この記事をまとめると
■クルマ好きがワクワクするようなクセが強かったクルマをピックアップ
昔のような「アナログ感」を求める声も高まっている! 電子制御まみれの「現代のクルマ」でもドライバーが操っている感が強いクルマとは
■デザインやインテリアの分野では見た目のインパクトが強烈なフランス車のクセが強い
■現行モデルではすべてにこだわったモデルとしてとある日本車を選出した
いまのクルマにワクワクできない人におすすめ!
昔はクルマが大好きで、ワクワクするクルマがたくさんあったけど、最近まったく心が動くクルマがない、という話をよく聞くようになりました。どのクルマも同じようによくできているし、優秀だし快適なんだけど、心を掴まれるような“何か”が感じられないという人もいます。
でもそれなら、新車にこだわらず、思いっきりクセの強いクルマに乗っちゃいましょう。今後登場することはないかもしれない、ぶっ飛んだクルマたちをピックアップしてみます。
まずデザインでは、世界一醜いクルマと言われたフィアット・ムルティプラと並び、奇抜さではいまだ超えるクルマは出てきていないと思える、ルノー・アヴァンタイム。
フロントから見ると、それほどクセが強いようには見えないのですが、サイドにまわったあたりからアレレ? と釘付けになり、リヤにまわる頃にはうわ~とのけぞること間違いなし。なんとアヴァンタイムは、ミニバンでありクーペでありカブリオレでもあるという、類まれなるクセの強さなのです。
ミニバンなのにドアは2枚しかなく、2列シート5人乗りで、天井のスイッチを押すとダブルサンルーフの大きなガラスとサイドウインドウが一気にオープンに。リヤウインドウが内側に傾斜し、へこんだ部分からぐっとリヤバンパーが張り出しているリヤスタイルは、一度見たら忘れられないデザインでしょう。
続いて、インテリアでクセが強いのは、これまたフランス車のDS7 CROSSBACK。DSオートモビルとは、もともと独創的なモデルが多いシトロエンの1ブランドでしたが、さらに独自の路線を確立するためにシトロエンから独立。目指すのは、フランス独自の美学「サヴォアフェール」といって、日本語でもっとも近いニュアンスで訳すと「匠の技」ということになります。
作品のクオリティを裏付ける経験や修練に加え、創造性やクリエイティビティ、それらを探求する気持ちをひっくるめて、「より良いもの、美しいものを創造せずにはいられない」美意識があるのが特徴です。
そのサヴォアフェールを全身で体現してみせたのが、DS7 CROSSBACKというわけなのです。驚くのは外観よりも、インテリア。パリを象徴する記念碑的建造物の名が与えられた3つのバリエーションが用意されており、絢爛たる建築美を誇るオペラ座の「OPERA」、ハイファッションの発信地リヴォリ通りの「RIVOLI」、フランス革命発端の地であるバスティーユ広場の「BASTILLE」となっています。
たとえばOPERAでは、スタートボタンを押すとインパネの一等地に現れるのは、B.R.Mクロノグラフ社とコラボした美しいアナログ時計。センターコンソールのトグルスイッチは、高級時計の文字盤加工に用いられる「クル・ド・パリ」をモチーフとしていたり、シートのみならずダッシュボードやドアトリムにまで贅沢に使われたナッパレザー、小さな真珠が並ぶような繊細なステッチなど、ほかのSUVではまず見当たらないDSの世界観に包まれるインテリアとなっています。
どうせ乗るなら心が躍るクルマに乗りたい
次に、走りのクセが強いのは、フィアット500やフォルクスワーゲンup!や初代ルノー・トゥインゴなど有名なモデルがありますが、それに勝るとも劣らないのが初代スマートでしょう。スイスの時計メーカーであるスウォッチと、ダイムラー・ベンツとの協業によって、全長たった2.7mのマイクロボディにふたりのためのゆったりとしたシートを配置し、荷物スペースも最小限のシティコミューターとして、1997年に誕生したモデルです。
のちにさまざまなバリエーションが追加されるのですが、当初は0.6リッター直3ターボエンジンを搭載し、トランスミッションには「ソフタッチ」と呼ばれるシングルクラッチ6速ATを設定。レイアウトはRRで、最小回転半径は4.1mという小ささでした。しかし、2ペダルMTのソフタッチの制御は強烈で、何も知らずにアクセルを踏むとガックンガックンとすごいギクシャク感。軽いうえにRRなので、後ろから蹴り出されるような加速フィールもクセが強く、リアル”チョロQ”かとささやかれたものです。
でも、だんだん扱いに慣れてくると、最初がギクシャクしていたがためにクルマとの一体感の強さは格別。乗れば乗るほど親密になっていける感覚に、またハマってしまうかもしれません。
続いては、前代未聞の1台5役というクセが強いクルマ、シトロエンC3プルリエル。まず、通常の状態が4人乗りのサルーンで、そこからソフトトップを開ければ「パノラミックサルーン」になります。さらに、ソフトトップとサイドイウンドウを格納してサイドアーチだけにすれば「カブリオレ」、サイドアーチを取り外せば「スパイダー」にも変身するのです。
その日の気分によって、こんなに姿を変えられるクルマはほかにないですよね。1.6リッターエンジンは力強く、元気な走りでも楽しませてくれます。飽きっぽい人にも合うのではないでしょうか。
さて、最後は今回唯一の現行モデルで、こだわりが強すぎるモデルといえばニッサン・ノートオーラNISMOです。開発チームに聞くところによれば、公道のフォーミュラEをつくる、的な意気込みで徹底して仕上げられたというから、クセが強くないわけがないですよね。
ベースとなっているノートオーラは、ノートから出力やトルクを高めて100kW/300Nmとなっているのですが、ノートオーラNISMOはそこから出力特性を専用チューンして、加速度が速く立ち上がり、加速力が落ちにくいといった、ドライバーの欲求を満たすような刺激的な走りを目指したといいます。
ハンドリングも俊敏で、アルカンターラ巻きのステアリングやレカロシートなど、ドアを開ければクセ全開。家族がいるけどスポーツカーがあきらめられない人にも、満足度が高そうです。
ということで、少しくらい不便なところがあったって、燃費が少々悪くったって、どうせ乗るなら心が躍るクルマと一緒に過ごした方がいいですよね。勇気を出して、クセ強ワールドへ踏み出しましょう。
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