルエディションを買うラストチャンスを確実に掴むことができる。
ホンダは10月8日、予約期間限定でCB1100RSファイナルエディションを10月28日に、CB1100EXファイナルエディションを11月25日に発売すると発表。なお、現行のCB1100シリーズは本モデルを持って国内販売向けの生産を終了する。
美しい空冷エンジンのフィンにうっとりできるだけでなく故障の心配も皆無。さらに、新車で買える最後の空冷4気筒エンジンのモデルだけに、リセールバリューも期待できるだろう。
CB1100EX/RSファイナルエディションの予約期間は2021年10月8日から2021年11月30日まで。ただし、想定を上回る予約が入った場合、予約期間終了前に予約受付を中断または終了する場合がある。
2022年に30周年を迎えるCB400スーパーフォアは、CBXカラーが92万4800円。バイクのメートル原器と言われるほどの乗りやすさで中古価格も高止まり。生産終了後は高騰間違いなしだ
さらにラストチャンスと言えば、CB400スーパーフォアも2022年限りという情報だ。先に紹介した400Fシリーズ直系のモデルにして、400cc並列4気筒の最後のモデルだけに完成度はピカイチ。丸目の端正なネイキッドスタイルはCBXカラーを身に纏い、ベーシックモデルにしてネオクラシックとしても通用する一台だ。
2021年に発売されたGB350は、ビッグシングルの鼓動がとても気持ちいいモデル。計画台数を超える受注のためにバックオーダー状態となっているが新車で55万円という価格は魅力
もっとトラディショナルなスタイルが好みであれば、ホンダのGB350が今年新発売されたばかり。GB350と同様に空冷シングルエンジンを搭載するヤマハSR400の最終型には、早くも100万円以上の値がついており、GB350のお買い得感が際立っている状況だ。
今は、中古車や絶版車を買おうと思うと高騰相場で、新車を買うにも納車待ちに年単位の時間がかかるケースもある。
極端な例として、新車がラインナップされているZ900RSは、中古価格のほうが高いという逆転現象も実際に起きている。確実に言えるのは、待つことさえできれば、新車のほうが割安だということだ。
2021年に発売されたレブル1100も売れ行き好調。リッターバイクながらリターンライダーでも扱いやすい低シート高と独自のスタイルが人気となっている。110万円からの低価格も魅力
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みんなのコメント
見て眺めるだけなら、素晴らしいが実際乗ってみると(登ってみると)しんどい!!!
FIだしラジアルタイヤ、スリッパークラッチ、ABSにトラクションコントロールまで付いている。
だけど昔のバイクのスタイルと排気音に惹かれるんだよね。空冷の4本マフラーは最高!!